センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
66話 見ればわかるだろ! もうパンパンだろ!
66話 見ればわかるだろ! もうパンパンだろ!
「センエース、お前は異常だ。これだけ強くなったオレを……触れるだけで倒してしまう……お前は……異常だ……お前はもう、完成している……それ以上はない……あってはいけない……」
「……」
「この上なく尊き神の王よ……お前は、もう、終わっている……」
「……決めつけんなよ……」
震える声で、
「まだ、終わってねぇ……俺も……お前も……」
痛みが走った。
全身を駆け抜ける、
ピリっとした痛み。
その痛みは、
カンストに至って以降、ずっと抱えてきた重荷。
「まだある……まだ、終わってねぇ……バンスール、お前はまだ飛べる」
「だから、もう……ムリだと言っている」
「お前の意見など聞いていない。これは命令だ。あがけ」
「……」
「アホウのように、もがき狂え。止まることは許さない。お前の可能性は、まだ死んでいない」
理不尽な命令を受けて、
バンスールの感情が、
プツンと弾けた。
「リミットなんだよぉ! マジでぇええ!」
叫び。
それは、悲鳴。
「もう、これ以上は積めない! というか、見ればわかるだろ! もう、パンパンだろ! 限界を超えているだろ! オレの状況をわかりやすく教えてやろうか?! 限界寸前の高血圧だ! これ以上、内圧が上がればプツンと爆発して死んじまう!」
みっともなく喚くバンスール。
壁を前にした者の慟哭。
世界中であふれている、
ありふれた『弱さ』。
「限界の限界の限界までいった! その上で、相手にならなかった! それがオレとお前の現状だ! この現状こそが! お前が『もう終わっている』というコトの決定的な証拠なんだよ! いいかげん、あきらめろぉお!」
「今、俺の話はしてねぇ。今、この瞬間において、もっとも重要なのは、お前の可能性の先。俺のことは、その次だ。順路を無視した近道には、大概、見えない壁がある」
「なぜ、お前の周りにいるやつが、お前の話を聞かないのか、教えてやる! お前が人の話を聞かないからだ! オレの可能性は詰んでいる! もう終わった!」
「いける」
センエースは、
まっすぐな目で、
「お前は、まだ、その先にいける」
「……いい加減にしろよ……知ったふうな口をきくな。お前にオレの何がわかる」
「お前のことなんか知らねぇ。だが、バンプティとスールのことなら知っている。どちらも俺の大事な部下。どちらも、俺のワガママのために尽力してくれた大事な家族。だから、ずっと見守ってきた。さすがに、一から十まで全部とはいかなかったが、どれだけ頑張ってくれたか、どれだけ心を削ってくれたか、そのぐらいは理解できるよう、この目で見届けてきた」
センエースは、
『カドヒト』以外にも、無数の、
『もう一人の自分』を有している。
それぞれの『自分』は、
決して遊びではなく、
ゼノリカの主としての責務を果たすための仕事だった。
センは、時折、
『社長がバイトのふりして現場に潜入してみた』のように、
愚連にもぐりこんでモンスターを討伐したり、
沙良想衆直下の企業でプロジェクトを任されたり、
百済の配下に紛れ込んでゼノリカの膿を監視したり、
――と、様々な『現場の仕事』をこなしてきた。
「センエース、お前は異常だ。これだけ強くなったオレを……触れるだけで倒してしまう……お前は……異常だ……お前はもう、完成している……それ以上はない……あってはいけない……」
「……」
「この上なく尊き神の王よ……お前は、もう、終わっている……」
「……決めつけんなよ……」
震える声で、
「まだ、終わってねぇ……俺も……お前も……」
痛みが走った。
全身を駆け抜ける、
ピリっとした痛み。
その痛みは、
カンストに至って以降、ずっと抱えてきた重荷。
「まだある……まだ、終わってねぇ……バンスール、お前はまだ飛べる」
「だから、もう……ムリだと言っている」
「お前の意見など聞いていない。これは命令だ。あがけ」
「……」
「アホウのように、もがき狂え。止まることは許さない。お前の可能性は、まだ死んでいない」
理不尽な命令を受けて、
バンスールの感情が、
プツンと弾けた。
「リミットなんだよぉ! マジでぇええ!」
叫び。
それは、悲鳴。
「もう、これ以上は積めない! というか、見ればわかるだろ! もう、パンパンだろ! 限界を超えているだろ! オレの状況をわかりやすく教えてやろうか?! 限界寸前の高血圧だ! これ以上、内圧が上がればプツンと爆発して死んじまう!」
みっともなく喚くバンスール。
壁を前にした者の慟哭。
世界中であふれている、
ありふれた『弱さ』。
「限界の限界の限界までいった! その上で、相手にならなかった! それがオレとお前の現状だ! この現状こそが! お前が『もう終わっている』というコトの決定的な証拠なんだよ! いいかげん、あきらめろぉお!」
「今、俺の話はしてねぇ。今、この瞬間において、もっとも重要なのは、お前の可能性の先。俺のことは、その次だ。順路を無視した近道には、大概、見えない壁がある」
「なぜ、お前の周りにいるやつが、お前の話を聞かないのか、教えてやる! お前が人の話を聞かないからだ! オレの可能性は詰んでいる! もう終わった!」
「いける」
センエースは、
まっすぐな目で、
「お前は、まだ、その先にいける」
「……いい加減にしろよ……知ったふうな口をきくな。お前にオレの何がわかる」
「お前のことなんか知らねぇ。だが、バンプティとスールのことなら知っている。どちらも俺の大事な部下。どちらも、俺のワガママのために尽力してくれた大事な家族。だから、ずっと見守ってきた。さすがに、一から十まで全部とはいかなかったが、どれだけ頑張ってくれたか、どれだけ心を削ってくれたか、そのぐらいは理解できるよう、この目で見届けてきた」
センエースは、
『カドヒト』以外にも、無数の、
『もう一人の自分』を有している。
それぞれの『自分』は、
決して遊びではなく、
ゼノリカの主としての責務を果たすための仕事だった。
センは、時折、
『社長がバイトのふりして現場に潜入してみた』のように、
愚連にもぐりこんでモンスターを討伐したり、
沙良想衆直下の企業でプロジェクトを任されたり、
百済の配下に紛れ込んでゼノリカの膿を監視したり、
――と、様々な『現場の仕事』をこなしてきた。
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