センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
-?2話 ゼノリカレント
-?2話 ゼノリカレント
「……いいね。かっこいいよ、才藤零児。『なにもかもがハンパだったガキの頃』とは大違いだ。君は大きく成長した。結局、君ではダメだったが……しかし、君は大きな可能性を示した……可能性だけじゃダメなんだけど……けれど、無意味じゃない」
死にゆく間際、
才藤は、
己の全てを振り絞り、
「――絶対に……諦めねぇ――」
生命力をフルで暴走させる。
憤怒の中に全てを込める。
その様を見て、ソルはニっと微笑んで、
「MPはもう尽きているのに、まだそれほど輝けるか……すごいね。オーラが圧縮されていくのが分かる。しかし、それじゃ、届かない。それじゃダメだ」
言われなくてもわかっている。
そう言いたげな目で、
才藤はソルをにらみつけ、
「俺は祈る……」
全ての魂魄を解放する覚悟。
死を飲み込んで、
もっと前へ、
もっと向こうへ。
「俺の覚悟が、混沌を裂く光になりますように……全てを奪い返す……本物の光に……」
祈りをささげてから、
「もちろん……そのために必要なことは、全部やる……俺の全てをささげる……」
無理して、全力で、
『ニィ』と、
聖なる闇のように、
まっ黒く微笑んで、
「ぼくちゃんは……聖なる死神……ぼくちゃんの全部を、この拳にかける♪」
「最後の最後まで痛々しいね。けれど、だからこそ強く輝く。……君の祈りはコスモゾーンに届いた。君の拳は、君の覚悟によって、運命の最果てにも届きうる力を手に入れた。さあ、くるがいい。君の全てをうけとめてあげるよ」
「いつまでも、高いところからモノを言えると思っちゃノンノン♪」
最後まで、
軽やかな口調で、
けれど、心にはニトロをブチこんで、
「聖なる死神の芸術を見るがいい♪」
全身全霊を、拳に込めて、
「華やかに死んじゃえ、ウザったいから♪ 不愉快な悪循環にシャープシューター♪ くらえよ、これが、本気のファックユー♪ お前の全てが自己矛盾♪ 満たす、命の暴風雨♪ ぼくちゃんは、お前の全部を否定する♪ この命全部で否定する♪ さあ、くらいやがれ♪ ぼくちゃんの想い♪ その全部っ!!」
想いの全てを、
象(かたち)に変える。
「……『メギドグリムアーツ・セイバーゼノリカレント』っっ!!」
強力な体術。
想いと覚悟の全てを込めた、芸術的一撃。
「――うぉっと」
その拳は、
ソルの腹部をさらっていった。
細胞が消滅する。
オーラが削られる。
間違いなくダメージを与えた。
極大のダメージ。
条件次第では、世界全てを破壊することだって、
きっと、不可能ではない、
そんな渾身の一手。
――しかし、
「うんうん……いい一撃だった。本当に……美しい一手だった。君の人生、君の地獄、君の想い、すべてが一点に集中していた」
「……」
「覚悟を込めた体術の極限、滅する死神の芸術……メギドグリムアーツ……いいね、名称がいい。かっこいいよ。君らしさが詰まっている、いい厨二技だ。どこかで使わせてもらうよ」
ノーダメージではなかった。
才藤の拳は、ソルの腹部を貫いた。
しかし、ソルは、軽く血を吐いただけで、
死に至るほどのダメージは受けていない。
「がはっ……っ……ぐっ……くぅ…………ぜ、ゼロじゃねぇ……『無』には還(かえ)らねぇ……俺の想いは……執念は……決して……っ」
結局のところ、才藤は、ソルを相手に、
ほとんどダメージをあたえることもできずに息を引き取った。
文句なしの敗北。
才藤零児は、ソルに負けた。
完璧に敗北した。
完全に死んだ。
しかし、それは『有機領域』に限定された『一部分』の話。
――絶対にあきらめねぇ――
――この怒り、この憎しみ――
――狂いそうだ。死んだ時よりもはるかに苦しい――
――しかし、だからこそ――
才藤零児の『執念』は消えなかった。
その執念は、虚空を彷徨って、
舞い散りながら、
けれど、確かに、
――『彼』へと託された。
才藤零児の執念は、
今もなお、必死で、運命に抗い続けている。
