センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
53話 黒組局長ダギー。
53話 黒組局長ダギー。
「あの地位につくまでイバラの道だったはず。あいつは、きっと、頑張ったんだろう……頑張って、頑張って、頑張ったんだろう……同窓として、私はあいつを誇りに思う」
父の話を聞きながら、ゲンは、ドウレンの背中を目で追いつつ、心の中で、
(全宮テラ直属の特殊部隊『鬼組』……完全院リライト直属のクリムゾン・スターズとくらべられることもある超精鋭部隊……)
全宮直属の特殊部隊の序列でいえばブッチギリの1位である鬼組。
『序列的に8~9番目くらいの毒組』とは厚みが違う。
ソウルさんや、オキやヒジカであれば、
鬼組のメンツとも渡り合うことができるのだが、
総合力で言うと余裕で完敗。
層の厚さが違いすぎる。
(毒組は三人だけプロ級がいる地方公立高校の野球部で、鬼組はバリバリの名門私立野球部って感じだな……)
と、妙な分析をしていたその時、
「っっ?!」
ゲンの背筋に悪寒が走った。
強烈な死の気配。
――気づいた時にはもう遅く、
「……ガキ。これで、お前は三回死んだ……」
耳元で、そんな声をかけられた。
脳に響く、不気味な声。
振り返ってみると、
不健康そうな顔の男が立っていて、
「毒で一回、刺突で一回、胴を切断されて一回……計三回。三回死ぬまで気づかない無能。それがお前だよ、ガキ。ひどい、ひどい」
全力でゲンをディスってくる。
ソウルさんが、
かなり険しい顔つきで、
「ダギー……うちの息子に何かしたら殺すぞ」
強めの殺気を向けられた『ダギー』は、
しかし、一瞬たりとも怯むことなく、
むしろ語気を強めて、
「ソウル……お前は、今日、この場に、自分のガキを守りにきたのか?」
「いや、ロコ様をお守りするために来た」
「じゃあ、なぜ、足手まといのガキをつれてきた? 肉壁に使えるワケでも、使う気があるワケでもない……なのに、なぁぜぇ?」
「ウチの息子は天才だからだ」
「ドウランにもそのイカれた発言をしていたが……私に三回殺されるまで気づかないようなカスのどこが天才なのかなぁ?」
「同じ年齢の時に戦っていたら、お前はこの子に100回殺されている」
「ははははは! 仮に、それが事実だったとして! だから、なんだ?! そんなものが『この場に連れてきていい理由』になるのか?! バカも休み休み言ってくれ! 腹がねじきれるじゃないか!」
節度のある声で笑ってから、
「ソウルよ、お前の論法でいくなら、アレだぞ……たとえば『今の私なら、まだ歳若いロコ様に、ギリギリ勝てるから、俺にも会議の場で発言権がある』……みたいな感じだぞ」
「まったく違うだろ。何言ってんだ」
「お前がやっていることの『雰囲気』的には、ほぼ同じだっつってんだよ、ばぁか」
それからも数分、
ののしり合いは続いた。
落ち着いているドウレンとは違い、
ダギーはバキバキの目でほとばしっている。
生産性のない罵り合いを耳にしたことで、
ゲンは、ダギーが、
全宮アギト直属の特殊部隊『黒組』のリーダーであることを理解した。
両者の会話を聞きつつ、
ゲンは、ダギーの横顔を睨みながら、心の中で、
(……まったく気配を感じることが出来なかった……)
冷や汗を流しながら、そうつぶやいた。
「あの地位につくまでイバラの道だったはず。あいつは、きっと、頑張ったんだろう……頑張って、頑張って、頑張ったんだろう……同窓として、私はあいつを誇りに思う」
父の話を聞きながら、ゲンは、ドウレンの背中を目で追いつつ、心の中で、
(全宮テラ直属の特殊部隊『鬼組』……完全院リライト直属のクリムゾン・スターズとくらべられることもある超精鋭部隊……)
全宮直属の特殊部隊の序列でいえばブッチギリの1位である鬼組。
『序列的に8~9番目くらいの毒組』とは厚みが違う。
ソウルさんや、オキやヒジカであれば、
鬼組のメンツとも渡り合うことができるのだが、
総合力で言うと余裕で完敗。
層の厚さが違いすぎる。
(毒組は三人だけプロ級がいる地方公立高校の野球部で、鬼組はバリバリの名門私立野球部って感じだな……)
と、妙な分析をしていたその時、
「っっ?!」
ゲンの背筋に悪寒が走った。
強烈な死の気配。
――気づいた時にはもう遅く、
「……ガキ。これで、お前は三回死んだ……」
耳元で、そんな声をかけられた。
脳に響く、不気味な声。
振り返ってみると、
不健康そうな顔の男が立っていて、
「毒で一回、刺突で一回、胴を切断されて一回……計三回。三回死ぬまで気づかない無能。それがお前だよ、ガキ。ひどい、ひどい」
全力でゲンをディスってくる。
ソウルさんが、
かなり険しい顔つきで、
「ダギー……うちの息子に何かしたら殺すぞ」
強めの殺気を向けられた『ダギー』は、
しかし、一瞬たりとも怯むことなく、
むしろ語気を強めて、
「ソウル……お前は、今日、この場に、自分のガキを守りにきたのか?」
「いや、ロコ様をお守りするために来た」
「じゃあ、なぜ、足手まといのガキをつれてきた? 肉壁に使えるワケでも、使う気があるワケでもない……なのに、なぁぜぇ?」
「ウチの息子は天才だからだ」
「ドウランにもそのイカれた発言をしていたが……私に三回殺されるまで気づかないようなカスのどこが天才なのかなぁ?」
「同じ年齢の時に戦っていたら、お前はこの子に100回殺されている」
「ははははは! 仮に、それが事実だったとして! だから、なんだ?! そんなものが『この場に連れてきていい理由』になるのか?! バカも休み休み言ってくれ! 腹がねじきれるじゃないか!」
節度のある声で笑ってから、
「ソウルよ、お前の論法でいくなら、アレだぞ……たとえば『今の私なら、まだ歳若いロコ様に、ギリギリ勝てるから、俺にも会議の場で発言権がある』……みたいな感じだぞ」
「まったく違うだろ。何言ってんだ」
「お前がやっていることの『雰囲気』的には、ほぼ同じだっつってんだよ、ばぁか」
それからも数分、
ののしり合いは続いた。
落ち着いているドウレンとは違い、
ダギーはバキバキの目でほとばしっている。
生産性のない罵り合いを耳にしたことで、
ゲンは、ダギーが、
全宮アギト直属の特殊部隊『黒組』のリーダーであることを理解した。
両者の会話を聞きつつ、
ゲンは、ダギーの横顔を睨みながら、心の中で、
(……まったく気配を感じることが出来なかった……)
冷や汗を流しながら、そうつぶやいた。
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