センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
70話 敗北の条件。
70話 敗北の条件。
剣が煌めいて、
ゲンの頬をかすめる。
「おっとっと」
ゲンは、即座にオーラで止血して、
ケムスの第二手に対し、
真剣卍で合わせにいった。
存在値の差が大きいため、
ゲンは、グラっとよろめく。
ゲンの崩れた体勢を、
ケムスは決して見逃さない。
「これが現実だよ」
そう言いながら、
ケムスは、ゲンの腹部にヤクザキックを決め込んだ。
「ぐふ!」
当然のように吹っ飛んで、
仰向けに倒れこむ。
大きなダメージを受けたわけではないので、
即座に体勢を立て直して立ち上がり、
再度、真剣卍を構えるゲン。
そんなゲンに対し、
ケムスは、冷めた目で、
「まだ、やる?」
そう問いかける。
ゲンは、首を鳴らしながら、
「準備運動すら終わっていないのに、終わるワケないだろ。今の攻撃は、わざとくらってやったんだ。そういう気分だったからなぁ。ほら、あるだろ、そういう気分の時も。なんか、こう、ほら……アレだよ……わかるだろ?」
そんなことを言うゲンに、
ケムスは、ため息交じりに、
「彼我(ひが)の差すら分からない虫の相手をしなければいけない僕の気持ちも少しは慮ってもらいたいところなのだけれど?」
「虫だったら『慮(おもんぱか)る』なんて高度な技能は駆使できねぇだろ。前提から間違っていることをほざくなよ、バカ女」
言いつつ、
ゲンは、グイグイと両肩をまわす。
その様子を尻目に、
ケムスは、
「……最後まで続けるというのなら、最初に、キチンと言っておこう。僕が勝ったら、今後、二度と、幹部会議に参加するな。ロコ様から誘われたとしても辞退しろ。君のような無能が、僕と同じステージに立つのは我慢できない」
「俺の敗北に対して条件をつけた以上、あんたの敗北にも条件はつくんだぜ。わかってんのか?」
「その点に想いを馳せる必要はない。君が僕に勝てる可能性はゼロを下回っている」
「お前の感想はどうでもいい。俺の敗北に条件をつけた以上、テメェの敗北にも条件がつくという、きわめてシンプルな道理の話をしている」
「0%の可能性に思考を費やすのは命の無駄……なのだが、そうだな……では、僕が負けた時は、自殺することにしよう。君のようなカスに負ける……そんな恥を抱えて生きてはいけないからな」
「俺は、負けても、会議に参加しないだけ。あんたは負けたら死ぬ。この条件格差は、あまりにフェアじゃねぇ。そもそも、俺は、あんたが死んでも一ミリもうれしくねぇ……どころか、間接的とはいえ、あんたを殺したとなれば、俺が、ロコ様に怒られるだろうが」
「……めんどくさいガキだな。なら、この戦いは『負けた方が勝った方のいう事を聞く』という条件でいいだろう」
「シンプルで非常によろしい。ちなみに、俺が勝ったら、お前は、永遠に俺の練習道具になるから、そのつもりでよろしく」
「……練習道具?」
「モンスターを狩るだけじゃ得られない『対人用の戦闘技術』を高めるための練習道具。それが、これから先のお前の存在理由だ。よかったな。いずれ世界最強になる男の練習になれるなど、名誉以外の何ものでもない。『生まれてきた理由』が出来たことを、泣いて喜んでいいぜ」
「……脳内お花畑とはこのことだな」
「それはこっちのセリフだ。彼我の差が分かっていないのは、そっちの方だってことを教えてやるぜ。今から、とびっきりの邪悪で世界を常闇に染める。――さあ、聖なる絶望を数えろ」
剣が煌めいて、
ゲンの頬をかすめる。
「おっとっと」
ゲンは、即座にオーラで止血して、
ケムスの第二手に対し、
真剣卍で合わせにいった。
存在値の差が大きいため、
ゲンは、グラっとよろめく。
ゲンの崩れた体勢を、
ケムスは決して見逃さない。
「これが現実だよ」
そう言いながら、
ケムスは、ゲンの腹部にヤクザキックを決め込んだ。
「ぐふ!」
当然のように吹っ飛んで、
仰向けに倒れこむ。
大きなダメージを受けたわけではないので、
即座に体勢を立て直して立ち上がり、
再度、真剣卍を構えるゲン。
そんなゲンに対し、
ケムスは、冷めた目で、
「まだ、やる?」
そう問いかける。
ゲンは、首を鳴らしながら、
「準備運動すら終わっていないのに、終わるワケないだろ。今の攻撃は、わざとくらってやったんだ。そういう気分だったからなぁ。ほら、あるだろ、そういう気分の時も。なんか、こう、ほら……アレだよ……わかるだろ?」
そんなことを言うゲンに、
ケムスは、ため息交じりに、
「彼我(ひが)の差すら分からない虫の相手をしなければいけない僕の気持ちも少しは慮ってもらいたいところなのだけれど?」
「虫だったら『慮(おもんぱか)る』なんて高度な技能は駆使できねぇだろ。前提から間違っていることをほざくなよ、バカ女」
言いつつ、
ゲンは、グイグイと両肩をまわす。
その様子を尻目に、
ケムスは、
「……最後まで続けるというのなら、最初に、キチンと言っておこう。僕が勝ったら、今後、二度と、幹部会議に参加するな。ロコ様から誘われたとしても辞退しろ。君のような無能が、僕と同じステージに立つのは我慢できない」
「俺の敗北に対して条件をつけた以上、あんたの敗北にも条件はつくんだぜ。わかってんのか?」
「その点に想いを馳せる必要はない。君が僕に勝てる可能性はゼロを下回っている」
「お前の感想はどうでもいい。俺の敗北に条件をつけた以上、テメェの敗北にも条件がつくという、きわめてシンプルな道理の話をしている」
「0%の可能性に思考を費やすのは命の無駄……なのだが、そうだな……では、僕が負けた時は、自殺することにしよう。君のようなカスに負ける……そんな恥を抱えて生きてはいけないからな」
「俺は、負けても、会議に参加しないだけ。あんたは負けたら死ぬ。この条件格差は、あまりにフェアじゃねぇ。そもそも、俺は、あんたが死んでも一ミリもうれしくねぇ……どころか、間接的とはいえ、あんたを殺したとなれば、俺が、ロコ様に怒られるだろうが」
「……めんどくさいガキだな。なら、この戦いは『負けた方が勝った方のいう事を聞く』という条件でいいだろう」
「シンプルで非常によろしい。ちなみに、俺が勝ったら、お前は、永遠に俺の練習道具になるから、そのつもりでよろしく」
「……練習道具?」
「モンスターを狩るだけじゃ得られない『対人用の戦闘技術』を高めるための練習道具。それが、これから先のお前の存在理由だ。よかったな。いずれ世界最強になる男の練習になれるなど、名誉以外の何ものでもない。『生まれてきた理由』が出来たことを、泣いて喜んでいいぜ」
「……脳内お花畑とはこのことだな」
「それはこっちのセリフだ。彼我の差が分かっていないのは、そっちの方だってことを教えてやるぜ。今から、とびっきりの邪悪で世界を常闇に染める。――さあ、聖なる絶望を数えろ」
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