センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
54話 おしゃべりなゲン。
54話 おしゃべりなゲン。
「すばらしい速度だ! しかし、遅いな!」
「どっちやねん!!」
明確に矛盾するセリフを叫ぶセイバーリッチ・プチ。
だからこそ、つい、型通りの言葉を返してしまったゲン。
無造作に暴力を拡散させる『猛獣ゲン』と、
柳のようにヒラヒラと回避するセイバーリッチ・プチ。
(やべぇな……これ、当たる気しねぇ……)
ほんの数秒のぶつかり合い。
だが、それでも、理解できることは確かにある。
ゲンとセイバーリッチ・プチの間には、
まだまだ埋めきれない差がある。
(この厨二野郎、どんな強さしてんだよ……何やったって、勝てる気しねぇ……こいつが『世界で一番強い神様です』って言われても普通に信じるレベルだぞ……)
どうにか、攻撃を当てるところから始めようと、
いろいろ画策してみるものの、
しかし、すべてが空振りに終わるという絶望。
(こりゃ、ダメだな……もはや、笑っちまうぜ)
心の言葉だけではなく、
実際、
「は、はは……」
と、力なき笑顔で苦笑をこぼすゲン。
そんなゲンに、
セイバーリッチ・プチは、
「この絶望下でも笑えるとはすばらしい胆力。感嘆に値する」
「いや、胆力始動の頼もしい笑みではなかっただろ。『あちゃー、こら、あきまへんな』って時の笑いだっただろうが」
「もちろん理解しているが、それがなにか?」
「……うわ、性格が死んでるな、このクズ」
「よく言われる」
「なら、改(あらた)める努力をしやがれ」
「ハッキリ言っておくが、本気を出した私の性格の悪さは、こんなものではない」
「どういう自慢?」
「自慢ではない。自虐だ。ただのな」
などと言いつつ、
セイバーリッチ・プチは、
オーラのギアを一段階あげる。
「さあ、そろそろ、エグゾギアの扱いにも慣れてきただろう。準備運動は終わりにして、本気で殺し合おう」
さらにグっと圧力を増したセイバーリッチ・プチを目の当たりにして、
ゲンの背筋に鋭利な寒気が走った。
ゆえに、
「……お、落ち着け、イケメン! こんな短時間で、これほどの奇妙な力に慣れるほど、俺は天才肌じゃない! あんたのような天才と違って、俺は無能なんだ! その辺を考慮して行動していただきたい! あんたほど理知的で品行方正っぽいやつなら、模範的行動に徹するぐらいワケないだろ?!」
ゴリゴリにゴマをすってから、
「最初にちゃんと言っておくが、俺は、時間をかけて積み上げないと何もできない系男子だ。というわけで、10年くれ。3000~5000日ぐらいあれば、どうにか、『慣れる』ぐらいはできるはずだ」
「……」
「さ、というわけで、ウォーミングアップの続きをはじめよう。これまで通り、決して反撃せず、俺が成長できるよう、うまく立ち回ってくれ。さあ、いこう」
「準備運動はもう飽きた」
「あわてるなぁ! まだ、お前が本気を出す時間じゃない。今の俺にそんな価値はない! 俺にはわかる! お前からは、磨き抜かれた鍛錬の結晶を感じる! だが、俺にはそれがない! 比べると、まるで、ウジ虫と太陽! みろ、このみすぼらしさを! 吐き気すらおぼえる! というわけで、まず、俺に積む時間をあたえるべきだ! それが世界の道理! 真理とも言えよう! というわけで、100年くれ! 100年もあれば、あんたと向き合える力を得られなくもない気がしなくもない! たぶん! いや、きっと!」
「すばらしい速度だ! しかし、遅いな!」
「どっちやねん!!」
明確に矛盾するセリフを叫ぶセイバーリッチ・プチ。
だからこそ、つい、型通りの言葉を返してしまったゲン。
無造作に暴力を拡散させる『猛獣ゲン』と、
柳のようにヒラヒラと回避するセイバーリッチ・プチ。
(やべぇな……これ、当たる気しねぇ……)
ほんの数秒のぶつかり合い。
だが、それでも、理解できることは確かにある。
ゲンとセイバーリッチ・プチの間には、
まだまだ埋めきれない差がある。
(この厨二野郎、どんな強さしてんだよ……何やったって、勝てる気しねぇ……こいつが『世界で一番強い神様です』って言われても普通に信じるレベルだぞ……)
どうにか、攻撃を当てるところから始めようと、
いろいろ画策してみるものの、
しかし、すべてが空振りに終わるという絶望。
(こりゃ、ダメだな……もはや、笑っちまうぜ)
心の言葉だけではなく、
実際、
「は、はは……」
と、力なき笑顔で苦笑をこぼすゲン。
そんなゲンに、
セイバーリッチ・プチは、
「この絶望下でも笑えるとはすばらしい胆力。感嘆に値する」
「いや、胆力始動の頼もしい笑みではなかっただろ。『あちゃー、こら、あきまへんな』って時の笑いだっただろうが」
「もちろん理解しているが、それがなにか?」
「……うわ、性格が死んでるな、このクズ」
「よく言われる」
「なら、改(あらた)める努力をしやがれ」
「ハッキリ言っておくが、本気を出した私の性格の悪さは、こんなものではない」
「どういう自慢?」
「自慢ではない。自虐だ。ただのな」
などと言いつつ、
セイバーリッチ・プチは、
オーラのギアを一段階あげる。
「さあ、そろそろ、エグゾギアの扱いにも慣れてきただろう。準備運動は終わりにして、本気で殺し合おう」
さらにグっと圧力を増したセイバーリッチ・プチを目の当たりにして、
ゲンの背筋に鋭利な寒気が走った。
ゆえに、
「……お、落ち着け、イケメン! こんな短時間で、これほどの奇妙な力に慣れるほど、俺は天才肌じゃない! あんたのような天才と違って、俺は無能なんだ! その辺を考慮して行動していただきたい! あんたほど理知的で品行方正っぽいやつなら、模範的行動に徹するぐらいワケないだろ?!」
ゴリゴリにゴマをすってから、
「最初にちゃんと言っておくが、俺は、時間をかけて積み上げないと何もできない系男子だ。というわけで、10年くれ。3000~5000日ぐらいあれば、どうにか、『慣れる』ぐらいはできるはずだ」
「……」
「さ、というわけで、ウォーミングアップの続きをはじめよう。これまで通り、決して反撃せず、俺が成長できるよう、うまく立ち回ってくれ。さあ、いこう」
「準備運動はもう飽きた」
「あわてるなぁ! まだ、お前が本気を出す時間じゃない。今の俺にそんな価値はない! 俺にはわかる! お前からは、磨き抜かれた鍛錬の結晶を感じる! だが、俺にはそれがない! 比べると、まるで、ウジ虫と太陽! みろ、このみすぼらしさを! 吐き気すらおぼえる! というわけで、まず、俺に積む時間をあたえるべきだ! それが世界の道理! 真理とも言えよう! というわけで、100年くれ! 100年もあれば、あんたと向き合える力を得られなくもない気がしなくもない! たぶん! いや、きっと!」
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