センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
57話 アギトとロコのしゃべり場。
57話 アギトとロコのしゃべり場。
「最後に一つ、これだけは確認しておかなければならないことがある」
アギトの、明確な『怒り』のにじむ声音。
退屈かつ長時間の会議でダラけていた場が一気にピリっとする。
「先日、完全院から支援要請を受け、その任をロコに任せたのだが……その結果、どうなった? お前の口から、みなに、報告しろ」
鋭い視線を向けられたロコは、
ほとんど挑発的に、ニコっと微笑んで、
「ギルティブラッドの暴走によって、シロアリのエリアB支部は壊滅しました」
「……貴様、何を笑っている?」
「悪い人たちがたくさん消えてくれたのですから、喜んでも不思議ではないのでは?」
「……シロアリは『完全院の犬』……完全院が誇る部隊の一つと言ってもいい。必要悪という危ういポジションの闇組織。そんなシロアリがエリアBにも派遣されているのは、互いのエリア間において非常に良好な信頼関係が成り立っている証でもある……ゆえに、エリアBで沸いた頭のおかしい連中から強襲などされた場合は全力で守る……言われなくとも、シロアリを守るのは、エリアBの支配者である我々の義務だ」
アギトの怒りが増していく。
整理された言葉によって、どんどん脳みそが刺激されていく。
「たまたまか、狙ったのか知らんが、あの日、エリアB支部には、シロアリの上位幹部が視察にきていた。当然、上位幹部が動いたのは、完全院からの指示だ。わかるか? だからこそ、正式に完全院からの支援要請がきたのだ。『シロアリのエリアB支部』という『お客さん』を守るのは『エリアBの支配者』であり『完全院家の友人である全宮家』の義務。本来ならば『言うまでもない』ことを、わざわざ『頼むぞ』と念を押されたのだ。なのに……なのに、お前は完全に失敗した」
怒りに震えながら、
「しかも……しかもだ……この支援要請は、私の、大切な友人である『完全院ノアル』から、直々に頼まれたもの……」
完全院ノアルは、完全院リライトの息子。
いわば、アギトとほとんど同じ立場にある者。
ようするに、仲良くしなければいけない相手。
腹の中でどう思っていようと、
表面上では、ニコニコと握手をし続けなければいけない相手。
――つまりは、決して、弱みを握られてはいけない相手。
「失敗の報告をせざるをえなかった私が……どれだけ恥をかいたか……わかるか、ロコ」
巻き舌かつ血走った目。
完全にブチ切れている。
そんな激情を向けられて、
しかし、ロコはケロっとした顔で、
「えぇ?! そうだったのですか?! あらあら。ごめんなさい、お兄様。あたし、てっきり、殲滅依頼かと思って……」
そこで、ロコは、アイテムボックスから、ズタズタの生首を取り出して、
円卓の上に放り投げながら、
「このとおり……褒めてもらおうと、首を取っておいたのですが……」
その首は、あの日、シロアリのエリアB支部に監査にきた上位幹部のもの。
『魔法を使って保存状態をよくしていた』というワケでもないので、
かなり腐敗が進んでいる。
「ほんとうにごめんなさい、お兄様。ほら、あたし、ウッカリさんだから、てへ」
「最後に一つ、これだけは確認しておかなければならないことがある」
アギトの、明確な『怒り』のにじむ声音。
退屈かつ長時間の会議でダラけていた場が一気にピリっとする。
「先日、完全院から支援要請を受け、その任をロコに任せたのだが……その結果、どうなった? お前の口から、みなに、報告しろ」
鋭い視線を向けられたロコは、
ほとんど挑発的に、ニコっと微笑んで、
「ギルティブラッドの暴走によって、シロアリのエリアB支部は壊滅しました」
「……貴様、何を笑っている?」
「悪い人たちがたくさん消えてくれたのですから、喜んでも不思議ではないのでは?」
「……シロアリは『完全院の犬』……完全院が誇る部隊の一つと言ってもいい。必要悪という危ういポジションの闇組織。そんなシロアリがエリアBにも派遣されているのは、互いのエリア間において非常に良好な信頼関係が成り立っている証でもある……ゆえに、エリアBで沸いた頭のおかしい連中から強襲などされた場合は全力で守る……言われなくとも、シロアリを守るのは、エリアBの支配者である我々の義務だ」
アギトの怒りが増していく。
整理された言葉によって、どんどん脳みそが刺激されていく。
「たまたまか、狙ったのか知らんが、あの日、エリアB支部には、シロアリの上位幹部が視察にきていた。当然、上位幹部が動いたのは、完全院からの指示だ。わかるか? だからこそ、正式に完全院からの支援要請がきたのだ。『シロアリのエリアB支部』という『お客さん』を守るのは『エリアBの支配者』であり『完全院家の友人である全宮家』の義務。本来ならば『言うまでもない』ことを、わざわざ『頼むぞ』と念を押されたのだ。なのに……なのに、お前は完全に失敗した」
怒りに震えながら、
「しかも……しかもだ……この支援要請は、私の、大切な友人である『完全院ノアル』から、直々に頼まれたもの……」
完全院ノアルは、完全院リライトの息子。
いわば、アギトとほとんど同じ立場にある者。
ようするに、仲良くしなければいけない相手。
腹の中でどう思っていようと、
表面上では、ニコニコと握手をし続けなければいけない相手。
――つまりは、決して、弱みを握られてはいけない相手。
「失敗の報告をせざるをえなかった私が……どれだけ恥をかいたか……わかるか、ロコ」
巻き舌かつ血走った目。
完全にブチ切れている。
そんな激情を向けられて、
しかし、ロコはケロっとした顔で、
「えぇ?! そうだったのですか?! あらあら。ごめんなさい、お兄様。あたし、てっきり、殲滅依頼かと思って……」
そこで、ロコは、アイテムボックスから、ズタズタの生首を取り出して、
円卓の上に放り投げながら、
「このとおり……褒めてもらおうと、首を取っておいたのですが……」
その首は、あの日、シロアリのエリアB支部に監査にきた上位幹部のもの。
『魔法を使って保存状態をよくしていた』というワケでもないので、
かなり腐敗が進んでいる。
「ほんとうにごめんなさい、お兄様。ほら、あたし、ウッカリさんだから、てへ」
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