センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
43話 羞恥の螺旋。
43話 羞恥の螺旋。
「ちょっとしたジャブ……微量のアリア・ギアス、か……はは」
つぶやきながら苦笑いをするカドヒト。
技の特性上、
開発した『当人』以外だと、
『本当の重荷によるプラス』は生じない。
――それが閃拳。
センエースが、その生涯をかけて積んできた覚悟の結晶。
(……『死ぬほど積んできた』っていう点と、『自分の名前がついた技名を叫んでいる』ってところがミソで……その二つがないなら、マジでただの正拳突き……だから、ほんと、マネるのとか、やめてほしいんだよなぁ……正直、こっちとしては、めっちゃキツいんだよ……その辺のキツさが、追加のアリア・ギアスになって、閃拳がより強化されたって経緯もあるが……そんな強化はいらんから、マジでやめてくれってのが本音なんだよなぁ……)
センエースの名前がついた技名を、
センエースのことを信奉している信者たちが、
毎朝毎朝、100回叫んでいる。
この狂気的な状況が、センエースの拳に、
多大な力を与えてくれる。
正直な話、
聖典教という存在は、
『センエースの武』にとっては大きなメリットがある。
『マジで勘弁してくれ』という心の叫びは、
『高次のアリア・ギアス』として昇華されて、
センエースの魂魄を一歩上の高みへと押し上げた。
――けれど、イヤなものはイヤなのだ。
『自分が閃拳と叫ぶこと』までは許容できても、
『自分の信者が、毎朝、100回、閃拳と叫んでいる』という状況は我慢の許容外。
「意味がわからない!! 本当に、なんだ、この状況は! なぜ、私が押し負けている! なぜ、こんなことになっている! 私の存在値は3000だぞ! 対する貴様の存在値は170! 闘いになどなるはずがない!」
――その叫びを受けて、
少し離れた場所で見学しているスールが、ボソっと、
「自分で答えを言っているじゃねぇか。実際には、存在値3000なんてイカれた数字にはなっていないって、それだけの話だ。つぅか、いつまで、その『通じていないハッタリ』を続けるんだよ……どんだけ頭わるいんだ……それでも、九華かよ……ったく」
心底からの怒りをあらわした顔でそうつぶやく。
「世界の剣たる『九華の十席』が……みっともない無様をさらすなよ……」
ギリっと奥歯をかみしめるスール。
そんなスールの視線の先で、
バンプティは、青ざめた顔のまま、
――続けて、
「数倍の差ならば、戦闘力で埋めることも不可能ではないだろうが、20倍近くともなれば、さすがに不可能だ! アリと恐竜が闘っているようなもの! アリが何をしようと、恐竜に勝てるわけがないんだ! なにをした! どんな奇術だ!」
「前提が間違っているよ、バンプティ。……俺はただのアリじゃねぇ。俺は、とんでもなくヤベぇアリだ。そして、お前は、恐竜じゃねぇ。ちょっとバグっているだけの虫ケラでしかない」
カドヒトは、
さらに濃い円を世界に刻みながら、
「俺より20倍ほど数値が高い……その程度のザコが、俺に勝てると思うなよ」
宣言しつつ、心の中で、
(言っておくが、当時の俺と、愚神の差は、こんなものじゃなかったぜ)
「ちょっとしたジャブ……微量のアリア・ギアス、か……はは」
つぶやきながら苦笑いをするカドヒト。
技の特性上、
開発した『当人』以外だと、
『本当の重荷によるプラス』は生じない。
――それが閃拳。
センエースが、その生涯をかけて積んできた覚悟の結晶。
(……『死ぬほど積んできた』っていう点と、『自分の名前がついた技名を叫んでいる』ってところがミソで……その二つがないなら、マジでただの正拳突き……だから、ほんと、マネるのとか、やめてほしいんだよなぁ……正直、こっちとしては、めっちゃキツいんだよ……その辺のキツさが、追加のアリア・ギアスになって、閃拳がより強化されたって経緯もあるが……そんな強化はいらんから、マジでやめてくれってのが本音なんだよなぁ……)
センエースの名前がついた技名を、
センエースのことを信奉している信者たちが、
毎朝毎朝、100回叫んでいる。
この狂気的な状況が、センエースの拳に、
多大な力を与えてくれる。
正直な話、
聖典教という存在は、
『センエースの武』にとっては大きなメリットがある。
『マジで勘弁してくれ』という心の叫びは、
『高次のアリア・ギアス』として昇華されて、
センエースの魂魄を一歩上の高みへと押し上げた。
――けれど、イヤなものはイヤなのだ。
『自分が閃拳と叫ぶこと』までは許容できても、
『自分の信者が、毎朝、100回、閃拳と叫んでいる』という状況は我慢の許容外。
「意味がわからない!! 本当に、なんだ、この状況は! なぜ、私が押し負けている! なぜ、こんなことになっている! 私の存在値は3000だぞ! 対する貴様の存在値は170! 闘いになどなるはずがない!」
――その叫びを受けて、
少し離れた場所で見学しているスールが、ボソっと、
「自分で答えを言っているじゃねぇか。実際には、存在値3000なんてイカれた数字にはなっていないって、それだけの話だ。つぅか、いつまで、その『通じていないハッタリ』を続けるんだよ……どんだけ頭わるいんだ……それでも、九華かよ……ったく」
心底からの怒りをあらわした顔でそうつぶやく。
「世界の剣たる『九華の十席』が……みっともない無様をさらすなよ……」
ギリっと奥歯をかみしめるスール。
そんなスールの視線の先で、
バンプティは、青ざめた顔のまま、
――続けて、
「数倍の差ならば、戦闘力で埋めることも不可能ではないだろうが、20倍近くともなれば、さすがに不可能だ! アリと恐竜が闘っているようなもの! アリが何をしようと、恐竜に勝てるわけがないんだ! なにをした! どんな奇術だ!」
「前提が間違っているよ、バンプティ。……俺はただのアリじゃねぇ。俺は、とんでもなくヤベぇアリだ。そして、お前は、恐竜じゃねぇ。ちょっとバグっているだけの虫ケラでしかない」
カドヒトは、
さらに濃い円を世界に刻みながら、
「俺より20倍ほど数値が高い……その程度のザコが、俺に勝てると思うなよ」
宣言しつつ、心の中で、
(言っておくが、当時の俺と、愚神の差は、こんなものじゃなかったぜ)
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