センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
32話 誹謗中傷? いや、全て事実だ。
32話 誹謗中傷? いや、全て事実だ。
(センエースという名前の人物は存在したのだろう。おそらく、相当な強者だった。三至天帝にも匹敵するような、相当な、別格の強者……)
カドヒトとの対話を経て、スールの推測は、そこまで達した。
『センエースという強者が存在した』と仮定するのであれば、
導き出される結論は、
(おそらく、センエースは、三至と共に、世界を平定するために奔走したが、愚神との闘いで命を落とした。もしかしたら、愚神との闘いで、絶死のアリア・ギアスでも積んだのかもしれない。その覚悟に対する感謝の意を、ゼノリカは、聖典という形で後の世に遺した……)
ちなみに『この推察』は、
昔から言われている、
『聖典に対する論理的解釈』の一つで、
『ゾメガ・ミシャ・平の三人を合わせた名前がセンエースである』
という説と並ぶ、有名な仮説。
『センエースという人物は実在した』と仮定した場合の、
最も有力な仮説。
そして、その仮説は、カドヒトの言葉で現実味を帯びてきた。
「……もし、センエースが実在したのであれば……『過剰に中傷的な言葉』で侮蔑するのは、あまり賢明ではないかと……」
「いいんだよ、何言ったって。あんなやつ、マジでただの変態なんだから」
そこで、カドヒトは、指折り数えながら、
「まず、あいつは、びっくりするくらい才能がない。バカじゃないにしても頭が悪すぎる。多少克服したとはいえ、基本、数学が苦手。性根も腐っている。目つきも悪い。つぅか、なんか、根本的にムカつく目をしている。まぶたとか、腫れぼったくて。あと、口も悪い。顔色も悪い。いつも眠たそうな顔をしている。へちゃむくれ。髪がボサボサ。驚くほどセンスがない。冷徹。厨二。ガキのまま大きくなったバカの典型。大人気ない。人の心がない。脳筋。コミュ力が死んでる。童貞。劣等感が強め。無駄に頑固。だいたい粗雑。徹底して不器用。引くほど偏屈。強めのサイコパス。終わってるパラノイア。救いようのないラストエリクサー症候群。……あと、何があったかな……あ、そうだ、友達がいない」
「……」
「あ、あと、知り合いの姉ちゃんに対して臆病。で、その知り合いの姉ちゃんほどじゃないにしても、プライドが無駄に高くてクソ面倒」
「……」
「あと……えーっと」
「もういいです。リーダーがセンエース嫌いなのは十分わかりましたから。正直、なぜそこまで……とも思いますが、まあ、嗜好(しこう)は人それぞれということで理解しておきます」
もし、仮に、センエースが、世界を守るために、絶死を積んだのだと仮定すれば、センエースは、確かに稀代の英雄であり、未来永劫、称えられるべき存在である。
『聖典におけるセンエースの扱いが過剰である』という認識に変化は起こらないが、
『少しくらいの美化は仕方がないのかもしれない』と、スールは思い始めている。
(もちろん『何もかも全てセンエースのおかげ』みたいな風潮は是正していくべきだが……その高潔な覚悟に対する感謝の気持ちを風化させないためには、多少の美化は不可欠なのかもしれないとも思う……真実をそのまま並べるだけでは、人の心を動かすのは難しいから……)
などとスールが思っている間にも、
カドヒトは、
休まず、迷わず、
センエースの欠点を数えていて、
「えーっと、それと……あ、そうだ、親の財布から金を盗んだことがある」
「だから、もういいですって、いつまで言っているんですか。てか、なんですか、親の財布から金を盗んだって……会ったこともない相手の、そんな細かいプライベートを知っているっておかしすぎるでしょう。ていうか、最初から、思いつきの嘘を並べているだけじゃないですか。マズイですって、さすがに」
(センエースという名前の人物は存在したのだろう。おそらく、相当な強者だった。三至天帝にも匹敵するような、相当な、別格の強者……)
カドヒトとの対話を経て、スールの推測は、そこまで達した。
『センエースという強者が存在した』と仮定するのであれば、
導き出される結論は、
(おそらく、センエースは、三至と共に、世界を平定するために奔走したが、愚神との闘いで命を落とした。もしかしたら、愚神との闘いで、絶死のアリア・ギアスでも積んだのかもしれない。その覚悟に対する感謝の意を、ゼノリカは、聖典という形で後の世に遺した……)
ちなみに『この推察』は、
昔から言われている、
『聖典に対する論理的解釈』の一つで、
『ゾメガ・ミシャ・平の三人を合わせた名前がセンエースである』
という説と並ぶ、有名な仮説。
『センエースという人物は実在した』と仮定した場合の、
最も有力な仮説。
そして、その仮説は、カドヒトの言葉で現実味を帯びてきた。
「……もし、センエースが実在したのであれば……『過剰に中傷的な言葉』で侮蔑するのは、あまり賢明ではないかと……」
「いいんだよ、何言ったって。あんなやつ、マジでただの変態なんだから」
そこで、カドヒトは、指折り数えながら、
「まず、あいつは、びっくりするくらい才能がない。バカじゃないにしても頭が悪すぎる。多少克服したとはいえ、基本、数学が苦手。性根も腐っている。目つきも悪い。つぅか、なんか、根本的にムカつく目をしている。まぶたとか、腫れぼったくて。あと、口も悪い。顔色も悪い。いつも眠たそうな顔をしている。へちゃむくれ。髪がボサボサ。驚くほどセンスがない。冷徹。厨二。ガキのまま大きくなったバカの典型。大人気ない。人の心がない。脳筋。コミュ力が死んでる。童貞。劣等感が強め。無駄に頑固。だいたい粗雑。徹底して不器用。引くほど偏屈。強めのサイコパス。終わってるパラノイア。救いようのないラストエリクサー症候群。……あと、何があったかな……あ、そうだ、友達がいない」
「……」
「あ、あと、知り合いの姉ちゃんに対して臆病。で、その知り合いの姉ちゃんほどじゃないにしても、プライドが無駄に高くてクソ面倒」
「……」
「あと……えーっと」
「もういいです。リーダーがセンエース嫌いなのは十分わかりましたから。正直、なぜそこまで……とも思いますが、まあ、嗜好(しこう)は人それぞれということで理解しておきます」
もし、仮に、センエースが、世界を守るために、絶死を積んだのだと仮定すれば、センエースは、確かに稀代の英雄であり、未来永劫、称えられるべき存在である。
『聖典におけるセンエースの扱いが過剰である』という認識に変化は起こらないが、
『少しくらいの美化は仕方がないのかもしれない』と、スールは思い始めている。
(もちろん『何もかも全てセンエースのおかげ』みたいな風潮は是正していくべきだが……その高潔な覚悟に対する感謝の気持ちを風化させないためには、多少の美化は不可欠なのかもしれないとも思う……真実をそのまま並べるだけでは、人の心を動かすのは難しいから……)
などとスールが思っている間にも、
カドヒトは、
休まず、迷わず、
センエースの欠点を数えていて、
「えーっと、それと……あ、そうだ、親の財布から金を盗んだことがある」
「だから、もういいですって、いつまで言っているんですか。てか、なんですか、親の財布から金を盗んだって……会ったこともない相手の、そんな細かいプライベートを知っているっておかしすぎるでしょう。ていうか、最初から、思いつきの嘘を並べているだけじゃないですか。マズイですって、さすがに」
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