センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
-?話 旧(ふる)い記憶。
-?話 旧(ふる)い記憶。
――長きにわたって『多く』を積んで、
『真理の迷宮』の『最奥』にたどり着いた『才藤零児(セイバーリッチ)』。
彼を待っていたのは、
『ソル』という名の混沌だった。
全てを飲み込む無貌。
最強の無。
『すべての絶望を乗り越えた英雄』の『全て』を賭しても、
ソルには及ばなかった。
『すべての希望を背負った死神』ですら、
ソルは超えられなかった。
ソルの混沌は、底知れなかった。
人の身では、とうてい理解できない深淵の最果て。
膨大な力。
圧倒的な死。
その力は、あまりにも異常が過ぎた。
丁寧に積み重ねてきた絶望は、
容易に、才藤の全てを飲み込んだ。
「……いい線いってたんだけどなぁ……」
『ズタズタに刻まれた才藤の体』を抱きしめながら、
ソルはつぶやく。
「才藤零児……君なら『あるいは、もしかしたら』って……思ったんだけど……」
「……がはっ……ごほっ……」
死にかけの才藤は、最後の力を振り絞り、
ソルの腕の中で、
ソルをにらみつけ、
「……終わりじゃねぇ……」
歯を食いしばり、
血走った目をさらに充血させて、
「……絶対に……諦めねぇ……」
「それって『そうであること』を願ったからだよね、きっと。君は『自分自身の祈り・願い』に縛られて、がんじがらめになっているマリオネット。……だからダメだったのかなぁ。でも、それがないとここまでこられなかった気もする……わからないね。わからないんだ……私にも……どうするのが正解で、どうすればたどり着けるのか……」
消えそうな声で、ソルはつぶやく。
そこにある感情は悲哀と空白。
概念にしきれない感情が、
ソルの中で、グニグニとうずまく。
――そんなソルに、
才藤は言う。
「ごちゃごちゃ……うるせぇ……お前は、この手で……絶対に殺す……お前さえ殺せれば、『全部とりもどせる』……おまえに奪われたもの、ぜんぶ……だから、お前を……俺は絶対に……絶対……」
「もうすでに死んでいるのと変わらない……というか、なぜ死んでいないんだろうと不思議に思えるほどの大ダメージを負っていながら、それでも、気合の入った目でにらみつけてくる君の根性には、正直、尊敬の念すら覚えている。……けれど、足りない。結局、足りない。君ですら、まだまだ足りなかった……『狂気の脆弱さ』を乗り越えて、『本物』と呼んで差し支えない『最果ての領域』にたどり着いた君ですら足りない……」
そこで、ソルは遠くを見つめながら、
「ハッキリとわかったよ。諦めないだけじゃダメだってこと。不屈の魂魄は、もっとも大事なスペシャル……けれど、それはあくまでも基盤。器でしかない。そう。英雄という称号だけじゃダメなんだ。『数字』とか『根性』とか、それだけじゃダメだ……『もっと』いる……もっと別の何か……でも、ソレが何なのか分からない……何がいる? いったい、なにが必要だ?」
「……絶対に……殺してやる……俺は……絶対に……お前を……っ」
「――見惚(みほ)れるほど良質な執念だ。憤怒……執念……あるいは、それが足りなかったピースか? いや、それだけでも、まだ足りない気がする……もっと……なにか……」
「必ず殺す……絶対に殺してやる……仮に、今、勝てなくても……ここで、俺のことは殺せても……俺の……この執念だけは……殺せねぇからな……」
「……いいね。かっこいいよ、才藤零児。『なにもかもがハンパだったガキの頃』とは大違いだ。君は大きく成長した。結局、君ではダメだったが……しかし、君は大きな可能性を示した……可能性だけじゃダメなんだけど……けれど、無意味じゃない」
――長きにわたって『多く』を積んで、
『真理の迷宮』の『最奥』にたどり着いた『才藤零児(セイバーリッチ)』。
彼を待っていたのは、
『ソル』という名の混沌だった。
全てを飲み込む無貌。
最強の無。
『すべての絶望を乗り越えた英雄』の『全て』を賭しても、
ソルには及ばなかった。
『すべての希望を背負った死神』ですら、
ソルは超えられなかった。
ソルの混沌は、底知れなかった。
人の身では、とうてい理解できない深淵の最果て。
膨大な力。
圧倒的な死。
その力は、あまりにも異常が過ぎた。
丁寧に積み重ねてきた絶望は、
容易に、才藤の全てを飲み込んだ。
「……いい線いってたんだけどなぁ……」
『ズタズタに刻まれた才藤の体』を抱きしめながら、
ソルはつぶやく。
「才藤零児……君なら『あるいは、もしかしたら』って……思ったんだけど……」
「……がはっ……ごほっ……」
死にかけの才藤は、最後の力を振り絞り、
ソルの腕の中で、
ソルをにらみつけ、
「……終わりじゃねぇ……」
歯を食いしばり、
血走った目をさらに充血させて、
「……絶対に……諦めねぇ……」
「それって『そうであること』を願ったからだよね、きっと。君は『自分自身の祈り・願い』に縛られて、がんじがらめになっているマリオネット。……だからダメだったのかなぁ。でも、それがないとここまでこられなかった気もする……わからないね。わからないんだ……私にも……どうするのが正解で、どうすればたどり着けるのか……」
消えそうな声で、ソルはつぶやく。
そこにある感情は悲哀と空白。
概念にしきれない感情が、
ソルの中で、グニグニとうずまく。
――そんなソルに、
才藤は言う。
「ごちゃごちゃ……うるせぇ……お前は、この手で……絶対に殺す……お前さえ殺せれば、『全部とりもどせる』……おまえに奪われたもの、ぜんぶ……だから、お前を……俺は絶対に……絶対……」
「もうすでに死んでいるのと変わらない……というか、なぜ死んでいないんだろうと不思議に思えるほどの大ダメージを負っていながら、それでも、気合の入った目でにらみつけてくる君の根性には、正直、尊敬の念すら覚えている。……けれど、足りない。結局、足りない。君ですら、まだまだ足りなかった……『狂気の脆弱さ』を乗り越えて、『本物』と呼んで差し支えない『最果ての領域』にたどり着いた君ですら足りない……」
そこで、ソルは遠くを見つめながら、
「ハッキリとわかったよ。諦めないだけじゃダメだってこと。不屈の魂魄は、もっとも大事なスペシャル……けれど、それはあくまでも基盤。器でしかない。そう。英雄という称号だけじゃダメなんだ。『数字』とか『根性』とか、それだけじゃダメだ……『もっと』いる……もっと別の何か……でも、ソレが何なのか分からない……何がいる? いったい、なにが必要だ?」
「……絶対に……殺してやる……俺は……絶対に……お前を……っ」
「――見惚(みほ)れるほど良質な執念だ。憤怒……執念……あるいは、それが足りなかったピースか? いや、それだけでも、まだ足りない気がする……もっと……なにか……」
「必ず殺す……絶対に殺してやる……仮に、今、勝てなくても……ここで、俺のことは殺せても……俺の……この執念だけは……殺せねぇからな……」
「……いいね。かっこいいよ、才藤零児。『なにもかもがハンパだったガキの頃』とは大違いだ。君は大きく成長した。結局、君ではダメだったが……しかし、君は大きな可能性を示した……可能性だけじゃダメなんだけど……けれど、無意味じゃない」
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