センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
59話 舌戦は終わらない。
59話 舌戦は終わらない。
「父上……いいかげん、ガツンとしかりつけなければ……あのバカは――」
アギトの言葉を最後まで聞かず、
テラは、
「わからないだろうな……だが、それは、この場で成すべきことではない」
「……そ、それは……そうですが……」
委縮する。
父の大きさに圧倒されるアギト。
「アギト、話を進めなさい。この場は、兄妹ゲンカを見守る会ではない」
「……はい」
返事をすると、
アギトは、
「ロコ……この件については、あとで――」
そう言ってしめようとしたが、
しかし、当のロコが、
「あとで? いえいえ、この場で決着をつけてしまいましょう」
などと、場を荒らしてくる。
ゆえに、場の空気がまたビリっとする。
「……貴様、父上の話を聞いていなかったのか?」
「当然、聞いていましたわ。むしろ、お兄様こそ、お父様のお話を聞いていらっしゃらなかったのかしら? お父様は『話を進めろ』とおっしゃった。『やめろ』ではなく、進めろとおっしゃったのですよ」
「……」
「せっかくの家族会議……この場で、皆様の前で『この件』には決着をつけておいた方が双方のためかと存じますわ、お兄様」
そこで、アギトは、チラっとテラの顔をみた。
全宮テラは、特に何も言わず、
まっすぐにロコを観察している。
アギトは、小さなタメ息をついてから、
「……では……少し時間をとって、全宮ロコに関する『問題』の全てにケリをつけるコトとしよう」
そう言ってから、
その視線を、グイっと方向転換し、
――唐突に、ゲンをにらみつけるアギト。
突然、アギトににらみつけられて、
ゲンは、軽くビクっとなった。
つい、反射的に背筋を伸ばし、
アギトと視線を合わせたり外したりと、
挙動が若干不振になる。
アギトは、ゲンをにらみつけたまま、
「……まずは、最初から気になっていた問題を処理しよう。ロコ……あのガキはなんだ? どういうつもりで、この神聖なる家族会議の場に連れてきた? ここはお前の『お友達』を連れてきていいような場ではない。まさか、この件も、『ウッカリ』で済ますつもりではないよな? 最初に言っておくが、この件は『可愛い天然』では済まないぞ。いや、済まさないといった方が的確か」
明確な敵意のこもった詰問を受けたロコは、
すまし顔で、
「彼はゲン・フォース。我が手足である毒組の局長『ソウル・フォース』の息子にして、類稀(たぐいまれ)な才能を持つ天才。いずれ、ソウルの跡を継ぎ、我が手足の根幹となる男。だからこの場に連れてきた。と、以上ですが、何か問題がありまして?」
たんたんと、
当たり前のことのように語るロコ。
アギトのボルテージが上がっていく。
ロコが語る釈明の内容など、ぶっちゃけた話、どうでもいい。
本音を言えば、この場にガキが一人紛れていようがどうしようが、そんなことに興味はない。
アギトをイラつかせている理由は常に一つ。
ロコの態度がとにかく鼻につく。
「あのガキの才能の有無なんざ知ったことではないが……『現時点における警護能力』が決定的に不足しているのは事実。この家族会議の場には、それぞれが、精鋭を連れてくるのが全宮家のルール。お前はそれを愚弄した」
「父上……いいかげん、ガツンとしかりつけなければ……あのバカは――」
アギトの言葉を最後まで聞かず、
テラは、
「わからないだろうな……だが、それは、この場で成すべきことではない」
「……そ、それは……そうですが……」
委縮する。
父の大きさに圧倒されるアギト。
「アギト、話を進めなさい。この場は、兄妹ゲンカを見守る会ではない」
「……はい」
返事をすると、
アギトは、
「ロコ……この件については、あとで――」
そう言ってしめようとしたが、
しかし、当のロコが、
「あとで? いえいえ、この場で決着をつけてしまいましょう」
などと、場を荒らしてくる。
ゆえに、場の空気がまたビリっとする。
「……貴様、父上の話を聞いていなかったのか?」
「当然、聞いていましたわ。むしろ、お兄様こそ、お父様のお話を聞いていらっしゃらなかったのかしら? お父様は『話を進めろ』とおっしゃった。『やめろ』ではなく、進めろとおっしゃったのですよ」
「……」
「せっかくの家族会議……この場で、皆様の前で『この件』には決着をつけておいた方が双方のためかと存じますわ、お兄様」
そこで、アギトは、チラっとテラの顔をみた。
全宮テラは、特に何も言わず、
まっすぐにロコを観察している。
アギトは、小さなタメ息をついてから、
「……では……少し時間をとって、全宮ロコに関する『問題』の全てにケリをつけるコトとしよう」
そう言ってから、
その視線を、グイっと方向転換し、
――唐突に、ゲンをにらみつけるアギト。
突然、アギトににらみつけられて、
ゲンは、軽くビクっとなった。
つい、反射的に背筋を伸ばし、
アギトと視線を合わせたり外したりと、
挙動が若干不振になる。
アギトは、ゲンをにらみつけたまま、
「……まずは、最初から気になっていた問題を処理しよう。ロコ……あのガキはなんだ? どういうつもりで、この神聖なる家族会議の場に連れてきた? ここはお前の『お友達』を連れてきていいような場ではない。まさか、この件も、『ウッカリ』で済ますつもりではないよな? 最初に言っておくが、この件は『可愛い天然』では済まないぞ。いや、済まさないといった方が的確か」
明確な敵意のこもった詰問を受けたロコは、
すまし顔で、
「彼はゲン・フォース。我が手足である毒組の局長『ソウル・フォース』の息子にして、類稀(たぐいまれ)な才能を持つ天才。いずれ、ソウルの跡を継ぎ、我が手足の根幹となる男。だからこの場に連れてきた。と、以上ですが、何か問題がありまして?」
たんたんと、
当たり前のことのように語るロコ。
アギトのボルテージが上がっていく。
ロコが語る釈明の内容など、ぶっちゃけた話、どうでもいい。
本音を言えば、この場にガキが一人紛れていようがどうしようが、そんなことに興味はない。
アギトをイラつかせている理由は常に一つ。
ロコの態度がとにかく鼻につく。
「あのガキの才能の有無なんざ知ったことではないが……『現時点における警護能力』が決定的に不足しているのは事実。この家族会議の場には、それぞれが、精鋭を連れてくるのが全宮家のルール。お前はそれを愚弄した」
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