センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

60話 何度でもまわせ。

 60話 何度でもまわせ。

(……まったく表現しきれていない……神の輝きは……あの程度の文章で……すませていいものではない……美化どころか……もはや、侮蔑に等しい……足りない……まったく……)

 『この想い』を『文章で表現する事』など、
 とてもじゃないが、不可能だ――と思った。
 と、同時に、広く伝えたいという想いが募った。

 そんな中で、
 ふと、パメラノの顔が脳裏をかすめた。

(ああ……なるほど……)

 すべてが一致した。

(あなたも……このもどかしさの中で……苦しんでおられたのですね……)

 スールは、あの時のパメラノの気持ちを100%理解した。
 自分の愚かさを知った。

(申し訳ありません、パメラノ猊下……あなたを疑うべきではなかった。……主は確かに……実在した……)


 震えるほどの暖かさに包まれているスールの視線の先で、
 センエースの輝きが増していく。

 とめどなく、
 際限なく、
 大人気なく、
 暴力的に、

 ――センは言う。


「ちなみに言っておくと、今回の閃世界は、特別に、お前にとっても有利な空間にしておいた。システムの応用で、クールタイムの圧縮効果を付与してやったんだ。お前が加速するのは、俺にとって好都合だからな」


 ちなみに、その流れで、
 ちゃっかり、桜華閃世界の強度も上げておいた。

 常に、万が一に備えて準備をしておくこと。
 常に、無駄を嫌悪し、有利に対して貪欲になること。
 戦術の基礎。
 もっと言えば、
 殺し合いの基礎。

「すでに次のルーレットをまわせるはずだ。というわけで、さあ、まわせ。もっと、もっと、強くなれ」

「……」

「はやくしろ。躊躇は許さないと言ったはずだ。さっさと回せ」



「……オレに……命令するんじゃねぇっ……貴様に……言われなくともぉおおおおお!!」



 ギリっと奥歯をかみしめて、

「オレをナメた『その代償』は必ず払わせる! その驕(おご)りごと飲み込んでやる!」

 バンスールは、

「まわれ……カオスバンプティルーレットっっっ!!」

 さらなる力を求める。
 正直、心は折れていたが、
 しかし、止まるわけにはいかなかった。
 強い言葉を喚いて、
 自分を保つしかない。

 つまりは、極限状態。
 どこまで、己の中の弱さと向き合えるかという、
 むき出しの時間。

 ――バンスールは、すぅぅっと、大きく息を吸い、

「……とまれぇええええええ!!」

 叫ぶと、
 ビタッッと、惰性なく、ルーレットは停止した。
 12時の矢印が示した効果は、
 ――『ウルデバッグ・ギアスの発動』。
 とんでもない大当たり。
 なのだが、センエースの前では、酷く頼りなく思える。

 バンスールは、奥歯をかみしめて、
 心に最後のニトロをブチ込みながら、



「この戦いに勝てればそれでいい……それで、オレは終わっていい……だから……『闘神』の強さを、この手に……っっ!!」



 『命がけの覚悟』を『闘神の力』に変えるプラチナスペシャル。
 ――『ウルデバッグ・ギアス』。

 すべての力が結集し、
 バンスールの『強さ』が、本当のリミットに達した。

 ソンキーの戦闘力と、アポロギスの存在値を併せ持つ奇神。
 ここに、『対センエース最強の神』が誕生したのだ。



 ――ソンキーとセンエースとアポロギスは、
 相性でいうと、ポケ〇ン御三家のように、
 綺麗に、三すくみになっている。

 センエースはアポロギスに強く、
 アポロギスはソンキーに強く、
 ソンキーはセンエースに強い。

 実際のところは、もっともっと複雑な関係なのだが、
 きわめて単純に相性を表現するとこうなる。

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