センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
32話 一か所だけバツ印が書かれている地図。
32話 一か所だけバツ印が書かれている地図。
「お前の望みは間違いなく叶う。それはもう『決まっていること』なんだ」
などと、また意味の分からないことを言ってくる。
意味は理解できないが、
しかし、仮に、ナイアの言葉が事実だと仮定した場合、
「ぉ、お前は……なんだ……なんなんだ……?」
心がザワっとした。
理解できない何かを見る目。
敬意とか畏怖とか、そういう画一的な感情の向こう側。
得体のしれない歪みそのもの――そんな感じがした。
そんなザコーに対し、
ナイアは、目を輝かせて、
「よくぞ聞いてくれたね! 我こそは千なる無――っとっとっと……聞かれたら、つい答えそうになっちゃうねぇ。悪いクセだ」
などと言いつつ、
「悪いが、お前には、俺の名乗りを聞く資格がない」
そう言い捨ててから、
「本題に戻ろう。ヤマトがいなければ、探索が困難になるのは事実。というか、自力では不可能。『エイボンの書』を探し出すには『領域外の手掛かり』が必須。というわけで、これをくれてやる」
ナイアが指を鳴らすと、
ザコーの目の前に、
『一か所だけバツ印が書かれている地図』が出現した。
「そこを探してみるといい。――そこにエイボンの書があるってワケじゃないけど、ヒントはそこにある」
「……な、なにがヒントだ……おちょくりやがって……てめぇが、本当にエイボンの書の在りかを知っているのなら、その場所を、そのまま教えてみやがれってんだ、クソったれが……」
「残念ながら、それは出来ない。まだその時期じゃない」
「……はぁ……時期じゃない? わけがわからん……」
「お前にはお前の仕事があるが、まだそのターンじゃない……って感じかな。まあ、とにかく、ヒントはやったんだから、ヤマトの豪運に頼るのはやめて、全力で追いかけてみろ。『決死の努力』が前提ではあるが、しかし、そのヒントを追い続ければ、確実に、ゴールまでたどり着ける」
「……」
「じゃあな、ザコー」
「マジで、あんたは……何者だ……? どういう存在なんだ……?」
どうしても尋ねずにはいられない質問。
その問いに対するナイアの答えは決まっている。
『お前には俺の名乗りを受ける資格がない』
――だが、同じ返答を並べるのも芸がないと思い、
だからこそ、
「まれによくいる、ちょっとシャイな5歳児さ」
最後にそう言い捨てると、
ゲンは、そのまま10階に降りてしまった。
★
試験の結果は言うまでもなく、
ゲン・ロコ・ヤマトの三人だけが合格し、
あとは全員不合格。
時間内に10階までたどり着いた者は三人。
ザコーを除くほかの受験生は、時間内に五階にたどり着くことさえできなかった。
稀に見る難易度の高い試験だった。
――入学が決まったことで、
正式に、ロコは、ルルの支配下におさまり、
全宮家の人間であっても、そう簡単には手出しができなくなった。
そうなる前に手を打たなければいけなかったのだが、時すでにお寿司。
「……ゴキの『リーダー』&『ナンバースリー』の二人がかりで、五歳の幼女一人殺せないとはな」
全宮アギトの邸宅で、
テーブルをはさんでソファーに座り、向かい合っているアギトとザコーの二人。
怒りに震えているアギトから、
容赦のない小言を言われたザコーは、
「ヤマトが寝返ったから、正確には『俺一人』で『ヤマト&ロコ』に挑んだ形だがな」
シレっと、そう言い返した。
「お前の望みは間違いなく叶う。それはもう『決まっていること』なんだ」
などと、また意味の分からないことを言ってくる。
意味は理解できないが、
しかし、仮に、ナイアの言葉が事実だと仮定した場合、
「ぉ、お前は……なんだ……なんなんだ……?」
心がザワっとした。
理解できない何かを見る目。
敬意とか畏怖とか、そういう画一的な感情の向こう側。
得体のしれない歪みそのもの――そんな感じがした。
そんなザコーに対し、
ナイアは、目を輝かせて、
「よくぞ聞いてくれたね! 我こそは千なる無――っとっとっと……聞かれたら、つい答えそうになっちゃうねぇ。悪いクセだ」
などと言いつつ、
「悪いが、お前には、俺の名乗りを聞く資格がない」
そう言い捨ててから、
「本題に戻ろう。ヤマトがいなければ、探索が困難になるのは事実。というか、自力では不可能。『エイボンの書』を探し出すには『領域外の手掛かり』が必須。というわけで、これをくれてやる」
ナイアが指を鳴らすと、
ザコーの目の前に、
『一か所だけバツ印が書かれている地図』が出現した。
「そこを探してみるといい。――そこにエイボンの書があるってワケじゃないけど、ヒントはそこにある」
「……な、なにがヒントだ……おちょくりやがって……てめぇが、本当にエイボンの書の在りかを知っているのなら、その場所を、そのまま教えてみやがれってんだ、クソったれが……」
「残念ながら、それは出来ない。まだその時期じゃない」
「……はぁ……時期じゃない? わけがわからん……」
「お前にはお前の仕事があるが、まだそのターンじゃない……って感じかな。まあ、とにかく、ヒントはやったんだから、ヤマトの豪運に頼るのはやめて、全力で追いかけてみろ。『決死の努力』が前提ではあるが、しかし、そのヒントを追い続ければ、確実に、ゴールまでたどり着ける」
「……」
「じゃあな、ザコー」
「マジで、あんたは……何者だ……? どういう存在なんだ……?」
どうしても尋ねずにはいられない質問。
その問いに対するナイアの答えは決まっている。
『お前には俺の名乗りを受ける資格がない』
――だが、同じ返答を並べるのも芸がないと思い、
だからこそ、
「まれによくいる、ちょっとシャイな5歳児さ」
最後にそう言い捨てると、
ゲンは、そのまま10階に降りてしまった。
★
試験の結果は言うまでもなく、
ゲン・ロコ・ヤマトの三人だけが合格し、
あとは全員不合格。
時間内に10階までたどり着いた者は三人。
ザコーを除くほかの受験生は、時間内に五階にたどり着くことさえできなかった。
稀に見る難易度の高い試験だった。
――入学が決まったことで、
正式に、ロコは、ルルの支配下におさまり、
全宮家の人間であっても、そう簡単には手出しができなくなった。
そうなる前に手を打たなければいけなかったのだが、時すでにお寿司。
「……ゴキの『リーダー』&『ナンバースリー』の二人がかりで、五歳の幼女一人殺せないとはな」
全宮アギトの邸宅で、
テーブルをはさんでソファーに座り、向かい合っているアギトとザコーの二人。
怒りに震えているアギトから、
容赦のない小言を言われたザコーは、
「ヤマトが寝返ったから、正確には『俺一人』で『ヤマト&ロコ』に挑んだ形だがな」
シレっと、そう言い返した。
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