センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
話し合いの時間。
話し合いの時間。
「あぁ……ここ数時間の記憶がない! 綺麗さっぱり消えてしまった! ここは誰?! 俺はどこ?! ザコーさん、俺は、あなたと何かをしゃべっていましたか? あー、記憶がない。なにも覚えていなーい。だから、口封じに殺される理由はなにもなーい!」
まっすぐの、純粋な目を向けるボーレ。
くりくりとした瞳で、『何も聞いていないアピール』をかますボーレを見て、
『ちょっと面白い』と思ったザコーは、
「全宮ロコの暗殺依頼を出したのは全宮家次期当主の全宮アギト――」
ためしに続けようとしたが、
「頭が! 割れそうに痛い!」
ボーレは、声のボリュームをさらに増して、狂ったように頭を振り回す。
「あぁ……ここ数時間の記憶がない! 綺麗さっぱり消えてしまった! ここは誰?! 俺はどこ?! ザコーさん、俺は、あなたと何かをしゃべっていましたか?!」
「無限ループか……こわいな」
くくっと、少しだけ、おかしそうに笑ってから、
「安心しろよ。俺はお前に何もしゃべっちゃいないさ」
「ですよねぇ」
そう言って、コホンとセキをしてから、
「おしゃべりはこの辺で終わりにしましょうか。それでは、どうぞ、お通りください。あなたは、もちろん合格でございます。――念をおさせていただきますが、俺はあなたから何も聞いておりません。だから安心安全。口封じなどする必要はなし。それをお忘れなく」
「心配するな。俺は『間違いなくイカれている』が、お前みたいなカスを殺して喜ぶほど『みっともなくイカれている』わけじゃねぇ。あの『変態野郎(ヤマト)』ほどじゃないが、俺にもプライドみたいなものはある。ちっぽけで、薄汚れちゃいるが『絶対になくさないと決めたもの』……だから、俺はいつだってクールであり続ける。ここでお前を殺すような無様は、死んでもさらさねぇ」
「非常に助かります」
そう言って深々と頭を下げている間に、
ザコーは、ボーレの横を通り抜けて、
さっさと、6階へと降りていった。
ザコーの足音が聞こえなくなったタイミングで、
ボーレは、
「ふぅ」
と、天を仰いで、ため息をついてから、
「……もし、あの女とザコーの両方が、Sクラスに在籍するようになったら……俺、この学校、やめよう……」
ボソっとそうつぶやいた。
★
それからさらに3時間が経過したところで、
ゲンたち一行は、ついに、ゴール目前である9階層にたどり着いた。
「だいぶ時間がかかったわね」
ロコが額の汗をぬぐいながら、ボソっとそう言うと、
いまだ汗一つかいていないヤマトが、
「この難易度だと、私たち以外が合格するのは無理そうだねぇ」
とつぶやいた直後、
後方から、声が響いた。
「考える時間は十分に与えた」
これまでは、ずっと、一定の距離をとっていたザコーが、
ゆっくりと近づいてきて、
「というわけで……さあ、そろそろ話し合いの時間と行こうか、ヤマト」
そう言いながら、適切な対話ができる距離を築くと、
「お前の答えを聞く前に、俺の『意見』と『譲歩』を並べておこうか。ここにたどり着くまで、俺も、いろいろと考えた。『考える時間が十分にあった』のはそっちだけじゃねぇ。時間だけは誰にだって平等だ。『そうじゃねぇって噂』もあるらしいが、知ったこっちゃねぇ」
そう前を置いてから、
「ぶっちゃけ、ロコの事は心底マジでどうでもいい。そのガキが生きようが死のうが知ったことじゃないし、アギトの要請を完遂できるかどうかも、本音の部分じゃ、どうでもいい」
「あぁ……ここ数時間の記憶がない! 綺麗さっぱり消えてしまった! ここは誰?! 俺はどこ?! ザコーさん、俺は、あなたと何かをしゃべっていましたか? あー、記憶がない。なにも覚えていなーい。だから、口封じに殺される理由はなにもなーい!」
まっすぐの、純粋な目を向けるボーレ。
くりくりとした瞳で、『何も聞いていないアピール』をかますボーレを見て、
『ちょっと面白い』と思ったザコーは、
「全宮ロコの暗殺依頼を出したのは全宮家次期当主の全宮アギト――」
ためしに続けようとしたが、
「頭が! 割れそうに痛い!」
ボーレは、声のボリュームをさらに増して、狂ったように頭を振り回す。
「あぁ……ここ数時間の記憶がない! 綺麗さっぱり消えてしまった! ここは誰?! 俺はどこ?! ザコーさん、俺は、あなたと何かをしゃべっていましたか?!」
「無限ループか……こわいな」
くくっと、少しだけ、おかしそうに笑ってから、
「安心しろよ。俺はお前に何もしゃべっちゃいないさ」
「ですよねぇ」
そう言って、コホンとセキをしてから、
「おしゃべりはこの辺で終わりにしましょうか。それでは、どうぞ、お通りください。あなたは、もちろん合格でございます。――念をおさせていただきますが、俺はあなたから何も聞いておりません。だから安心安全。口封じなどする必要はなし。それをお忘れなく」
「心配するな。俺は『間違いなくイカれている』が、お前みたいなカスを殺して喜ぶほど『みっともなくイカれている』わけじゃねぇ。あの『変態野郎(ヤマト)』ほどじゃないが、俺にもプライドみたいなものはある。ちっぽけで、薄汚れちゃいるが『絶対になくさないと決めたもの』……だから、俺はいつだってクールであり続ける。ここでお前を殺すような無様は、死んでもさらさねぇ」
「非常に助かります」
そう言って深々と頭を下げている間に、
ザコーは、ボーレの横を通り抜けて、
さっさと、6階へと降りていった。
ザコーの足音が聞こえなくなったタイミングで、
ボーレは、
「ふぅ」
と、天を仰いで、ため息をついてから、
「……もし、あの女とザコーの両方が、Sクラスに在籍するようになったら……俺、この学校、やめよう……」
ボソっとそうつぶやいた。
★
それからさらに3時間が経過したところで、
ゲンたち一行は、ついに、ゴール目前である9階層にたどり着いた。
「だいぶ時間がかかったわね」
ロコが額の汗をぬぐいながら、ボソっとそう言うと、
いまだ汗一つかいていないヤマトが、
「この難易度だと、私たち以外が合格するのは無理そうだねぇ」
とつぶやいた直後、
後方から、声が響いた。
「考える時間は十分に与えた」
これまでは、ずっと、一定の距離をとっていたザコーが、
ゆっくりと近づいてきて、
「というわけで……さあ、そろそろ話し合いの時間と行こうか、ヤマト」
そう言いながら、適切な対話ができる距離を築くと、
「お前の答えを聞く前に、俺の『意見』と『譲歩』を並べておこうか。ここにたどり着くまで、俺も、いろいろと考えた。『考える時間が十分にあった』のはそっちだけじゃねぇ。時間だけは誰にだって平等だ。『そうじゃねぇって噂』もあるらしいが、知ったこっちゃねぇ」
そう前を置いてから、
「ぶっちゃけ、ロコの事は心底マジでどうでもいい。そのガキが生きようが死のうが知ったことじゃないし、アギトの要請を完遂できるかどうかも、本音の部分じゃ、どうでもいい」
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