センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
89話 ロコ! 私のいう事が聞けんのか!
89話 ロコ! 私のいう事が聞けんのか!
(クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害……)
アギトでは、何をしてもテラには勝てない。
テラが『前』に立ってしまった以上、
もはや、アギトに打つ手はない。
もはや、現状、アギトに、
ロコとゲンを殺せる手段は残っていない。
――だから、
「もうしわけ……ありません」
こころの中で何を思っていようと、しかし、深く頭を下げる。
怒りに震えながら、それでも、当主に対して敬意を示す。
親には逆らえない。
名家の跡取りという呪縛。
――そこで、テラは、ロコの方に視線を向けて、
「お遊びはここまでだ。ロコ、さがりなさい」
親として、当主として、当たり前のように、
この場をおさめようとした。
当然のムーブ。
というより、ここまで静観しすぎだった。
だが、それゆえに、
ここでの手打ちは絶対。
威厳と威風をもって、ピシャリといさめ上げる。
テラの登場は、すなわち、
桜吹雪や紋所を見せつけたようなもの。
どれだけ場が荒れていようと、これにて、強制的に一件落着。
そう思われた。
誰もがそう思った。
しかし、ロコだけは、
常識にとらわれない。
ロコは常にロコの我を追求する。
「それはできませんわ、お父様」
「……なに?」
「まだ賭けは終わっておりません」
「ロコ……私のいう事が――」
『聞けないのか?』という言葉を発するよりもはやく、
ロコは矢継ぎ早に、
「こちらは勝負を挑まれた身。大金の損失というリスクを強制的にかけさせられ、あげくに、殺されかけた身でもあります。熱中すると周りが見えなくなるお兄様の悪い癖。もちろん、妹ですので、その性質は理解しておりますが、しかし、だからといって引けるような状況ではありません。ここまで発展した事案を『お遊び』ですまされたらたまったものではありません」
テラは、数秒だけ思案した。
その数秒の間に色々と考えた。
そのハイスペックな頭をフルにまわして、
本当に、色々、諸々……
その結果、
「……で? だから、なんだ? 何が言いたい?」
テラは底冷えする声でそう言った。
「賭けはあたしの勝ち……そう認めてくださるまで、下がりませんと言っているのです」
「生意気が過ぎるな……本当に……」
そこで、テラは目を閉じて、
さらに数秒考えてから、
「……いいだろう。全宮アギトと全宮ロコの闘いは、全面的に、全宮ロコの勝利とする。アギト、ロコに対して、900億円をしはらえ。これは命令だ」
「あれ? お父様……お兄様から言い出した『2兆円と地位』の件はどうなりましたの?」
「アギトが言ったはずだ。それは、ゲン・フォースが折れた場合の話だと。ゲン・フォースは折れていない。私なら折ることが出来たが、根性なしのアギトでは不可能だった。それが現状だ」
当主としての矜持をハッキリと示しながら、
『あっさりと諦めた息子』を暗に叱りながら、
テラはそう言った。
と、そこで、テラは、
アギトに視線を送り、
「聞いているのか、アギト。黙っていないで、900億の支払い命令に対する返事をしなさい」
「……はい……わかりました。必ず」
奥歯をかみしめながらの返事。
その目に宿っているのは怒りではなく憎悪。
全宮アギトは覚悟した。
(殺してやる……いや、殺さなければならない……アレとロコはガンだ……全宮家を蝕むガン……どんな手を使ってでも、必ず抹殺してやる……)
(クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害クソ老害……)
アギトでは、何をしてもテラには勝てない。
テラが『前』に立ってしまった以上、
もはや、アギトに打つ手はない。
もはや、現状、アギトに、
ロコとゲンを殺せる手段は残っていない。
――だから、
「もうしわけ……ありません」
こころの中で何を思っていようと、しかし、深く頭を下げる。
怒りに震えながら、それでも、当主に対して敬意を示す。
親には逆らえない。
名家の跡取りという呪縛。
――そこで、テラは、ロコの方に視線を向けて、
「お遊びはここまでだ。ロコ、さがりなさい」
親として、当主として、当たり前のように、
この場をおさめようとした。
当然のムーブ。
というより、ここまで静観しすぎだった。
だが、それゆえに、
ここでの手打ちは絶対。
威厳と威風をもって、ピシャリといさめ上げる。
テラの登場は、すなわち、
桜吹雪や紋所を見せつけたようなもの。
どれだけ場が荒れていようと、これにて、強制的に一件落着。
そう思われた。
誰もがそう思った。
しかし、ロコだけは、
常識にとらわれない。
ロコは常にロコの我を追求する。
「それはできませんわ、お父様」
「……なに?」
「まだ賭けは終わっておりません」
「ロコ……私のいう事が――」
『聞けないのか?』という言葉を発するよりもはやく、
ロコは矢継ぎ早に、
「こちらは勝負を挑まれた身。大金の損失というリスクを強制的にかけさせられ、あげくに、殺されかけた身でもあります。熱中すると周りが見えなくなるお兄様の悪い癖。もちろん、妹ですので、その性質は理解しておりますが、しかし、だからといって引けるような状況ではありません。ここまで発展した事案を『お遊び』ですまされたらたまったものではありません」
テラは、数秒だけ思案した。
その数秒の間に色々と考えた。
そのハイスペックな頭をフルにまわして、
本当に、色々、諸々……
その結果、
「……で? だから、なんだ? 何が言いたい?」
テラは底冷えする声でそう言った。
「賭けはあたしの勝ち……そう認めてくださるまで、下がりませんと言っているのです」
「生意気が過ぎるな……本当に……」
そこで、テラは目を閉じて、
さらに数秒考えてから、
「……いいだろう。全宮アギトと全宮ロコの闘いは、全面的に、全宮ロコの勝利とする。アギト、ロコに対して、900億円をしはらえ。これは命令だ」
「あれ? お父様……お兄様から言い出した『2兆円と地位』の件はどうなりましたの?」
「アギトが言ったはずだ。それは、ゲン・フォースが折れた場合の話だと。ゲン・フォースは折れていない。私なら折ることが出来たが、根性なしのアギトでは不可能だった。それが現状だ」
当主としての矜持をハッキリと示しながら、
『あっさりと諦めた息子』を暗に叱りながら、
テラはそう言った。
と、そこで、テラは、
アギトに視線を送り、
「聞いているのか、アギト。黙っていないで、900億の支払い命令に対する返事をしなさい」
「……はい……わかりました。必ず」
奥歯をかみしめながらの返事。
その目に宿っているのは怒りではなく憎悪。
全宮アギトは覚悟した。
(殺してやる……いや、殺さなければならない……アレとロコはガンだ……全宮家を蝕むガン……どんな手を使ってでも、必ず抹殺してやる……)
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