センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
62話 ワガママの代償。
62話 ワガママの代償。
「ロコ、賭けをしよう。ワンポーカーだ。お前のエースと私のエース、どちらのカードの方が強いか」
そこで、パチンと指をならすアギト。
すると、
ゲンの目の前に、アギト直属の特殊部隊のリーダー『ダギー』が出現した。
ダギーは、自分の状況を理解すると、
軽くタメ息をつき、『鬱陶しいことに巻き込まれた』といった顔でポリポリと頭をかく。
ダギーは『善(い)い人間』ではないが、
しかし、『子供を甚振って喜ぶ変態』ではないので、
――『五歳のガキをドツキまわせ』という命令を受けて、
『ひゃっほい』とは当然ならない。
思うのは一つ。
『勘弁してくれよ』という嘆きだけ。
――と、そこで、ロコが、
「あたしのエースカードはソウル・フォースですわ、お兄様」
たんたんと切り返すが、
しかし、アギトは、
「未来のエースは、あのガキなのだろう?」
そこで、トーンを低くして、
「エース扱いは未来限定にしてくれ……なんて言うなよ、ロコ。『この場につれてくるのは現時点でもOK』だけど『実力をはかるのは未来しかNG』……それは流石に通らないぞ」
「……」
「ワガママや横暴には代償がつきまとう。その社会摂理を……兄として、妹であるお前に教えてやるよ」
「ワガママを口にしたつもりも、横暴にふるまったつもりもありませんが……仕方ありませんね。兄の理不尽に振り回されてあげるのも妹の務め。妹としての責務を立派に勤め上げてみせましょう」
あくまでも、被害者ヅラを崩さないロコに対し、
アギトはまた怒りの炎を燃やしたが、
先ほどとは違い、周囲に放出するようなマネはせず、
自分の中にグっと抑え込み、
「あのガキとダギーでは、差がありすぎて、まともにやっては、闘いにならない……そんな事は、もちろん、わかっている。だから、一つだけ譲歩してやる」
「さすが、お兄様。お優しい」
妹の慇懃無礼(いんぎんぶれい)に、イラっとしつつも、
アギトは、どうにか冷静に、
「あのガキに『ルールを決める権利』をくれてやる。ただし『そのルールを認めるか否かのジャッジ』は私が下す。ゆえに『ジャンケンで勝敗を決めよう』などといった運否天賦に身を任せることは出来ない。武を交わし合うのは前提。なぜなら、『護衛としての能力』で最も重要なのは武力だから。何か異存はあるか、ロコ」
「異存なら山ほどありますが……まあ、ここは引いておいてさしあげます。やれやれ」
『大人の対応をしている風のロコ』に対し、
アギトの怒りは膨れ上がり続けるばかり。
臨界点はとっくに超えて、
今は、むしろ、自分の中に『ある種の冷たさ』まで感じているアギト。
ゆえに、アギトは、一度、トーンを落として、
「……お前は…………何がそんなに不満なんだ……」
本気で『意味が分からない』という顔で、
「全宮家にとって益になることは何一つせず、喜々として『家族に対するいやがらせ』を行い続けるお前に……それでも、私は、自分の領地と部隊を分け与えた」
――それが家族のルールだから。
――テラからも言われているから。
ロコに領土を与えた理由の大半は、その二つだが、
しかし、最終的に、
『自分の領土と部隊をロコに分け与える』という決断をしたのはアギト自身。
それは間違いない。
「なのに……なぜ……なにがそんなに……」
「ロコ、賭けをしよう。ワンポーカーだ。お前のエースと私のエース、どちらのカードの方が強いか」
そこで、パチンと指をならすアギト。
すると、
ゲンの目の前に、アギト直属の特殊部隊のリーダー『ダギー』が出現した。
ダギーは、自分の状況を理解すると、
軽くタメ息をつき、『鬱陶しいことに巻き込まれた』といった顔でポリポリと頭をかく。
ダギーは『善(い)い人間』ではないが、
しかし、『子供を甚振って喜ぶ変態』ではないので、
――『五歳のガキをドツキまわせ』という命令を受けて、
『ひゃっほい』とは当然ならない。
思うのは一つ。
『勘弁してくれよ』という嘆きだけ。
――と、そこで、ロコが、
「あたしのエースカードはソウル・フォースですわ、お兄様」
たんたんと切り返すが、
しかし、アギトは、
「未来のエースは、あのガキなのだろう?」
そこで、トーンを低くして、
「エース扱いは未来限定にしてくれ……なんて言うなよ、ロコ。『この場につれてくるのは現時点でもOK』だけど『実力をはかるのは未来しかNG』……それは流石に通らないぞ」
「……」
「ワガママや横暴には代償がつきまとう。その社会摂理を……兄として、妹であるお前に教えてやるよ」
「ワガママを口にしたつもりも、横暴にふるまったつもりもありませんが……仕方ありませんね。兄の理不尽に振り回されてあげるのも妹の務め。妹としての責務を立派に勤め上げてみせましょう」
あくまでも、被害者ヅラを崩さないロコに対し、
アギトはまた怒りの炎を燃やしたが、
先ほどとは違い、周囲に放出するようなマネはせず、
自分の中にグっと抑え込み、
「あのガキとダギーでは、差がありすぎて、まともにやっては、闘いにならない……そんな事は、もちろん、わかっている。だから、一つだけ譲歩してやる」
「さすが、お兄様。お優しい」
妹の慇懃無礼(いんぎんぶれい)に、イラっとしつつも、
アギトは、どうにか冷静に、
「あのガキに『ルールを決める権利』をくれてやる。ただし『そのルールを認めるか否かのジャッジ』は私が下す。ゆえに『ジャンケンで勝敗を決めよう』などといった運否天賦に身を任せることは出来ない。武を交わし合うのは前提。なぜなら、『護衛としての能力』で最も重要なのは武力だから。何か異存はあるか、ロコ」
「異存なら山ほどありますが……まあ、ここは引いておいてさしあげます。やれやれ」
『大人の対応をしている風のロコ』に対し、
アギトの怒りは膨れ上がり続けるばかり。
臨界点はとっくに超えて、
今は、むしろ、自分の中に『ある種の冷たさ』まで感じているアギト。
ゆえに、アギトは、一度、トーンを落として、
「……お前は…………何がそんなに不満なんだ……」
本気で『意味が分からない』という顔で、
「全宮家にとって益になることは何一つせず、喜々として『家族に対するいやがらせ』を行い続けるお前に……それでも、私は、自分の領地と部隊を分け与えた」
――それが家族のルールだから。
――テラからも言われているから。
ロコに領土を与えた理由の大半は、その二つだが、
しかし、最終的に、
『自分の領土と部隊をロコに分け与える』という決断をしたのはアギト自身。
それは間違いない。
「なのに……なぜ……なにがそんなに……」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
2813
-
-
550
-
-
4
-
-
63
-
-
70813
-
-
841
-
-
1359
-
-
124
-
-
93
コメント