センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
82話 第一停滞期。
82話 第一停滞期。
「お前の剣には可能性がある。お前はツボミ、虫で言えばサナギの段階。人間で言うと、なんだろうな……ジャンプする前にかがんでいる状態かな。飛び上がる前が、一番停滞する。当たり前の話」
「……」
「ヘタに才能があるやつは、お前みたいに『第一停滞期』でヘコんで折れるからタチが悪い。天から貰ったギフトがすごすぎて、なかなか挫折する機会がないから、根本的な『人間の成長システム』についての理解がたりない。ほんと愚かしい」
ゲン・フォースは違う。
才能なんてなかった。
今世では、まだ、色々とチートがあるが、
前世では、本当にひどかった。
何も持たない無能だった。
けれど『たいていの凡人』をぶっちぎることが出来た。
『本物の天才』には勝てなかったけれど、
そこらの凡人を置き去りにすることは出来た。
『本物の天才』にヘシ折られたという点では、
ケムスもゲンも変わらないが、
しかし、前提は全く違う。
彼女には才能があり、
ゲンには才能がなかった。
見ている風景と、
ここまでに至る手順が違った。
だから結論と結果が異なる。
明確に。
「才能があるやつは、二段飛ばしで階段を上がれる。けれど、どれだけ才能があっても、必ず途中で、壁にぶつかる。『才能の質』ってのは『壁までの距離』のことを言う。壁までの距離が長ければ長いほど才能があるってことになるが、どれだけ才能があっても、結局、いつか、壁には到達する。そんな最初に直面する壁のことを、俺は第一停滞期と呼んでいる」
第一停滞期をどう乗り越えるか。
そこから先は、才能ではなく努力の話になってくる。
ここに関してだけ言えば、
『才能に乏しい者』の方が優れていると断言できる。
『壁と向き合う時間』と『回数』が違うのだから、当たり前の話。
「俺は常に第一停滞期スタートだから、最初は一歩も前に進めない。必死に頑張っても、さっぱり前に進めない。けれど、『それでも』と、必死になってもがいていると、ある日、いつか、前に進める日がくる。ちょっとだけ前に進めて、けれど、すぐに第二停滞期がやってくる。何をしても前に進めない日々を重ねる。それでも諦めなかったら、ある日、また、ちょっとだけ前に進める時を迎える。だけれど、また、すぐに『第三停滞期の野郎』が、死角から殴り掛かってくる」
「……」
「壁破壊のスペシャリストである俺が、お前に『壁の壊し方』を教えてやるよ。『世界広し』と言えど、俺以上に才能のないやつはいないだろう。つまり、俺は、世界で一番、壁の壊し方について詳しいってこと」
言いながら、ゲンは真剣卍を構え、
「俺ほどの領域になると、第一停滞期の突破なんざ、赤子の手をひねるようなもの」
そう宣言すると、
ゆるやかな速度で、
ケムスに切りかかった。
「……っ」
対応する気はなかったが、
しかし、ケムスの体は、反射で、
ゲンの太刀に剣をあわせていた。
「……もういい、と言っている!」
イラだった声で、そう叫びながら、
ケムスは『小脳の応答』だけで、
ゲンの太刀をはじいていく。
「もう降参しただろう! 君の方が強いと認めた! 謝罪もした! これ以上、何が欲しい! 死人にムチを打つのはやめろ!」
「まずは『死人じゃない』ってことに気づけ。それが『ステップワン』だ」
「お前の剣には可能性がある。お前はツボミ、虫で言えばサナギの段階。人間で言うと、なんだろうな……ジャンプする前にかがんでいる状態かな。飛び上がる前が、一番停滞する。当たり前の話」
「……」
「ヘタに才能があるやつは、お前みたいに『第一停滞期』でヘコんで折れるからタチが悪い。天から貰ったギフトがすごすぎて、なかなか挫折する機会がないから、根本的な『人間の成長システム』についての理解がたりない。ほんと愚かしい」
ゲン・フォースは違う。
才能なんてなかった。
今世では、まだ、色々とチートがあるが、
前世では、本当にひどかった。
何も持たない無能だった。
けれど『たいていの凡人』をぶっちぎることが出来た。
『本物の天才』には勝てなかったけれど、
そこらの凡人を置き去りにすることは出来た。
『本物の天才』にヘシ折られたという点では、
ケムスもゲンも変わらないが、
しかし、前提は全く違う。
彼女には才能があり、
ゲンには才能がなかった。
見ている風景と、
ここまでに至る手順が違った。
だから結論と結果が異なる。
明確に。
「才能があるやつは、二段飛ばしで階段を上がれる。けれど、どれだけ才能があっても、必ず途中で、壁にぶつかる。『才能の質』ってのは『壁までの距離』のことを言う。壁までの距離が長ければ長いほど才能があるってことになるが、どれだけ才能があっても、結局、いつか、壁には到達する。そんな最初に直面する壁のことを、俺は第一停滞期と呼んでいる」
第一停滞期をどう乗り越えるか。
そこから先は、才能ではなく努力の話になってくる。
ここに関してだけ言えば、
『才能に乏しい者』の方が優れていると断言できる。
『壁と向き合う時間』と『回数』が違うのだから、当たり前の話。
「俺は常に第一停滞期スタートだから、最初は一歩も前に進めない。必死に頑張っても、さっぱり前に進めない。けれど、『それでも』と、必死になってもがいていると、ある日、いつか、前に進める日がくる。ちょっとだけ前に進めて、けれど、すぐに第二停滞期がやってくる。何をしても前に進めない日々を重ねる。それでも諦めなかったら、ある日、また、ちょっとだけ前に進める時を迎える。だけれど、また、すぐに『第三停滞期の野郎』が、死角から殴り掛かってくる」
「……」
「壁破壊のスペシャリストである俺が、お前に『壁の壊し方』を教えてやるよ。『世界広し』と言えど、俺以上に才能のないやつはいないだろう。つまり、俺は、世界で一番、壁の壊し方について詳しいってこと」
言いながら、ゲンは真剣卍を構え、
「俺ほどの領域になると、第一停滞期の突破なんざ、赤子の手をひねるようなもの」
そう宣言すると、
ゆるやかな速度で、
ケムスに切りかかった。
「……っ」
対応する気はなかったが、
しかし、ケムスの体は、反射で、
ゲンの太刀に剣をあわせていた。
「……もういい、と言っている!」
イラだった声で、そう叫びながら、
ケムスは『小脳の応答』だけで、
ゲンの太刀をはじいていく。
「もう降参しただろう! 君の方が強いと認めた! 謝罪もした! これ以上、何が欲しい! 死人にムチを打つのはやめろ!」
「まずは『死人じゃない』ってことに気づけ。それが『ステップワン』だ」
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