センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
81話 泥の味しかしない日。
81話 泥の味しかしない日。
『はっぴ、ばーすでー、でぃあ、つぅうう、ゆぅううううううう……じゃじゃーん。はい、おわり。さようなら』
「その短い歌すら、フル尺ではうたいたくねぇっていう、お前の気持ちは痛いほど伝わってきたが、とりあえず、もう少し、俺に付き合ってくれ」
『イヤでちゅよ。なんで、高貴なオイちゃんが、お兄(にぃ)みたいなド級の変態と付き合わなきゃいけないんでちゅか。夜景の綺麗なレストランでも予約して出直しなちゃい』
「予約はしてあるよ、毎年のことだからな」
誕生日には、大概、
一日の大半を、シューリと共に過ごすのが恒例になっている。
諸事情で過ごせなかった日もあるのだが、
そうなると、シューリがものすごい勢いでキレるので、
何があろうと、どうにかして、
誕生日は一緒に過ごそうと、毎年、色々と調節している。
『去年の店はいやでちゅよ。あそこ、スタッフの態度が最悪でちゅから』
「……予約する際の手間を減らそうと、お前の名前を出したのがマズかったよなぁ……まさか、あそこまでのガクブルで緊張するとは……」
最上位アルファの中でも別段格式高い店を予約するとなれば、
いろいろと、手順から何から面倒で、
身分を偽ったまま予約を取ろうとすると、本当に大変なのだが、
しかし、去年は、センが、うっかり、自分の誕生日を忘れてしまい、
『やべぇ……あの店、予約しておくようにって、シューリに言われていたのをスッカリ忘れていた』
シューリがメインのイベントだったなら、
流石のセンでも不義理に忘れたりはしないのだが、
正直、センは、自分の誕生日に興味がないので、
自分メインの約束となると、
簡単に記憶から遠のいてしまうのだ。
『……どうしよう……さすがに、もう無理だよな……んー……しゃーねぇ……あまり使いたくない手だが……酒神終理の名前で予約しよう……』
直前で、
それも、五聖命王の中でも、ひときわ『性格に難がある』と、
上流階級ではまことしやかに噂になっている『難神』――酒神終理。
そんな厄介な神をもてなさなければいけなくなったとなり、
さすがの超一流レストランの超一流スタッフも大慌て。
沙良想衆クラスを相手取っても鼻歌交じりという、
超一流の熟練ギャルソンが、あまりの緊張で、
当日は、朝から嘔吐とゲリを繰り返した。
『ワインについてなら、神が相手でもマウントをとれる』と豪語した、
世界最高峰のソムリエも、その日ばかりは、
何を口に含んでも、泥の味しかしなかった。
当然、その日の食事は散々な結果になり、
流れるように、シューリ、大激怒。
※ 店側は、決して、
取り返しのつかない超大失態を犯した、
というワケではないのだが、
一食で数億(もちろん貸し切り)をとっておきながら、
『その値段にふさわしい完全なもてなし』をしてもらえた、
とは、とてもじゃないが言いがたい結果だった。
シューリ大激怒の件も、
バチギレで大暴れした、とかそういうワケではなく、
静かにシッカリと不機嫌になった感じ。
「もちろん、去年とは違う店だよ。何度も迷惑はかけられねぇ。俺は、民間人に嫌がらせするために王になったわけじゃねぇ」
『はっぴ、ばーすでー、でぃあ、つぅうう、ゆぅううううううう……じゃじゃーん。はい、おわり。さようなら』
「その短い歌すら、フル尺ではうたいたくねぇっていう、お前の気持ちは痛いほど伝わってきたが、とりあえず、もう少し、俺に付き合ってくれ」
『イヤでちゅよ。なんで、高貴なオイちゃんが、お兄(にぃ)みたいなド級の変態と付き合わなきゃいけないんでちゅか。夜景の綺麗なレストランでも予約して出直しなちゃい』
「予約はしてあるよ、毎年のことだからな」
誕生日には、大概、
一日の大半を、シューリと共に過ごすのが恒例になっている。
諸事情で過ごせなかった日もあるのだが、
そうなると、シューリがものすごい勢いでキレるので、
何があろうと、どうにかして、
誕生日は一緒に過ごそうと、毎年、色々と調節している。
『去年の店はいやでちゅよ。あそこ、スタッフの態度が最悪でちゅから』
「……予約する際の手間を減らそうと、お前の名前を出したのがマズかったよなぁ……まさか、あそこまでのガクブルで緊張するとは……」
最上位アルファの中でも別段格式高い店を予約するとなれば、
いろいろと、手順から何から面倒で、
身分を偽ったまま予約を取ろうとすると、本当に大変なのだが、
しかし、去年は、センが、うっかり、自分の誕生日を忘れてしまい、
『やべぇ……あの店、予約しておくようにって、シューリに言われていたのをスッカリ忘れていた』
シューリがメインのイベントだったなら、
流石のセンでも不義理に忘れたりはしないのだが、
正直、センは、自分の誕生日に興味がないので、
自分メインの約束となると、
簡単に記憶から遠のいてしまうのだ。
『……どうしよう……さすがに、もう無理だよな……んー……しゃーねぇ……あまり使いたくない手だが……酒神終理の名前で予約しよう……』
直前で、
それも、五聖命王の中でも、ひときわ『性格に難がある』と、
上流階級ではまことしやかに噂になっている『難神』――酒神終理。
そんな厄介な神をもてなさなければいけなくなったとなり、
さすがの超一流レストランの超一流スタッフも大慌て。
沙良想衆クラスを相手取っても鼻歌交じりという、
超一流の熟練ギャルソンが、あまりの緊張で、
当日は、朝から嘔吐とゲリを繰り返した。
『ワインについてなら、神が相手でもマウントをとれる』と豪語した、
世界最高峰のソムリエも、その日ばかりは、
何を口に含んでも、泥の味しかしなかった。
当然、その日の食事は散々な結果になり、
流れるように、シューリ、大激怒。
※ 店側は、決して、
取り返しのつかない超大失態を犯した、
というワケではないのだが、
一食で数億(もちろん貸し切り)をとっておきながら、
『その値段にふさわしい完全なもてなし』をしてもらえた、
とは、とてもじゃないが言いがたい結果だった。
シューリ大激怒の件も、
バチギレで大暴れした、とかそういうワケではなく、
静かにシッカリと不機嫌になった感じ。
「もちろん、去年とは違う店だよ。何度も迷惑はかけられねぇ。俺は、民間人に嫌がらせするために王になったわけじゃねぇ」
コメント