センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
21話 本気のシグナル。
21話 本気のシグナル。
「私は、神様に遭ったんだよ。すごかったよぉ。ランク2000とか、3000とかの魔法をバンバン使ってきてねぇ。存在値にいたっては『170兆』もあったんだ。すごいよねぇ、神様って。で、私は、そんな神様に仕事を依頼されちゃってねぇ。だから、さすがに、これまでのように、気高く自由なままってわけにはいられないんだよねぇ」
「……」
ザコーの眉間のシワがどんどん濃くなっていく。
(これは……ギャグを言っている顔じゃねぇ……いつものような『意味のない妄言』を垂れているんじゃねぇ……)
ヤマトは間違いなく『イカれている』が、
しかし、『ザコーが真摯な対応をしたとき』に、
『ナメた嘘で返す』ほど空気が読めないわけではない。
むしろ、その逆で『どうでもいいとき』は『誰よりも壊れている』が、
『大事な場面』では『誰よりもマジメだったりする』のがヤマトという人間。
それを知っているからこそ、
余計に、ザコーは混乱する。
(おい、マジか、こいつ……まさか、薬でもやってんのか?)
ヤマトが壊れているのは知っているが、
『そっち系』の壊れ方をする人間ではないと思っていた。
――『思っていた』というか、事実そうで、
ヤマトは、薬物に溺れるような『吐くほどダサい壊れ方』はしない。
その『尋常ならざるみっともなさ』は、
彼女の内で燃える『鋼のプライド』が絶対に許さない。
だが、現状、
(いや、ヤマトのことだから、さすがに、薬はやっていないと思うが……しかし、ならば、この歪んだ壊れ方はどういうことだ……)
ヤマトは間違いなく完全にイカれているし、
シュールレアリズム&アバンギャルドが過ぎる『ワケわからんところ』が多いものの、
いつだって、クールで、知的で、シニカルで、
そして、惚れ惚れするほどアーティスティックなリアリストだった。
「……ヤマト……」
ザコーは、本気の心配そうな顔で、
「何があった? 何をされた? それは、SOSのサインか? それとも、何か別のシグナルか?」
慎重に言葉を選びながら、
「お前を完全に理解してやれないことを、心の底から歯がゆく思う。だが、他者の完全理解なんざ、どこまで言っても不可能な領域。だから……悪いが、もう少し噛み砕いて『お前のシグナル』を発してくれ。……俺はお前にどうすればいい?」
とことん真摯な態度でそう言うザコーに、
ヤマトは、
「ごめんね、ザコーくん。私が見たモノは、きっと、どれだけの言葉を使っても伝えることは出来ない。私は、自分のことを『そこそこ賢い』と思っているのだけれど、でも、『そこそこ賢い』という程度で表現できるほど、あの超常の次元は低くないんだぁ」
(……わからねぇ。こいつのことが、ここまで理解できないのは初めてだ……)
これまでだって、ヤマトを完全に理解できたことなど一度もない。
しかし、同時に、ここまでの『完全なる不理解』に至ったことだって、
これまでは、一度もなかった。
「……けど、となれば……」
そこで、ザコーは、覚悟を決めた。
すぐに自分を整えることが出来る。
それが、ザコーの強みの一つ。
『狂気集団の頭を張っている』という経歴は伊達じゃない。
「私は、神様に遭ったんだよ。すごかったよぉ。ランク2000とか、3000とかの魔法をバンバン使ってきてねぇ。存在値にいたっては『170兆』もあったんだ。すごいよねぇ、神様って。で、私は、そんな神様に仕事を依頼されちゃってねぇ。だから、さすがに、これまでのように、気高く自由なままってわけにはいられないんだよねぇ」
「……」
ザコーの眉間のシワがどんどん濃くなっていく。
(これは……ギャグを言っている顔じゃねぇ……いつものような『意味のない妄言』を垂れているんじゃねぇ……)
ヤマトは間違いなく『イカれている』が、
しかし、『ザコーが真摯な対応をしたとき』に、
『ナメた嘘で返す』ほど空気が読めないわけではない。
むしろ、その逆で『どうでもいいとき』は『誰よりも壊れている』が、
『大事な場面』では『誰よりもマジメだったりする』のがヤマトという人間。
それを知っているからこそ、
余計に、ザコーは混乱する。
(おい、マジか、こいつ……まさか、薬でもやってんのか?)
ヤマトが壊れているのは知っているが、
『そっち系』の壊れ方をする人間ではないと思っていた。
――『思っていた』というか、事実そうで、
ヤマトは、薬物に溺れるような『吐くほどダサい壊れ方』はしない。
その『尋常ならざるみっともなさ』は、
彼女の内で燃える『鋼のプライド』が絶対に許さない。
だが、現状、
(いや、ヤマトのことだから、さすがに、薬はやっていないと思うが……しかし、ならば、この歪んだ壊れ方はどういうことだ……)
ヤマトは間違いなく完全にイカれているし、
シュールレアリズム&アバンギャルドが過ぎる『ワケわからんところ』が多いものの、
いつだって、クールで、知的で、シニカルで、
そして、惚れ惚れするほどアーティスティックなリアリストだった。
「……ヤマト……」
ザコーは、本気の心配そうな顔で、
「何があった? 何をされた? それは、SOSのサインか? それとも、何か別のシグナルか?」
慎重に言葉を選びながら、
「お前を完全に理解してやれないことを、心の底から歯がゆく思う。だが、他者の完全理解なんざ、どこまで言っても不可能な領域。だから……悪いが、もう少し噛み砕いて『お前のシグナル』を発してくれ。……俺はお前にどうすればいい?」
とことん真摯な態度でそう言うザコーに、
ヤマトは、
「ごめんね、ザコーくん。私が見たモノは、きっと、どれだけの言葉を使っても伝えることは出来ない。私は、自分のことを『そこそこ賢い』と思っているのだけれど、でも、『そこそこ賢い』という程度で表現できるほど、あの超常の次元は低くないんだぁ」
(……わからねぇ。こいつのことが、ここまで理解できないのは初めてだ……)
これまでだって、ヤマトを完全に理解できたことなど一度もない。
しかし、同時に、ここまでの『完全なる不理解』に至ったことだって、
これまでは、一度もなかった。
「……けど、となれば……」
そこで、ザコーは、覚悟を決めた。
すぐに自分を整えることが出来る。
それが、ザコーの強みの一つ。
『狂気集団の頭を張っている』という経歴は伊達じゃない。
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