センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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36話 よくやるぜ。

 36話 よくやるぜ。

「さぁて、それでは、蹂躙を開始しちゃう♪ ぼくちゃんの翼は、枯れないメロディ♪ どうせ死ぬなら、踊らにゃそんそん♪ というわけで、さあ、終わらない死の底で、パラパラとか踊ってみたらいかが? 手拍子ぐらいはしてあげるよ♪ 気が向いたらね♪」

 ――そんな『セイバーリッチの覚悟』を真っ向から受けとめたナイアは、

「くく……よくやるぜ。痛々しすぎて、みてられねぇなぁ」

 鼻で笑ってから、

「けど、まあ……宣言してから、確実に膨らんだな……」

 腰を落とし、武を構えながら、

「でけぇ、でけぇ……まだ完全に解放されたってワケでもねぇのに、このデカさ……くくく……」

 オーラと魔力を練り上げながら、

「さあ、きな、セイバーリッチ……この俺相手に、どこまで抗えるか、見届けて――」





「やっふー♪」





「――ぶはぁああっっ!!」

 ナイアの言葉を待たず、
 手前勝手に特攻をしかけてきたセイバーリッチ。

 音速の寄せから、ナイアの顔面に『膝』をぶちこむ鮮やかな一幕。

 グリムアーツ『エターナル・ナイトメア・ジェットニー』。
 ようするにはただの飛び膝蹴りだが、
 『様々な覚悟』が込められたその膝は、
 よほどの存在値を持つ者でなければ耐えられない超破壊力を有する。
 つまり、基本、相手は死ぬ。

「ぐっ……ぎぃい!」

 ――ただ、
 ナイアは、数少ない『よほどの存在値を持つ者』なので、
 当然、ヒザの一発だけでは死んでくれない。
 間違いなくダメージは負っているが、
 絶命にはまったく足りていない。

 だが、そんなこと、セイバーリッチは『百も承知』なので、

「じゃあ、次、いっちゃうよぉ♪」

 すぐさま、追撃の一手にうつる。

 吹っ飛んだナイアをおもちゃにする気満々のセイバーリッチ。


「どかぁーん♪」


 グリムアーツ『永久(とわ)の漆黒に染まる十字架』。
 一言で言えば、飛び込み型のクロスチョップ。
 つまりは、ドラゴン〇ールの『天空ペケ〇拳』みたいな技。
 物理的・現実的に効果があるか否かは問題ではなく、
 いかに『諸々の覚悟』が込められているか、
 そこだけが重要になっている技。

 これも、たいていの敵なら『死ぬよね』と言い切れる破壊力を持つが、
 ナイアは、まだまだ死にそうにない。

「さすが、硬いね♪ それでこそ、壊し甲斐があるってものさ♪ まあ、ぼくちゃん、壊し甲斐とか、1ミリも求めてないんだけどね♪ できれば、5秒で死んでほしいね♪ 2秒でもいいよ♪」

 セイバーリッチは止まらない。

 闇に溶けて、光と弾ける。
 英雄でありながら死神。
 セイバーリッチは、うたうように、

「――死王(しおう)・闇殺聖龍拳(あんさつせいりゅうけん)――」

 『内包された無類の厨二力』を限界まで暴走させて、
 この世の全てを喰らいつくさん、
 とばかりに猛(たけ)り燃え上がるエネルギーを、
 ナイアに向けて叩き込む。

 異次元砲をベースとした、魔力とオーラを暴走させるタイプの異型グリムアーツ。
 もはや、グリムアーツという概念そのものを吹き飛ばすような、
 あまりにも身勝手な一撃。


「がぁあああああああああああああああ!!」


 聖なる死龍に飲み込まれるナイア。
 ほんの一瞬だったが、
 確かに死を感じた。

「ぐふぅ! うぇ! がはぁ!」

 どうにか聖なる死から逃げ出すと、


「か、神の慈悲!!」


 慌てて回復魔法を使うが、

「……ぜ、全快しねぇっ……神の慈悲ですら再生不能な闇……ぐっ……」


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