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13話 リフレクションという会社。

 13話 リフレクションという会社。

「カドヒトは、所詮、存在値170程度の『天下案件』……どう考えても、天上が出るほどの相手ではないのじゃが……」

 ――『仕事』には役割というものがある。
 天上には天上の、天下には天下の、『こなすべき仕事』がある。
 だから、これまでは天下に任せてきた。

 カドヒトの存在は、ゼノリカにとって『腹が立つことこの上なし』だが、
 実質的には『アホがアホなことを叫んでいるだけ』なので、
 さすがに『天上が出張るほど』ではなかった。

 だが、ここまで我慢したのだから、
 さすがにそろそろ『特例扱い』してもかまわない時期かもしれない。

 ――そう思ったパメラノは、

「……どうせやるなら手加減はするな。徹底的に説教してこい、バンプティ」

「かしこまりました」



 ★



 パメラノとの対話を終えたスールは、
 その足でリフレクションの本部へと向かった。

 反聖典組織リフレクションは、
 地下組織というわけではなく、
 普通に、表だって行動している。

 まず、リフレクションは『聖典に文句を言うだけ』の『いやがらせ組織』ではない。

 『カドヒトお手製のセキュリティツールのレンタル業』や、
 『一般人向けのボディーガード業』や、
 『ハードボイルド系の探偵業』や、
 『裏社会を対象とした管財人的な仕事』や、
 『それらの業務の経験談をまとめた雑誌の販売業』など、
 いわゆる『グレーゾーンな社会』を相手とした、
 『トラブルシューター』的な事業を行っているという、
 ちょっとした規模の会社。

 ※ ウエス〇ゲートパーク的なアレを想像してもらえれば、
   リフレクションの仕事は理解しやすい。

 『災害時におけるボランティア』や『孤児院の運営』などの慈善事業もそれなりに行っていて、税金もしっかりと納めている。

 ※ 慈善事業は『ある程度稼いでいる会社』であれば『絶対に背負わなければいけない義務』なので、それなりにやっているからといって、特別褒められることでもない。 

 リフレクションは、聖典に異を唱えているという基本スタイルをシカトすれば、
 かなりまっとうなホワイト会社。
 ゼノリカが処理しきれていない『社会の闇』から、
 善良な一般市民を守る『盾』の役割。

 ゆえに、本部のビルには看板もかかっているし、
 その看板には電話番号だってキッチリと記載されている。

 『聖典教とは関係ない一般人』の視点で言うと、リフレクションは、
 『ゼノリカとは別枠』の『便利な万事屋さん』的な会社である。



 ――『パメラノから解放されたスール』が、
 その足で、リフレクションの本部に戻ると、
 奥の客間にはカドヒトがいて、
 来客用のソファーに寝転んでいた。

 カドヒトは、スールの姿を横目にとらえると、
 ニっと笑って、

「おつかれ。奇襲は成功したか?」

「奇襲って……変な言い方しないでくださいよ。俺は、パメラノ猊下に意見をぶつけにいっただけです。ちなみに、試みは大成功でしたよ。直接対話することもできましたし」

「へぇ……パメラノと対話できたのか……よかったじゃねぇか。なかなかできることじゃない、貴重な体験だ」

「……まあ、実際、そうですね……」

 スールはカドヒトのトイメンに腰を落として、

「……『世界のこれからについて』を語り合った……とかなら、宝物にできる時間だったのでしょうけど、聖典の在り方について、俺が一方的に文句を言っただけみたいな形だったので、有意義な時間とは言えませんでしたね」

「有意義かどうかはともかく、お前の行動は非常に正しいと言える。お前みたいなやつがどんどん増えていくべきだ。聖典なんて、なくていい。いや、あってもいいが、センエースがどうこうって部分は全削除していくべきだ」

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