センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

30話 オメガバスティオンを待ちながら。

 30話 オメガバスティオンを待ちながら。

 考える間など与えない速攻。
 瞬間移動で距離を詰め、
 ゲンの全身に対して、

「がぁあああっっ!!」

 丁寧に『激痛』を刻み込んでいく。

「ぶへぇ! ぐぅへ! がはっ!!」

 『強度の足りていないオモチャ』を振り回すみたいに、
 『刈り取っちゃう者』は、ゲンに対して、
 入念に、綿密に、力加減を整えつつ、
 終わらない地獄を展開していく。

 ――そして、絶命に至りそうだと思ったタイミングで、

「まだ終わってくれるなよぉお! 死神の慈悲ぃいい!!」

 肉体は回復するが精神がごっそりと削られる。
 凶暴な精神的ストレス。
 常人ならとっくに廃人になっているところだが、


「ぅ、うぅぅぎぃいいいっっ!! っっっ、な、ナぁメぇんなよぉおおおっっ! くそったれぇええええ! ゲン・エクセレント!!」


 精神をゴッソリと削られていながら、
 それでも、ゲンは魂魄を奮い立たせて、
 『刈り取っちゃう者』にあらがった。

 その様を見て、刈り取っちゃう者は、

「ヒュゥウ! かっけぇねぇ! 『まだ終わってくれるな』とは言ったが、まさか、マジで『なかなか終わらねぇ』とは想定外だぜぇ! はっはっはっはぁああ!」

 楽しそうに笑い、

「お前の精神がどこまで持つか、俺の全力で試してやるよぉおおお! いと美しき、心を摘む闘いに祝福を! みたいな!」

 刈り取っちゃう者は、距離を詰めながら、そう叫んだ直後、
 リボルバーの銃口をゲンの胸部にゼロ距離セットして、

「これでも廃人にならなかったら、頭ナデナデして褒めてやるぜぇええ! はっはぁああ!」

 魔力とオーラをギュンギュンに高めて、



「――奪え、エギドラオン――」



 超火力の魔法をブッパ。
 避けるすべなど、ゲンは、持ち合わせていない。

「お、オメガバスティオンっっ!!」

 スローモーな走馬灯を横目に、
 ゲンは、ついつい、反射的に、
 『オメガバスティオン(未知の概念)』に頼ろうとした――

 ――が、

「――っっ――」

 しかし、発動してくれなかった。

 理由は、当然不明。

 アギトとの戦闘で見せたような『超高次の集中』には至らなかったからだろうか、
 それとも、相手が強すぎる場合、発動してくれないのだろうか、
 ――などと、そんな、特に意味のない思考に心を費やすゲン。

 オメガバスティオンは、絶対的な未知の概念。
 『どこぞの右手』のように『触れるだけで異能をかき消せるチート』とは違う。
 不安定で不確定で不明瞭な謎のシステム。

 ゆえに、

「がっはぁあああああああああああ!!!」

 全身が破裂するかのような極限の激痛。
 ゲンの地獄は、それで終わらず、
 むしろ、ここからで、

「――死神の慈悲――」

 爆散した肉体は瞬時に回復した。
 しかし、たたきつけられた超絶オーバーキルダメージが、
 そのまま過剰極まりない精神的負荷としてゲンの心に刻み込まれる。

「――ぶへぁっ――」

 膨らみ切った風船が割れてしまったかのように、
 ゲンの意識はブチンと途切れた。

 鼻血を放出し、ゲボを吐き散らす。
 ゲンの精神は圧殺された。
 さすがに耐えきれなかった。


「あーあー、さすがに無理かぁ! これも耐えられたら褒めてやろうと思っていたが、まあ、もちろん、耐えられねぇよぁ! ぎはははぁ!」

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