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1話 聖典教。

 1話 聖典教。


 ※ これは、センエースが原初の世界に転生する1年ほど前の物語。
   ゼノリカが『カドヒト討伐』に『九華』を差し向けた、闘いの記録。

   ちょっとした回想などではなく、
   『今のゲン・フォース』へとつながる重要なエピソード。


 ★


 『聖典教』――それは、第2~第9アルファで広がっている唯一の宗教。
 この上なく尊き神の王センエースを信仰している宗教で、
 だいたい、世界人口の1~2割くらいは聖典教徒。
 いくつか、宗派(信仰の方向性の違い)もあるが、
 『センエースを愛している』という基本姿勢は同一であり、
 無為な対立などはしていない。

 どの宗派も『他の宗派の考え方』に対しては、
 『ああ、そういうとらえ方もあるのね。オーケー、わからなくもないですよ』
 というスタンスをとっているのが基本。
 基本というか『そうでなければいけない』という感じ。

 仮に『ふざけんな、センエースってのは、こういう神なんだよ! 戦争じゃ!』といったような『信仰の押し付け』をすると、即座にゼノリカの上層部からキレられる。


 聖典教の教えは非常にシンプル。
 『センエースに対する感謝』と『その生き様に対する本気のリスペクト』の二つ。

 宗派によって、『祈りの流儀』等に違いはあるが、
 基本的にはその二つがメイン。

 ・この上なく尊き神に対する感謝を忘れないようにしましょう。
 ・この上なく尊き神に少しでも近づく努力を積んでいきましょう。

 それ以外の面倒な押し付けは存在しない。
 『しつこい勧誘』
 『お布施の額でランクがどうだこうだ』
 『免罪符がなんだかんだ』
 『妙な独自詩論の展開』
 『宗教の私物化や乗っ取り』
 『幸福がどうこうの石やツボを高値で売り付けてマルチ展開』

 そういう『宗教の闇』的なものは、いっさい存在しない。

 かつては、その手の問題を起こすバカもいたが、ゼノリカは、『聖典教を利用して他人を落とし込み甘い汁を吸おうとする輩』に対して『一般人から確定でドン引きしてしまうほど容赦ない』ので、問題を起こしたカスは、即座かつ徹底的に潰されてきた。

 今となっては、聖典教を利用して悪事をしようとするものは皆無に等しくなった(完全なゼロではない。バカはいつの時代のどこにでも沸いて出る)。


 穢れは決して許さない『聖典教』。
 倫理観が徹底されているため、無害でクリーンな存在だが、
 そんな聖典教を憎んでやまない男がいた。

 聖典教に対して『お前らは間違っている』と真っ向から異を唱える狂人。
 彼の名は『カドヒト・イッツガイ』

 反聖典組織『リフレクション』の設立者であり、
 第2~第9アルファの中で最高位クラスの懸賞金がかかっているサイコテロリスト。
 ※ ガチでヤバイ凶悪犯罪者が暴れた場合、躊躇なく『天上』が動くので、
   懸賞金が上がり切る前に捕まってしまう。
   しかし、カドヒトの場合、
   『天上が出ざるをえないほどの実質的な物理的被害が出ている』
   というわけではないため、
   結果的に、懸賞金が最高位にまで上がったしまったという、稀有な例。

 生きる伝説。
 反社の王。
 パラノイアエンペラー。

 ありとあらゆる異名を持つ彼の主張はただ一つ。

『いや、センエースって、お前らが言うようなヤツじゃないから。ただのクソボッチだから。イカれた欲望に溺れまくっているだけのド変態だから。過剰に崇めるの、マジでやめろ。気持ち悪い! みろ、この鳥肌を! これ以上、俺の交感神経に嫌がらせをするのはやめろ! 俺が、かわいそうだろう! このバカどもがぁ!』



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