センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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45話 神のシステム。

 45話 神のシステム。

 五分の経過で、再度使えるようになったカオスバンプティルーレット。
 格下相手に、追加でカオスバンプティルーレットを回すというのは間違いなく恥。
 しかし、現状、そんな余裕はこけなかった。

 バンプティは理解した。
 ――カドヒト・イッツガイは、
 最果てに至った自分ですら『全力』で立ち向かわなければいけない強者。

 一瞬、
 『今の自分が全力で立ち向かわなければならないほどの存在など、一人しかいないのでは?』
 『まさか、このカドヒトという男は……』

 などという『ありえない疑問』が頭に浮かんだが、

 『当人が聖典を非難するわけがない』
 『偉大なる神が、そんなワケのわからないことをするはずがない』
 という極めて常識的な発想が『ありえない疑念』をかき消した。

 いや、かき消したというのは表現として間違っている。
 『掻き消えてほしい』と強く願っただけにすぎない。

 いまだ、バンプティの頭の中では、
 ずっと、その『疑念』が暴れている。

 だらこそ、叫ぶ。

「貴様の強さには、おそらく、何かカラクリがあるのだろう!」

 論理的な解釈を求めようとする。
 聖典を信じない者たちと同じ思考。
 結局のところは、しかして、病的な合理の追及。

 『そんなわけがない』という常識的思考が、
 目の前の現実を許さない。

 ゼノリカの天上に至っても、
 人は、弱さを殺しきれない。

「私のカオスミラーのように、力の差をひっくり返せる『特殊な何か』……おそらくは……相手の存在値をコピーして、戦闘力に変換する……といったような、奇妙な力! 貴様はそれを使っている! そうだろう!」

「まあ、それと似たような魔法やスペシャルも、存在しなくはないが……あいにく、今の俺は、その手の奇術を使っているわけじゃない」

「まあ、当然、そう言うだろうな! 奇術師がタネをあかすわけがない!」

「……平行線だな。まあ、別にいいけど。それより、そろそろ、ルーレットをとめたらどうだ? それを止めてしまったら、俺と戦わなければいけなくなるから、躊躇してしまう気持ちもわからなくはないが、すでにサイは投げられているってことを、いい加減、理解しろ。もう、あとには引けないんだよ」

「貴様ごときに、躊躇などするか!! ナメるなぁああ!!」

 怒りのままに、そう叫んでから、

「とまれぇええ!!」

 てっぺんの矢印が示したのは、



「カオス・ラージャン‐エグゾギア、起動!!」



 極悪な混沌を纏ったエグゾギアをその身に包み込むバンプティ。


 それを見て、
 少し離れた場所で見学しているスールが、ボソっと、

「機動魔法……それも、かなり高位の……すごいな……さすがは、九華の第十席……やはり、レベルが違う……最初から、そういう力を見せてくれればいいのに、どうして、存在値3000とかいう、アホなハッタリをかましたのか……」

 呆れと尊敬が混じった複雑な視線を送っているスールの向こうで、

 ――カドヒトは、『苦い顔』をしていた。
 その理由は『恐怖』からではなく、

(ラージャンタイプのエグゾギア……そのチョイスはどうだろうなぁ……まあ、もちろん、強くはなるが……正直、エグゾギアを使ったビルドはたかが知れているからなぁ……つぅか、神種が芽吹いていない状態でエグゾギアを使ったところで、メモリ不足&コスト不足で、豪快にもてあますだけだと思うんだが……)


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