センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
64話 バンスールとセンエースの差。
64話 バンスールとセンエースの差。
「一個、一個が、なんか、こう……ヌルい! コピーが荒い! 模倣するなら、もっと、ちゃんとしろよ! それじゃあ、永遠に、オリジナルには届かねぇ!!」
頭をかきむしりながら、
「そんな『浅瀬でパシャパシャやっているだけ』じゃ、無限を積んだって、俺には勝てねぇんだよ! 今のお前程度だったら、究極超神化3でも余裕で勝てる! いや、もう、本音をブチまけてしまうが、今のお前みたいなカスは、神化だけでも、どうにか出来るレベルだ!」
神化だけでは流石に厳しいのが現実だが、
しかし、理論上、不可能ではない。
今のバンスールとセンエースの間には、
それだけのハッキリとした差がある。
「地に足がついていない! 『アライメント』がショボすぎる! 『ぼくがかんがえたさいきょうのバケモノ』をやりたいのは何となくわかるんだが、あまりにも稚拙で出来が悪い!」
「……」
「骨組みは大胆に! ディティールは丁寧に! それが武の基本だ! お前は基本がまったくなっていない!」
「……」
「グンときて、バーンときて、ズガーンだ! わかったな! さあ、こい!」
そういって、武を構えなおすセン。
その構えは、徹底して基本に忠実な王道スタイル。
『自分を教本にしよう』という考えが透けて見えていた。
だから、
そんなセンの姿を見て、
当然のように、
「勝てるワケが……ない……」
バンスールは、
死んだ目で、そうつぶやくしかなかった。
まるで、脳が焼かれていくみたいに、
戦意がドロドロと溶けていく。
「無意味だ……何をしようと……」
バンスールの中で、
『絶対に勝てない』という絶望が、
絶対の真理となって根付いてしまった。
明確で明瞭な心ポッキー。
バンスールが『根本からグキった』のを感じたセンは、
焦った顔になって、
「お、お、落ち着け。安心しろっ」
グズリだした赤子を諭すように、
「お前は強い。ちゃんと強い。まだ足りていないだけだ。お前はまだいける。何がどうとは言えんけど、そんな気がしなくもない――みたいな可能性をビンビン感じなくもない」
言葉を選んでいるのは感じるのだが、
しかし、その配慮がヘタすぎて、まったく届いてはいない。
「お前は強くなれる。だから、がんばれ。もう、あと少しだけ頑張ってみよう。さあ、というわけで、もう一度、ルーレットをまわしてみよう。大丈夫、大丈夫、いける、いける。お前は強い子だ」
「……」
ようやく、バンスールは気づいた。
『バカにしやがって』
――とすら思わなくなったことで、
実は、最初から、
『バカにされてすらいなかった』という事実に届く。
(……ふざけきっている……こんなことが……あっていいのか……)
茫然としてしまった。
センエースは、決して、バンスールを小バカにしているわけではない。
字面だけ見たら、完全にそうなのだが、
しかし、実際のところ、センエースは、
バンスールに対して、ガチンコで、
慰めの言葉を投げかけているだけ。
『可能性だけ』はなくもない『不器用で豆腐メンタルなクソガキ』に、
あれこれ試行錯誤しながらモノを教えている教員。
それが、現状における、
バンスールとセンエースの関係だった。
「一個、一個が、なんか、こう……ヌルい! コピーが荒い! 模倣するなら、もっと、ちゃんとしろよ! それじゃあ、永遠に、オリジナルには届かねぇ!!」
頭をかきむしりながら、
「そんな『浅瀬でパシャパシャやっているだけ』じゃ、無限を積んだって、俺には勝てねぇんだよ! 今のお前程度だったら、究極超神化3でも余裕で勝てる! いや、もう、本音をブチまけてしまうが、今のお前みたいなカスは、神化だけでも、どうにか出来るレベルだ!」
神化だけでは流石に厳しいのが現実だが、
しかし、理論上、不可能ではない。
今のバンスールとセンエースの間には、
それだけのハッキリとした差がある。
「地に足がついていない! 『アライメント』がショボすぎる! 『ぼくがかんがえたさいきょうのバケモノ』をやりたいのは何となくわかるんだが、あまりにも稚拙で出来が悪い!」
「……」
「骨組みは大胆に! ディティールは丁寧に! それが武の基本だ! お前は基本がまったくなっていない!」
「……」
「グンときて、バーンときて、ズガーンだ! わかったな! さあ、こい!」
そういって、武を構えなおすセン。
その構えは、徹底して基本に忠実な王道スタイル。
『自分を教本にしよう』という考えが透けて見えていた。
だから、
そんなセンの姿を見て、
当然のように、
「勝てるワケが……ない……」
バンスールは、
死んだ目で、そうつぶやくしかなかった。
まるで、脳が焼かれていくみたいに、
戦意がドロドロと溶けていく。
「無意味だ……何をしようと……」
バンスールの中で、
『絶対に勝てない』という絶望が、
絶対の真理となって根付いてしまった。
明確で明瞭な心ポッキー。
バンスールが『根本からグキった』のを感じたセンは、
焦った顔になって、
「お、お、落ち着け。安心しろっ」
グズリだした赤子を諭すように、
「お前は強い。ちゃんと強い。まだ足りていないだけだ。お前はまだいける。何がどうとは言えんけど、そんな気がしなくもない――みたいな可能性をビンビン感じなくもない」
言葉を選んでいるのは感じるのだが、
しかし、その配慮がヘタすぎて、まったく届いてはいない。
「お前は強くなれる。だから、がんばれ。もう、あと少しだけ頑張ってみよう。さあ、というわけで、もう一度、ルーレットをまわしてみよう。大丈夫、大丈夫、いける、いける。お前は強い子だ」
「……」
ようやく、バンスールは気づいた。
『バカにしやがって』
――とすら思わなくなったことで、
実は、最初から、
『バカにされてすらいなかった』という事実に届く。
(……ふざけきっている……こんなことが……あっていいのか……)
茫然としてしまった。
センエースは、決して、バンスールを小バカにしているわけではない。
字面だけ見たら、完全にそうなのだが、
しかし、実際のところ、センエースは、
バンスールに対して、ガチンコで、
慰めの言葉を投げかけているだけ。
『可能性だけ』はなくもない『不器用で豆腐メンタルなクソガキ』に、
あれこれ試行錯誤しながらモノを教えている教員。
それが、現状における、
バンスールとセンエースの関係だった。
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