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96話 ミナゴロシ。

 96話 ミナゴロシ。

「私はただの偏屈な美食家。私の舌に合わないからといって不味い料理というわけではなぁい。あなたたちは非常に上質ですよぉ」

 ヤマトは、言いながら、トンと地面を蹴った。
 その直後、

「「うぐっ……」」

 ヒジカとオキが、同時に、バタリと倒れる。

「この二人は……まだ鍛錬が足りていないものの、しかし、才能は素晴らしいぃ。剣の資質だけで見るなら、私に匹敵する器……あ、いや、それは言い過ぎですかねぇ。私の天才ぶりはハンパではないですからねぇ」

 そこで、ソウルさんに視線を向けて、

「あなたも……胆力は素晴らしいぃ。ちゃんと、腹の底で感じますよぉ。あなたの圧力。重たくて、強くて、暖かい……」

「……うれしい評価だな」

 そう言って、ソウルさんはアイテムボックスから剣を取り出す。

 禍々しいオーラが出ている長刀。

「おっとぉ……その刀……なかなかいい味が出ていますねぇ。妖刀系ですかぁ?」

「ああ。ミナゴロシという名の妖刀。軽く呪われていて、全力で使ってしまうと、味方も敵に思えてくるという厄介な性質がある……だから、敵との完全タイマンでしか使えない、面倒な刀」

 言いながら、
 ソウルさんは、ミナゴロシを上段で構える。


 ちなみに、ミナゴロシのスペックがこちら↓

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 『ミナゴロシ』

 《アイテムクオリティ》 【17】
 《コアマテリアルランク》【32】
 《シンクロ率》     【2%】
 《装備者への愛》    【3】

 [HP]        【+0】
 [MP]        【+0】

 「攻撃力」       【+150】
 「魔法攻撃力」     【+0】
 「防御力」       【+0】
 「魔法防御力」     【+0】
 「敏捷性」       【-5】
 「耐性値」       【+19】


 付与『切れ味上昇(大)』
   『クリティカルヒット率上昇(大)』
   『クリティカルダメージ上昇(大)』
   『常時、特殊混乱(大)』

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 ついでに、普段使っている剣がこちら↓


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 『全宮五式』

 《アイテムクオリティ》 【12】
 《コアマテリアルランク》【19】
 《シンクロ率》     【52%】
 《装備者への愛》    【72】

 [HP]        【+0】
 [MP]        【+0】

 「攻撃力」       【+20】
 「魔法攻撃力」     【+0】
 「防御力」       【+0】
 「魔法防御力」     【+0】
 「敏捷性」       【-10】
 「耐性値」       【+7】


 付与『特になし』

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「せめて一太刀だけでも……できれば、足を削りたい……理想は……相討ち……死ぬ気で、お前を止める……」

「非常に上質な殺気ですねぇ」

 そう評すると、
 ヤマトは、ゆらりと武を構えて、

「殺してもいいかなぁと思えるレベルですけどねぇ……でも、まあ、標的以外は殺さないと決めてしまっているので、殺せないですねぇ……」

 残念そうにつぶやいてから、

「この昂(たかぶ)りは、全宮ロコに全て受け止めてもらうことにしますぅ。えへっ」

 ニカっと笑ってそう言った。

「やらせんよ……ロコ様も、息子も……」

「ご安心を。あなたの息子に興味はありませんよぉ」

「……おいこら、ウチの息子をナメるなよ。あの子は私以上の資質の持ち主だ」

「えぇ……どっちなんですかぁ? 殺されたくないんですかぁ? それとも、殺してもらいたいんですかぁ?」

「殺されたくないに決まっているだろう。だが、ナメられたくもない」

「ワガママな人ですねぇ」

「かわいいさかりの一児の親だからな、ワガママになるのも仕方ないさ」

 そう言うと、
 ソウルさんは、

「剣気ランク10!!」

 自身を可能な限り強化してから、
 足にグンと力を込めた。

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