センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
94話 3対1。
94話 3対1。
ヘラヘラと、歪んだことばかりを口にするヤマトに対し、
ソウルさんはもちろん、ヒジカやオキも、苦虫をかみつぶした顔をしている。
「全面的に気色の悪いガキだ……吐き気がとまらねぇぜ」
「同感ですね。しかし、強い。おそろしいほどに。この年で、私たちを遥かに超えているとは……」
ヒジカとオキは、冷や汗を流しながらも剣をギュっと握りしめる。
と、そこで、ソウルさんは『やれやれ』といった感じの困惑顔で首を横に振ってから、
軽い深呼吸をはさんで、
「……お前の噂はたまに聞くよ、ゴキのヤマト。最強クラスの戦力がそろっているゴキの中でも、戦闘能力はトップクラス。人格さえまともであれば、間違いなく、クリムゾン・スターズの主力になれたと噂されている稀代の天才少年」
「ええ、実際にスカウトされたことがありますよぉ。別に入ってもよかったんですがぁ……報酬交渉の段階で丁重に断られましてねぇ。『そっちからスカウトしておいて、断るとはどういうことだ』と憤慨しましたよぉ」
「ちなみに、お前が望んだ報酬とはなんだ?」
「完全院の血族を、たまに殺させてほしいなぁ……という、可愛いお願いですよぉ。この程度の他愛もない願いすら叶えられない完全院の狭量ぶりには呆れかえりましたよ、本当にぃ」
「……」
一瞬『何か言いたげな顔』をしたソウルさんだが、
けっきょくのところ、言葉にすることなく押し黙った。
こんな狂人に言葉を投げかけても意味はないという高次理解。
と、そこで、ヤマトがニカっと強く微笑み、
「さて、時間稼ぎはそろそろ終わりにしましょうかぁ。そういうのに『わざわざ付き合ってあげる』のもポリシーの一つなのですが、あまり時間をかけすぎるのはポリシーに反するのでぇ。ふふ、難しい男なんですよ、私という気分屋さんはぁ」
「そのようだな」
そう言いながら剣を構えるソウルさん。
最初からずっと臨戦態勢だったヒジカとオキ。
三名は、適切な距離を保ちながら、
魔力とオーラを充実させていき、
場の緊張感が高まり切った時、
「魔斬ランク10!!」
ソウルさんの攻撃を皮切りに、
ヒジカとオキも、ヤマトに襲い掛かる。
死角を埋め尽くす囲み。
洗練された陣形。
優れた技能と、優れた戦略。
俯瞰の視点と、ミクロの観察力。
すさまじく高いレベルの挟撃を受けて、
わずかな逃げ場すらないヤマト。
――けれど、
「いいですねぇ、とっても輝いていますねぇ」
ヤマトは、三人の猛攻をヒラリとかわし、
「剣の『感じ』がいいですねぇ。あなたたちの剣には『深み』がある。『丁寧さ』と言えばいいのでしょうかぁ」
うんうんと頷きつつ、
「いいですよねぇ、こういう時間……上質な喫茶店で過ごす時間に似ているような気がしますぅ。私は、こういう時間が大好きでねぇ」
「……だったら、喫茶店にいってくれ。いい店をいくつか紹介してやるから」
「いえいえ、先ほどの私の発言は、あくまでも、評論的比喩であって、実際のところ、私は、喫茶店を楽しめるような繊細な機微は持ち合わせておりませぇん。嫌いではないのですけどねぇ。けれど、こう……なんといったらいいのでしょう。こうして命をむき出しにしている時間と比べると……ぬるい……という言い方も少しおかしいのでしょうけど……なんか違うんですよねぇ……ふふふ」
ヘラヘラと、歪んだことばかりを口にするヤマトに対し、
ソウルさんはもちろん、ヒジカやオキも、苦虫をかみつぶした顔をしている。
「全面的に気色の悪いガキだ……吐き気がとまらねぇぜ」
「同感ですね。しかし、強い。おそろしいほどに。この年で、私たちを遥かに超えているとは……」
ヒジカとオキは、冷や汗を流しながらも剣をギュっと握りしめる。
と、そこで、ソウルさんは『やれやれ』といった感じの困惑顔で首を横に振ってから、
軽い深呼吸をはさんで、
「……お前の噂はたまに聞くよ、ゴキのヤマト。最強クラスの戦力がそろっているゴキの中でも、戦闘能力はトップクラス。人格さえまともであれば、間違いなく、クリムゾン・スターズの主力になれたと噂されている稀代の天才少年」
「ええ、実際にスカウトされたことがありますよぉ。別に入ってもよかったんですがぁ……報酬交渉の段階で丁重に断られましてねぇ。『そっちからスカウトしておいて、断るとはどういうことだ』と憤慨しましたよぉ」
「ちなみに、お前が望んだ報酬とはなんだ?」
「完全院の血族を、たまに殺させてほしいなぁ……という、可愛いお願いですよぉ。この程度の他愛もない願いすら叶えられない完全院の狭量ぶりには呆れかえりましたよ、本当にぃ」
「……」
一瞬『何か言いたげな顔』をしたソウルさんだが、
けっきょくのところ、言葉にすることなく押し黙った。
こんな狂人に言葉を投げかけても意味はないという高次理解。
と、そこで、ヤマトがニカっと強く微笑み、
「さて、時間稼ぎはそろそろ終わりにしましょうかぁ。そういうのに『わざわざ付き合ってあげる』のもポリシーの一つなのですが、あまり時間をかけすぎるのはポリシーに反するのでぇ。ふふ、難しい男なんですよ、私という気分屋さんはぁ」
「そのようだな」
そう言いながら剣を構えるソウルさん。
最初からずっと臨戦態勢だったヒジカとオキ。
三名は、適切な距離を保ちながら、
魔力とオーラを充実させていき、
場の緊張感が高まり切った時、
「魔斬ランク10!!」
ソウルさんの攻撃を皮切りに、
ヒジカとオキも、ヤマトに襲い掛かる。
死角を埋め尽くす囲み。
洗練された陣形。
優れた技能と、優れた戦略。
俯瞰の視点と、ミクロの観察力。
すさまじく高いレベルの挟撃を受けて、
わずかな逃げ場すらないヤマト。
――けれど、
「いいですねぇ、とっても輝いていますねぇ」
ヤマトは、三人の猛攻をヒラリとかわし、
「剣の『感じ』がいいですねぇ。あなたたちの剣には『深み』がある。『丁寧さ』と言えばいいのでしょうかぁ」
うんうんと頷きつつ、
「いいですよねぇ、こういう時間……上質な喫茶店で過ごす時間に似ているような気がしますぅ。私は、こういう時間が大好きでねぇ」
「……だったら、喫茶店にいってくれ。いい店をいくつか紹介してやるから」
「いえいえ、先ほどの私の発言は、あくまでも、評論的比喩であって、実際のところ、私は、喫茶店を楽しめるような繊細な機微は持ち合わせておりませぇん。嫌いではないのですけどねぇ。けれど、こう……なんといったらいいのでしょう。こうして命をむき出しにしている時間と比べると……ぬるい……という言い方も少しおかしいのでしょうけど……なんか違うんですよねぇ……ふふふ」
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