センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
16話 私、耳が遠くてさぁ……
16話 私、耳が遠くてさぁ……
「ゴチャゴチャやかましい! しったことか、お前の将来なんか! 俺にとっては『今』が全てなんだよ! 『目先のことしか興味ねぇ』――それをポリシーとして人生やらせてもらってんだよ!」
ボーレは、ピシャリと言い捨ててから、
心底鬱陶しそうに、小指で耳をほじりながら、
「お前はもう終わったんだ。さあ、さあ、みじめで無様な不合格者が、いつまで、この場にいるつもりだ。さっさと帰れ、このハナクソがぁ!」
などと、ゲンを粗雑にあしらうボーレ。
と、そこで、
音もなくボーレの背後にまわったヤマトが、
ボーレの首にナイフをあてて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回、言ってくれなぁい?」
と、底冷えする声で言った。
粘滞(ねんたい)性の殺意。
重濁(じゅうだく)性の悪意。
ネットリと、ベットリとした、湿度の高い害意。
そんな、絡みつくような狂気を向けられたボーレは、
一瞬で全身に冷や汗をかく。
ダラダラと冷たい汗を流しながら、
一ミリたりとも体を動かすことなく、
「す、全宮学園内での狼藉は……ルル様の……逆鱗に触れますよ、世界一美しいお嬢さん」
牽制の言葉を投げかけつつ、ゴマをすりながら、
どうにか矛をおさめさせようとするボーレ。
だが、ヤマトは、ニィっと黒い笑みを強めて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回、言ってくれなぁい?」
まったく同じセリフを、まったく同じトーンで口にするという狂気を見せつけてから、続けて、
「……ちなみに、私、同じセリフを3回口にすると、自動的かつ強制的にデストロイモードへと移行するっていう次世代システムが搭載されているから、対応には気をつけてねぇ」
そう言いながら、ボーレの顔を覗き込む。
ボーレは、そこで、ヤマトの目をジっと見つめた。
形状だけは非常に美しい瞳だが、
しかし、そこには『常人の理解を拒んでいる狂気』が散乱していた。
「……」
ボーレは、まあまあのクズだが、
しかし、愚者ではないので、一瞬で理解した。
――この女はヤバい。
頭がぶっちぎれている。
理由なく人を殺してまわるようなマネはしないだろうが、
理由さえあれば、ためらわずにとことんやるだろう。
これまでの人生で、それなりの数の『イカれている人間』を見てきたが、
『この女』は、その中でも最凶最悪。
生まれながらに『常識というステージ』を卒業してしまっている、ワンランク上の華麗なるキ〇ガイ。
根源的恐怖に襲われ、つい、無様に震えてしまうボーレ。
そんなボーレに、ヤマトは続けて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回――」
と、3回目となる『同じセリフ』を言い切ろうとしたその直前、
ボーレが、あわてて、
「マイナス点は色々つきましたがぁぁああああ! 『絶世美女の下男ポイント』が8億点つきますので、合格でございまぁぁぁぁああああああああす!!」
「ゴチャゴチャやかましい! しったことか、お前の将来なんか! 俺にとっては『今』が全てなんだよ! 『目先のことしか興味ねぇ』――それをポリシーとして人生やらせてもらってんだよ!」
ボーレは、ピシャリと言い捨ててから、
心底鬱陶しそうに、小指で耳をほじりながら、
「お前はもう終わったんだ。さあ、さあ、みじめで無様な不合格者が、いつまで、この場にいるつもりだ。さっさと帰れ、このハナクソがぁ!」
などと、ゲンを粗雑にあしらうボーレ。
と、そこで、
音もなくボーレの背後にまわったヤマトが、
ボーレの首にナイフをあてて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回、言ってくれなぁい?」
と、底冷えする声で言った。
粘滞(ねんたい)性の殺意。
重濁(じゅうだく)性の悪意。
ネットリと、ベットリとした、湿度の高い害意。
そんな、絡みつくような狂気を向けられたボーレは、
一瞬で全身に冷や汗をかく。
ダラダラと冷たい汗を流しながら、
一ミリたりとも体を動かすことなく、
「す、全宮学園内での狼藉は……ルル様の……逆鱗に触れますよ、世界一美しいお嬢さん」
牽制の言葉を投げかけつつ、ゴマをすりながら、
どうにか矛をおさめさせようとするボーレ。
だが、ヤマトは、ニィっと黒い笑みを強めて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回、言ってくれなぁい?」
まったく同じセリフを、まったく同じトーンで口にするという狂気を見せつけてから、続けて、
「……ちなみに、私、同じセリフを3回口にすると、自動的かつ強制的にデストロイモードへと移行するっていう次世代システムが搭載されているから、対応には気をつけてねぇ」
そう言いながら、ボーレの顔を覗き込む。
ボーレは、そこで、ヤマトの目をジっと見つめた。
形状だけは非常に美しい瞳だが、
しかし、そこには『常人の理解を拒んでいる狂気』が散乱していた。
「……」
ボーレは、まあまあのクズだが、
しかし、愚者ではないので、一瞬で理解した。
――この女はヤバい。
頭がぶっちぎれている。
理由なく人を殺してまわるようなマネはしないだろうが、
理由さえあれば、ためらわずにとことんやるだろう。
これまでの人生で、それなりの数の『イカれている人間』を見てきたが、
『この女』は、その中でも最凶最悪。
生まれながらに『常識というステージ』を卒業してしまっている、ワンランク上の華麗なるキ〇ガイ。
根源的恐怖に襲われ、つい、無様に震えてしまうボーレ。
そんなボーレに、ヤマトは続けて、
「ごめんねぇ、私、耳が遠くてさぁ……悪いんだけど、採点が聞こえなかったから、もう一回――」
と、3回目となる『同じセリフ』を言い切ろうとしたその直前、
ボーレが、あわてて、
「マイナス点は色々つきましたがぁぁああああ! 『絶世美女の下男ポイント』が8億点つきますので、合格でございまぁぁぁぁああああああああす!!」
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