クソみたいなバッドエンドを殺すために。
「……いいね。かっこいいよ、才藤零児。『なにもかもがハンパだったガキの頃』とは大違いだ。君は大きく成長した。結局、君ではダメだったが……しかし、君は大きな可能性を示した……可能性だけじゃダメなんだけど……けれど、無意味じゃない」
死にゆく間際、
才藤は、
己の全てを振り絞り、
「――絶対に……諦めねぇ――」
生命力をフルで暴走させる。
憤怒の中に全てを込める。
その様を見て、ソルはニっと微笑んで、
「MPはもう尽きているのに、まだそれほど輝けるか……すごいね。オーラが圧縮されていくのが分かる。しかし、それじゃ、届かない。それじゃダメだ」
言われなくてもわかっている。
そう言いたげな目で、
才藤はソルをにらみつけ、
「俺は祈る……」
全ての魂魄を解放する覚悟。
死を飲み込んで、
もっと前へ、
もっと向こうへ。
「俺の覚悟が、混沌を裂く光になりますように……全てを奪い返す……本物の光に……」
祈りをささげてから、
「もちろん……そのために必要なことは、全部やる……俺の全てをささげる……」
無理して、全力で、
『ニィ』と、
聖なる闇のように、
まっ黒く微笑んで、
「ぼくちゃんは……聖なる死神……ぼくちゃんの全部を、この拳にかける♪」
「最後の最後まで痛々しいね。けれど、だからこそ強く輝く。……君の祈りはコスモゾーンに届いた。君の拳は、君の覚悟によって、運命の最果てにも届きうる力を手に入れた。さあ、くるがいい。君の全てをうけとめてあげるよ」
「いつまでも、高いところからモノを言えると思っちゃノンノン♪」
最後まで、
軽やかな口調で、
けれど、心にはニトロをブチこんで、
「聖なる死神の芸術を見るがいい♪」
全身全霊を、拳に込めて、
「華やかに死んじゃえ、ウザったいから♪ 不愉快な悪循環にシャープシューター♪ くらえよ、これが、本気のファックユー♪ お前の全てが自己矛盾♪ 満たす、命の暴風雨♪ ぼくちゃんは、お前の全部を否定する♪ この命全部で否定する♪ さあ、くらいやがれ♪ ぼくちゃんの想い♪ その全部っ!!」
想いの全てを、
象(かたち)に変える。
「……『メギドグリムアーツ・セイバーゼノリカレント』っっ!!」
強力な体術。
想いと覚悟の全てを込めた、芸術的一撃。
「――うぉっと」
その拳は、
ソルの腹部をさらっていった。
細胞が消滅する。
オーラが削られる。
間違いなくダメージを与えた。
極大のダメージ。
条件次第では、世界全てを破壊することだって、
きっと、不可能ではない、
そんな渾身の一手。
――しかし、
「うんうん……いい一撃だった。本当に……美しい一手だった。君の人生、君の地獄、君の想い、すべてが一点に集中していた」
「……」
「覚悟を込めた体術の極限、滅する死神の芸術……メギドグリムアーツ……いいね、名称がいい。かっこいいよ。君らしさが詰まっている、いい厨二技だ。どこかで使わせてもらうよ」
ノーダメージではなかった。
才藤の拳は、ソルの腹部を貫いた。
しかし、ソルは、軽く血を吐いただけで、
死に至るほどのダメージは受けていない。
「がはっ……っ……ぐっ……くぅ…………ぜ、ゼロじゃねぇ……『無』には還(かえ)らねぇ……俺の想いは……執念は……決して……っ」
結局のところ、才藤は、ソルを相手に、
ほとんどダメージをあたえることもできずに息を引き取った。
文句なしの敗北。
才藤零児は、ソルに負けた。
完璧に敗北した。
完全に死んだ。
しかし、それは『有機領域』に限定された『一部分』の話。
――絶対にあきらめねぇ――
――この怒り、この憎しみ――
――狂いそうだ。死んだ時よりもはるかに苦しい――
――しかし、だからこそ――
才藤零児の『執念』は消えなかった。
その執念は、虚空を彷徨って、
舞い散りながら、
けれど、確かに、
――『彼』へと託された。
才藤零児の執念は、
今もなお、必死で、運命に抗い続けている。
クソみたいなバッドエンドを殺すために。
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