センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
98話 どこに逃げる?
98話 どこに逃げる?
ソウルさんは、ニィと笑って、
「……さあ、おしゃべりの続きだ。……哲学の話でもしようか……」
気力を振り絞り、
「ヤマト……お前は死について、どう思う?」
時間がかかる討論テーマを掲げた。
その態度を受けて、
「ひじょぉぉに、素晴らしいぃ。あなたは理想的な護衛ですねぇ。もし、今後、私に大事なものが出来て、その護衛を任せるとしたら『その適役はあなたしかいない』と思えるほどですねぇ。私に大事なものが出来るとは思えませんけど、仮に、出来た場合は、ぜひ、あなた護衛を依頼したい。本気でそう思う。だからこそ……」
そう言って、ヤマトは、足に力を込めた。
かなり強引に、強力な力で、
ソウルさんの腕を振り払い、
「拷問のようなマネはしたくなぁい。そういうのは趣味じゃなぁい。弱さをこねくり回すのは、吐き気がするほどに――醜い。でぇすぅのぉで……」
そこで、ヤマトは、ソウルさんの目の前に腰を落として、
「吸気ランク5」
相手のオーラを徐々に吸い取る魔法を使いながら、
「おつきあいしますよぉ。あなたが気絶するまでの間だけねぇ」
すでに気力がつきかけていて、
ギリギリのところで踏ん張っている。
そんな中、
徐々に気力がそがれていくという絶望。
痛みなどはない。
あえてたとえるなら『徹夜明けで死ぬほど眠気を我慢している時に催眠術をかけられている』かのような感覚。
そんな中で、ソウルさんは、
「ありがたいね」
気力を振り絞りつつ、そうつぶやいてから、
「では、ヤマト……まず、死について……お前が思っていることを聞かせてもらおうか」
「そうですねぇ……私にとって死とは――」
★
ヤマトから逃げ切るべく、山道をひた進むロコとゲン。
途中、モンスターに襲われたりもしたが、
ロコが瞬殺してくれるので、
消耗はまったくしていない。
両者とも五歳と幼いが、
どちらも、根性がイカついため、
泣き言一つ言わず、
当たり前のように、黙々と、逃亡に没頭している。
逃亡開始から30分ほど経過したところで、
ゲンが、
「一応、俺はあなたの剣になるつもりなので、あなたが望む場所には、どこまでもついていく所存……ですが、一応『現時点の目的地的なもの』を教えておいてもらえると、モチベーション的に色々とありがたいんですが」
ようするに『逃げるのはいいが、どこに逃げるのか』という問い。
その問いに、ロコがたんたんと答える。
「アギトが、あたしを本気で終わらせる気になってしまった以上、こちらもハンパは許されない。徹底的に抗戦するための土台作りがいる」
「道理ですなぁ。で、手段は?」
「まずは、叔母の庇護下に入る。全宮学園の理事長『全宮ルル』。家族会議の時、私のトイメンに、青いドレスのぽっちゃり系オバサンが座っていたでしょう。あれが全宮ルル」
「いたような気もしますが、あまり覚えていませんね。全宮アギトと、全宮テラの印象が強すぎて」
そうつぶやいてから、
「そのルル様とやらは、ロコ様の仲間になってくれるんですか?」
「仲間になどならないわ。あの人は誰の味方もしない。情では絶対に動かない。慈悲などカケラも持ち合わせていない。あの人は、優秀な人材に対して『病的なほど平等』に門戸を開く。その信念にのみ命をかける奇人」
ソウルさんは、ニィと笑って、
「……さあ、おしゃべりの続きだ。……哲学の話でもしようか……」
気力を振り絞り、
「ヤマト……お前は死について、どう思う?」
時間がかかる討論テーマを掲げた。
その態度を受けて、
「ひじょぉぉに、素晴らしいぃ。あなたは理想的な護衛ですねぇ。もし、今後、私に大事なものが出来て、その護衛を任せるとしたら『その適役はあなたしかいない』と思えるほどですねぇ。私に大事なものが出来るとは思えませんけど、仮に、出来た場合は、ぜひ、あなた護衛を依頼したい。本気でそう思う。だからこそ……」
そう言って、ヤマトは、足に力を込めた。
かなり強引に、強力な力で、
ソウルさんの腕を振り払い、
「拷問のようなマネはしたくなぁい。そういうのは趣味じゃなぁい。弱さをこねくり回すのは、吐き気がするほどに――醜い。でぇすぅのぉで……」
そこで、ヤマトは、ソウルさんの目の前に腰を落として、
「吸気ランク5」
相手のオーラを徐々に吸い取る魔法を使いながら、
「おつきあいしますよぉ。あなたが気絶するまでの間だけねぇ」
すでに気力がつきかけていて、
ギリギリのところで踏ん張っている。
そんな中、
徐々に気力がそがれていくという絶望。
痛みなどはない。
あえてたとえるなら『徹夜明けで死ぬほど眠気を我慢している時に催眠術をかけられている』かのような感覚。
そんな中で、ソウルさんは、
「ありがたいね」
気力を振り絞りつつ、そうつぶやいてから、
「では、ヤマト……まず、死について……お前が思っていることを聞かせてもらおうか」
「そうですねぇ……私にとって死とは――」
★
ヤマトから逃げ切るべく、山道をひた進むロコとゲン。
途中、モンスターに襲われたりもしたが、
ロコが瞬殺してくれるので、
消耗はまったくしていない。
両者とも五歳と幼いが、
どちらも、根性がイカついため、
泣き言一つ言わず、
当たり前のように、黙々と、逃亡に没頭している。
逃亡開始から30分ほど経過したところで、
ゲンが、
「一応、俺はあなたの剣になるつもりなので、あなたが望む場所には、どこまでもついていく所存……ですが、一応『現時点の目的地的なもの』を教えておいてもらえると、モチベーション的に色々とありがたいんですが」
ようするに『逃げるのはいいが、どこに逃げるのか』という問い。
その問いに、ロコがたんたんと答える。
「アギトが、あたしを本気で終わらせる気になってしまった以上、こちらもハンパは許されない。徹底的に抗戦するための土台作りがいる」
「道理ですなぁ。で、手段は?」
「まずは、叔母の庇護下に入る。全宮学園の理事長『全宮ルル』。家族会議の時、私のトイメンに、青いドレスのぽっちゃり系オバサンが座っていたでしょう。あれが全宮ルル」
「いたような気もしますが、あまり覚えていませんね。全宮アギトと、全宮テラの印象が強すぎて」
そうつぶやいてから、
「そのルル様とやらは、ロコ様の仲間になってくれるんですか?」
「仲間になどならないわ。あの人は誰の味方もしない。情では絶対に動かない。慈悲などカケラも持ち合わせていない。あの人は、優秀な人材に対して『病的なほど平等』に門戸を開く。その信念にのみ命をかける奇人」
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