センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

51話 パンパカパーン!

 51話 パンパカパーン!

「カス以下の低級モンスター風情が、この私を相手に、何をしようというのかね」

 セイバーリッチ・プチは、召喚獣の猛攻をモノともせず、
 聖剣とデスサイズで、
 ――バサバサァッッ!!
 と、三体のモンスターを、一瞬のうちに切り捨ててしまった。


 そのまま、『ゲンとの距離』を華麗に刈りつくして、


「聖なる死の喝采を魂に刻め」

 と、ちょっと何言っているかわからない言葉をつぶやきつつ、
 倒れているゲンの腹部に、強烈な膝を叩き込んだ。

 あまりの衝撃と激痛に、
 ゲンは、

「ぶっはぁああああ!!」

 大量の血を噴射する。

「聖なる死は不平等だが、しかし、それがゆえに美しい。さあ、立ち上がれ、小さき者よ。貴様が享受すべき聖なる絶望は、まだ序章がはじまったばかり」

 などと言いながら、
 セイバーリッチ・プチは、
 ゲンに背を向けて、天を仰ぐ。

 そんな様子を横目に、ゲンは、


「……ぶほぉ……ぐへぇ……いや、ちょっ……まっ……つ、つよすぎん?」


 言いながら、フラつきながら、
 ゲンはゆっくりと立ち上がり、

「いや、もう……レベルが違うじゃねぇか……これ、完全に裏ボスレベルだろ……おそらくだけど『最初の草むらで、ミュ〇ツーが飛び出してきた』みたいな状況だろ、これ……」

 絶望に心を圧迫されるゲン。
 あまりにも唐突に『勝てるわけがない敵』と対峙したことで、
 普通に『SAN値(正気度)』がゴッソリと減少した。

 が、しかし、

「……ふざけやがって……なんだ、この状況……カスが……ぅううっ……」

 まるで、それがトリガーになったみたいに、


「なめんじゃねぇぞ、くそがぁあああ!」


 ギリっと奥歯をかみしめて、自分に気合をぶちこもうと大声で叫ぶゲン。

 セイバーリッチ・プチという明確な絶望を前にしたことで、
 魂魄の奥がグワっと燃え上がってきた。

 死んでも折れることを許さない、
 根性だけは無敵のエンジンがフル回転する。

 そんなゲンの視線の先で、
 刈プチが、
 両膝・両手を地につけたスタイルのまま、

「あ、あきらめろ! 勝てるわけがない! あいつは伝説の最強モンスターなんだぞ!」

 と、再度、絶望を口にした。

 それを横目に、ゲンは、

「もうわかったっつーの、うぜぇなぁ……テンプレネタをしつこく連発するんじゃねぇ」

 などとつぶやきながら、
 そこで、

(……あのヘタレからもらった護符……あたりが出れば人生が変わるとかほざいていたが……それが事実なら……)

 セイバーリッチの登場に慌てて、
 さきほど、雑に、ポケットに突っ込んでしまった護符を取り出すゲン。


「俺って、マジで、ガチャ運は、別によくないんだが……」


 そう言いつつ、
 ゲンは、

「……まあ、でも、とっておく意味もねぇしな。使わずに死ぬより、使ってから死んだ方が億倍マシだ」

 そうつぶやくと、
 迷いなく、宝くじの護符を使用する。

 すると、
 パンパカパーン!
 という、ファンファーレが鳴って、
 頭の中に、

『おめでとう。あなたは【パーフェクト・ラージャン・エグゾギア・プチ】を入手した』

 という、電子音が響いた。
 と、同時、


『素体融合、開始』


 どこからか声が響く。
 先ほどの声とは別モノだった。


『輝荒王(きこうおう)回路外骨格、構築完了』

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品