センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

74話 太陽の魂。

 74話 太陽の魂。

「謙遜じゃねぇよ。ただの事実だ。背負ってきたモノが、俺に不遜を通させているだけで、実際のところ、俺なんざ、ただのド変態だ。それ以上の何かにはなりえねぇ」

 そう前を置くと、
 センエースは、

「虚構の俺と違い、お前ならば、いつか届くだろう。『バグ技を根源にしたハリボテ』ではなく、すべての覚悟を積み重ねた本物の、清廉なる頂点に」

 グっと全身に力を込めて、

「お前の可能性に対する餞別(はなむけ)として、今の俺に出来る『とびっきりの無茶』を見せよう。リアルな嘱望(しょくぼう)として、その心に刻み込むがいい。お前が目指すべき世界を体験させてやる。……具体的に言おうか? 100メートル走のペースでフルマラソンを走り切ってやる」

 そう言った直後、
 ドクドクと、全身が脈動していく。
 センエースの全てが沸騰する。

「すぅ……はぁ……」

 数度の深呼吸、
 その先に、

 統一された神の光が、荘厳な輪を形成していく。
 夢見がちな祈願(きがん)ではない。
 ただの履行(りこう)。
 自分自身と交わした、魂の誓願(せいがん)。





「――究極超神化6/アポロプラチナ・ソウルギス――」





 顕現する、黄金の白銀。
 禍々しさを感じさせる狂気のメタリック。
 サイバー感と邪神感の融合。

 矛盾を包み込んだ神の色。
 強欲な異彩。
 冒涜的な烈血のカルマ。
 いと美しきオーロラの命脈。

 空気の読めない『涜神(とくしん)な烈日』のように荒々しく、
 けれど、中核には、『尊希を孕む天日』のような気品を備えている。

「俺の全部を伝える。俺の背中を道標として、己の未来を描き切れ」

「……無茶をおっしゃる」

 そう言いながらも、
 バンプティは、武を構えた。
 折れることなく、
 堂々と、

 その様を見たセンは満足そうにうなずいて、

「行くぞ、バンプティ、お前の概念を殺してやる」

 宣戦布告をしてから、
 グワっと足を上げて、
 虚空に回転蹴りを決め込んだ。

 攻撃ではない。
 本気で戦う時のルーティン。


「――裏閃流秘奥義、閃舞千本桜――」


 宣言の直後、
 バンプティは、1000人のセンに囲まれていた。

 その凄まじい光景を見て、
 バンプティは、ゴクっと息をのみ、

「なんと……荘厳な……」


「「「「「「「息を呑むのがはやすぎるぜ、バンプティ。
 『俺の時間』は、まだ、はじまってすらいねぇ」」」」」」」


「っ?」

「「「「「「「――裏閃流覇奥義、閃統空羅(せんとうくうら)――」」」」」」」

 カっと、深い輝きに包まれて、
 荘厳な力場が生成された。

 無数のジオメトリが圧縮されて、あまたの線が、立体の点になった。

 輝きは、いつしか収束し、
 気づいた時、
 そこには、
 淡い光に包まれた『孤高の王』が立っていた。

「言っておくが、まだ息を呑むなよ。まだまだ、まだまだ、ここからだ。俺が積んできた200億1万年は、この程度で終わるほど『正常』じゃねぇ」

 そう言うと、
 センは、
 胸の前で、両手の印を結び、

「――裏閃流究極真奥義、
    クレヨン閃ちゃんシリーズ、
       超景戯画トリビュート、
           セン帝国の逆襲――」

 詠唱の直後、
 センの全身が、
 『重厚な光』に包まれた。

 間違いなく美しいのだけれど、
 どこか、満身創痍といった感じの、
 精緻(せいち)さや洒脱(しゃだつ)さからはかけ離れた、
 どこか、みすぼらしい、
 けれど、震えるほど超然とした光。

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