センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

49話 ゲーム仕様。

 49話 ゲーム仕様。

「丁寧な説明、どうも。まるでゲームキャラなみに親切だが……その親切さは、何かしらのアリア・ギアスなのかな?」

「いや、ただの仕様だ」

 そう言うと、刈りプチは、
 リボルバーの銃口をゲンにロックして、

「それでは、戦闘開始だ。せいぜい、あがけ。そして、抗えぬ死にのたうちまわるがいい」

 ズガンッ、ズガンッと、
 両手のリボルバーが、ほぼ同時に火を噴いて、
 ラムドアイズの胴体に命中した。

「ギィイイイイッッ!」

 それなりのダメージを受けたようで、
 ラムドアイズは、悲痛の声をあげる。

 ただ、決定的なダメージではなかったため、
 ラムドアイズは、すぐさま反撃に出た。

 巨大なシッポを振り回しての物理アタック。
 飛翔してからの突進。

 物理で削りをいれつつ、
 時折、チャンスとみると、

「いまだ、インフラレッド・インフェルノ!!」

 ゲンの命令で、
 ブレスをぶっ放す。


「ぐぬぅうっ!」


 ブレスの火力に押し込まれる刈プチ。
 ここを勝機と見たゲンは、
 追加で、

「ワンダーナイト、召喚。覇鬼、召喚」

 戦力を全投入して、
 刈プチに圧力をかけていく。

 刈プチは決して弱くはない。
 弱くはないのだが、
 現状の『戦力がそろっているゲン』の視点では、
 『強すぎる』というほどでもなく、
 なんというか、『ほどよい難易度の敵』という感じでしかなく、

 結果的には、20分ほどの戦闘で、

「ぐぉおお……ま、まさか、この私が……こんなガキに……」

 刈プチは、うめき声をあげながら、
 懐からお札のようなものを一枚取り出して、

「み、見事だ、少年よ……これを受け取るがいい」

 そう言いながら差し出してきたソレを、
 ゲンは、軽く警戒しつつ受け取る。

「それこそが、スーパーレアアイテム『宝くじの護符』……闘う前にも言ったが、使うと、ランダムでアイテムが手に入る。ハズレのアイテムでも、そこそこ良いモノが手に入り、あたりのアイテムを引けば人生がかわる」

「……ふーん。ちなみに、これって、あんたを倒すたびにもらえるの? もし、そうなら、あと10000回ほど倒して乱獲したいところなんだけど。俺は、クジ運が良くも悪くもないから『チャンスは1回こっきり』となると、おそらく、大したアイテムは手に入らないと思うんだよね」

 特にほしいワケでもない『覇鬼のダブリ』のために1000回を積むことは出来ないゲンだが、明らかにメリットがありそうな報酬を前にすれば10000回だって積むことができる。
 ある意味で、人間らしい、非常に現金な思考形態。

「私はボーナスキャラだ。ワンダーナイトや覇鬼とは違い、出現場所が固定ではない」

「……もう、完全にゲーム仕様だな……いまさらだけど」

 などと、
 ゲンが呆れ顔を浮かべていると、
 そこで、





『――ここに、すべての条件が満たされた』





 背後から、奇妙な音声が響いた。
 反射的に振り返ってみると、
 フロアの中央に、

 黒い球のようなものが浮かんでいた。

「……おいおい、『おかわり』かよ……まあ、キ〇ガイフロアって名目の割には、敵が普通すぎると思っていたから、別に、そこまで驚かないけど……」


 その黒い球は、グニャグニャとうごめいて、
 人の形になっていく。

「また、ずいぶんとヤバそうな雰囲気をビシバシと感じさせてくれるねぇ……」

 そして、完成したのは、
 ――漆黒の後光を背負ったバケモノ。

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