センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
34話 とびっきりの弱さ。
34話 とびっきりの弱さ。
ナイアにボコられたセイバーリッチは、
虚ろな目で、
[……ご、ごめんな……さい……ゆるして……調子にのったこと、あやまります、だから……ゆるして……]
許しを請う。
全力で、弱さを見せつける。
[も、もう……イヤだ……痛い……辛い……苦しい……助けて……誰か……助けてよ……]
あますことなく、みっともなく、魂の脆さを見せつける。
弱さが混ざり合って、
醜さを抱いて、
[なん……で……]
そうして、
だから、
[……なんで……誰も助けてくれないの……]
――命の器にヒビがはいる。
ヒビ割れて、
パキンと折れて、
だからこそ、
セイバーリッチは、
[……なんで……ぼくが……こんな目に……]
ボソボソと、
[なんで……ぼくばっかり……いつも、いつも、いつもぉおおおお!!]
『痛み』を口にする。
弱さを前面に出して、
脆さだけを心に抱いて、
絶望とか、やるせなさとか、
そういう諸々全てに対して愚痴を吐いて、
――だからこそ届くもの。
――そうでなければ、届かないもの。
[……ずっと、ずっと、ずっと……なんで! ぼくばっかり!]
ジワジワと、
セイバーリッチのコアオーラが膨れていく。
その膨張速度は、最初こそ、非常にゆっくりだったが、
しかし、しだいに、
[……どいつもこいつも……]
加速度的に膨張していくようになり、
グニャグニャと奇形に歪んでいく。
『成長』なのか『劣化』なのか、
誰にも分わからない『その膨らみ』は、
とどまることを知らず、グツグツと、沸き上がるように、
[……許さない……ぼくばっかり苦しめる、この世界を……ぼくは…………『俺』は……絶対に許さねぇ……]
膨れ上がっていくのは怒り。
『絶対にゆるさねぇ』という強い怒り。
胸の中で、トゲトゲの炎が燃え上がる。
「ぶっっっっ殺ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおす!!」
まるで、自分を縛っている『すべての鎖』を断ち切ろうとしているかのように、
セイバーリッチは腹の底から怒りを叫んだ。
すると、
バリィンッッ!!
と、何かが弾ける音がした。
その破裂音は、象(かたち)となって、
セイバーリッチの『中』へと納まっていく。
その様子を見ていたナイアは、
「……ああ、なるほどな……」
ボソっと『納得』をつぶやきながら、
「強さではなく、『とびっきりの弱さ』だけで断ち切ったか……北風と太陽ってところかな? まあ、確かに、セイバーリッチの『根源』を考えた場合、そっちの方が『壊しやすい』かもな……逆転の発想……ってほどでもねぇか。むしろ、ただの自明だぜ……くく」
ニィと微笑み、
「さぁて、どこまで解放されたかな? 少しくらいは戦えるようになったかな? んー?」
ナイアの視線の先で、
セイバーリッチは、天を仰ぎながら、
「……はぁ……」
解放感に包まれていた。
二秒ほどかけて、息を深く吸ったり吐いたりしてから、
セイバーリッチは、
『自分という個』に対して、
少しだけ没頭する。
「聖なる死神セイバーリッチ……はっ……」
己の名前を自嘲してから、
セイバーリッチは、渋い顔で、
「狂気的にダセぇよなぁ、ほんと。中学二年生の暴走。ヤバすぎる情緒の錯綜(さくそう)。……マジで、勘弁してほしいぜ……もう、そういうのからは、とっくに卒業してんだっつーの……」
ナイアにボコられたセイバーリッチは、
虚ろな目で、
[……ご、ごめんな……さい……ゆるして……調子にのったこと、あやまります、だから……ゆるして……]
許しを請う。
全力で、弱さを見せつける。
[も、もう……イヤだ……痛い……辛い……苦しい……助けて……誰か……助けてよ……]
あますことなく、みっともなく、魂の脆さを見せつける。
弱さが混ざり合って、
醜さを抱いて、
[なん……で……]
そうして、
だから、
[……なんで……誰も助けてくれないの……]
――命の器にヒビがはいる。
ヒビ割れて、
パキンと折れて、
だからこそ、
セイバーリッチは、
[……なんで……ぼくが……こんな目に……]
ボソボソと、
[なんで……ぼくばっかり……いつも、いつも、いつもぉおおおお!!]
『痛み』を口にする。
弱さを前面に出して、
脆さだけを心に抱いて、
絶望とか、やるせなさとか、
そういう諸々全てに対して愚痴を吐いて、
――だからこそ届くもの。
――そうでなければ、届かないもの。
[……ずっと、ずっと、ずっと……なんで! ぼくばっかり!]
ジワジワと、
セイバーリッチのコアオーラが膨れていく。
その膨張速度は、最初こそ、非常にゆっくりだったが、
しかし、しだいに、
[……どいつもこいつも……]
加速度的に膨張していくようになり、
グニャグニャと奇形に歪んでいく。
『成長』なのか『劣化』なのか、
誰にも分わからない『その膨らみ』は、
とどまることを知らず、グツグツと、沸き上がるように、
[……許さない……ぼくばっかり苦しめる、この世界を……ぼくは…………『俺』は……絶対に許さねぇ……]
膨れ上がっていくのは怒り。
『絶対にゆるさねぇ』という強い怒り。
胸の中で、トゲトゲの炎が燃え上がる。
「ぶっっっっ殺ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおす!!」
まるで、自分を縛っている『すべての鎖』を断ち切ろうとしているかのように、
セイバーリッチは腹の底から怒りを叫んだ。
すると、
バリィンッッ!!
と、何かが弾ける音がした。
その破裂音は、象(かたち)となって、
セイバーリッチの『中』へと納まっていく。
その様子を見ていたナイアは、
「……ああ、なるほどな……」
ボソっと『納得』をつぶやきながら、
「強さではなく、『とびっきりの弱さ』だけで断ち切ったか……北風と太陽ってところかな? まあ、確かに、セイバーリッチの『根源』を考えた場合、そっちの方が『壊しやすい』かもな……逆転の発想……ってほどでもねぇか。むしろ、ただの自明だぜ……くく」
ニィと微笑み、
「さぁて、どこまで解放されたかな? 少しくらいは戦えるようになったかな? んー?」
ナイアの視線の先で、
セイバーリッチは、天を仰ぎながら、
「……はぁ……」
解放感に包まれていた。
二秒ほどかけて、息を深く吸ったり吐いたりしてから、
セイバーリッチは、
『自分という個』に対して、
少しだけ没頭する。
「聖なる死神セイバーリッチ……はっ……」
己の名前を自嘲してから、
セイバーリッチは、渋い顔で、
「狂気的にダセぇよなぁ、ほんと。中学二年生の暴走。ヤバすぎる情緒の錯綜(さくそう)。……マジで、勘弁してほしいぜ……もう、そういうのからは、とっくに卒業してんだっつーの……」
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