センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
29話 降参。
29話 降参。
「な……なんだ、お前……イグをしりぞけるなど……そんなこと、クツグア(完全院リライトのコスモゾーン・レリック)だって、できるわけ……」
震えているザコーに、
ナイアは、
「クツグア程度のカスと俺を一緒にするなよ、ヘコむだろうが。お前、その辺のアリと一緒にされてうれしいか? 常識でモノを考えろよ」
「……」
『非常識の塊みたいなヤツが常識を語るんじゃねぇ』
とでも言いたげな顔をしているザコー。
そんな彼に、
「さて、時間もないから単刀直入に言おうか。罪帝ヒミコ――『ヤマト』のことは諦めろ。あいつは、すでに、ゲンの女だ」
そう言ってから、『んん』とノドの調子を整えて、
「……この言い方はちょっと語弊があるが、まあ、でも、結果的には変わらない。あの女は、ゲンの物語を面白くするためのパーツ。もはや、何があろうと、それが覆ることはない。ヤマトが、お前の『希望』だった時代は完全に終了した」
「……っ」
「というわけで、ヤマトのことは完全にあきらめろ。女のしりを追いかけるような、みっともないマネはお前らしくないぞ、ザコー」
などとナメたことを言ってくるナイアに、
ザコーは震えながらも、
「あの変態に女としてのアレコレなんざ、一ミリたりとも求めてねぇよ」
矜持を持って対峙する。
それは勇気ではなくプライド。
ヤマトほどではないが、
ザコーにも、悪のカリスマとしての意地がある。
「……ヤマトは必要だ。俺の武器になれる存在は貴重。そう簡単に失うわけにはいかねぇ。これから起こす予定の『祭り』で、あいつは絶対のマストで必要不可欠。だから……」
「だから? 俺に歯向かってでも取り戻す?」
ニタァっと黒く微笑んで、
「できるかなぁ?」
ねっとりとした殺気を向けた。
ほんの少しだけアクセルを踏んだ。
きわめて繊細に、本当に、ほんの少ぉぉしだけ。
それだけでも世界が軋んだ。
キリキリと、ジットリと、ぐにゅぐにゃと、
あまりにも表現が難しい、湿度の高い粘滞性の軋み。
その狂気は、徹底的にコントロールされており、
現状、この異質を感知できている者は、この世でザコーただ一人。
ナイアは、『その事実に対する理解』をも、
『ザコーを苛(さいな)む圧』に追加しておいた。
理解を強制してくる分厚い圧力。
そんな『あまりにも異質な圧力』を受けて、
ザコーは、
「……っっ……!!」
一瞬で大量の脂汗に包まれた。
芯の奥から湧き上がる『分かりやすい慟哭』が、
複雑な感情を、たやすく追い越していく。
だから、当然、
「……こ、こ、こ、降参だ! 歯向かわない! 絶対に歯向かわないから! その殺気をやめてくれ! それだけで死にそうだ!」
『このまま枯れてしまうのではないか』、
と不安になるほど『膨大な量の脂汗』を流しながら、
ザコーは死に物狂いで命乞いをする。
「止めろって、マジで! マジで死にそうだ! つぅか、自殺してしまいそうだ! たのむ! お願いしますっっ!」
全体的な口調こそ、まだまだ雑だが、
こころは完全に折れており、
その証拠が、最後の悲痛な懇願であった。
「な……なんだ、お前……イグをしりぞけるなど……そんなこと、クツグア(完全院リライトのコスモゾーン・レリック)だって、できるわけ……」
震えているザコーに、
ナイアは、
「クツグア程度のカスと俺を一緒にするなよ、ヘコむだろうが。お前、その辺のアリと一緒にされてうれしいか? 常識でモノを考えろよ」
「……」
『非常識の塊みたいなヤツが常識を語るんじゃねぇ』
とでも言いたげな顔をしているザコー。
そんな彼に、
「さて、時間もないから単刀直入に言おうか。罪帝ヒミコ――『ヤマト』のことは諦めろ。あいつは、すでに、ゲンの女だ」
そう言ってから、『んん』とノドの調子を整えて、
「……この言い方はちょっと語弊があるが、まあ、でも、結果的には変わらない。あの女は、ゲンの物語を面白くするためのパーツ。もはや、何があろうと、それが覆ることはない。ヤマトが、お前の『希望』だった時代は完全に終了した」
「……っ」
「というわけで、ヤマトのことは完全にあきらめろ。女のしりを追いかけるような、みっともないマネはお前らしくないぞ、ザコー」
などとナメたことを言ってくるナイアに、
ザコーは震えながらも、
「あの変態に女としてのアレコレなんざ、一ミリたりとも求めてねぇよ」
矜持を持って対峙する。
それは勇気ではなくプライド。
ヤマトほどではないが、
ザコーにも、悪のカリスマとしての意地がある。
「……ヤマトは必要だ。俺の武器になれる存在は貴重。そう簡単に失うわけにはいかねぇ。これから起こす予定の『祭り』で、あいつは絶対のマストで必要不可欠。だから……」
「だから? 俺に歯向かってでも取り戻す?」
ニタァっと黒く微笑んで、
「できるかなぁ?」
ねっとりとした殺気を向けた。
ほんの少しだけアクセルを踏んだ。
きわめて繊細に、本当に、ほんの少ぉぉしだけ。
それだけでも世界が軋んだ。
キリキリと、ジットリと、ぐにゅぐにゃと、
あまりにも表現が難しい、湿度の高い粘滞性の軋み。
その狂気は、徹底的にコントロールされており、
現状、この異質を感知できている者は、この世でザコーただ一人。
ナイアは、『その事実に対する理解』をも、
『ザコーを苛(さいな)む圧』に追加しておいた。
理解を強制してくる分厚い圧力。
そんな『あまりにも異質な圧力』を受けて、
ザコーは、
「……っっ……!!」
一瞬で大量の脂汗に包まれた。
芯の奥から湧き上がる『分かりやすい慟哭』が、
複雑な感情を、たやすく追い越していく。
だから、当然、
「……こ、こ、こ、降参だ! 歯向かわない! 絶対に歯向かわないから! その殺気をやめてくれ! それだけで死にそうだ!」
『このまま枯れてしまうのではないか』、
と不安になるほど『膨大な量の脂汗』を流しながら、
ザコーは死に物狂いで命乞いをする。
「止めろって、マジで! マジで死にそうだ! つぅか、自殺してしまいそうだ! たのむ! お願いしますっっ!」
全体的な口調こそ、まだまだ雑だが、
こころは完全に折れており、
その証拠が、最後の悲痛な懇願であった。
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