センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
51話 何かおこりそうな日。
51話 何かおこりそうな日。
家族会議が行われる日の空は曇天だった。
何かが起こりそうな、不穏な空気。
会議が行われるのはエリアB500、
都心のど真ん中にある巨大ビル――全宮タワー。
その日、全宮タワーは、地下から最上階まで、全体的に、ピリピリとしていた。
周囲は、黒塗りの車で埋め尽くされており、
近くの道は、お抱えの特殊部隊によって封鎖されていて、
一般人は半径1キロ以内に近づくこともできない。
「めちゃめちゃ厳重ですね」
車から降りたゲンが周囲を見渡しながらそう言うと、
背後にいるソウルさんが、
「全宮の家族会議を襲撃するようなバカは、さすがにギルティブラッドにもいないだろう……万が一、襲ってきたとしても、全宮家にキズをつけることなど不可能だが。あの方々は存在値の格が違う」
ハッキリ言って、全宮の血族に護衛など必要ない。
ギルティブラッドが束になっても、
かすり傷一つつけることも叶わない。
「我々のような『厳選された特殊部隊の面々』が一丸となっても、片手で蹴散らされる。それが、五大家の人間だ。圧倒的強者。絶対の支配者。――ゆえに、この厳重警戒は、安全面への配慮ではなく、権威の可視化……軍事力の誇示といったところ」
「誰も見ていないのに、武力を誇示しても、いささか通りが悪そうですが」
「取材班も腕利きがそろっている。事実と喧伝が重なれば、自然と浸透・波及していく。人間の社会とはそういうものだ」
「……なるほど」
全宮タワーの中へと入り、
エレベーターで上がること50秒。
最上階エリアにたどり着くと、
ピリピリ感の密度がえげつない事になっていた。
そこは『位の高い人間』しかいない異常空間となっていた。
全宮の血族15人が一堂に会するのは、年一の家族会議以外ではありえない。
(あれが、全宮家の一族……)
フロアの中央を陣取り、周囲に高貴さを振りまいている集団を見つけたゲンは、当然のようにそう理解した。
当然、その集団は、臨戦態勢ではない歓談中のため、
見ただけでは、その実力など、さっぱりわからない。
しかし、空気感で、ハンパなさは伝わってくる。
特に、
(あの一番体格がいいオッサン……おそらく、あのオッサンが全宮テラ……)
視線を向けるだけで、
ビリビリと威圧感を感じる男。
(すごいな……今の俺では、指一本触れることすら出来そうにない空気感……)
こめかみから、ツーっと、汗を流すゲン。
と、そこで、
その『体格がいいオッサン』が、チラっとこちら側に視線を向けてきた。
その視線は、ゲンの横にいるソウルさんに向けられている。
体格がいいオッサンは、ニっと微笑みながら、
集団から離れ、ソウルさんに近づくと、
「よう、ひさしぶりだな、ソウル」
「久しぶりというほどでもないだろう。去年もここで会っている」
「一年会わなければ、十分、ひさしぶりだろう」
軽やかに言葉を交わす二人を、
ゲンはいぶかしげな眼で見ていた。
スルスルとよどみなく会話を続ける二人。
両者の話の流れから、
ゲンは、その『体格がいいオッサン』が、全宮の者ではなく、
全宮テラ直属の特殊部隊『鬼組』のリーダー『ドウレン』であることを理解する。
(こ、これだけのオーラを発している人でも……頂点じゃないどころか……特殊部隊の一人にすぎない……のか……)
家族会議が行われる日の空は曇天だった。
何かが起こりそうな、不穏な空気。
会議が行われるのはエリアB500、
都心のど真ん中にある巨大ビル――全宮タワー。
その日、全宮タワーは、地下から最上階まで、全体的に、ピリピリとしていた。
周囲は、黒塗りの車で埋め尽くされており、
近くの道は、お抱えの特殊部隊によって封鎖されていて、
一般人は半径1キロ以内に近づくこともできない。
「めちゃめちゃ厳重ですね」
車から降りたゲンが周囲を見渡しながらそう言うと、
背後にいるソウルさんが、
「全宮の家族会議を襲撃するようなバカは、さすがにギルティブラッドにもいないだろう……万が一、襲ってきたとしても、全宮家にキズをつけることなど不可能だが。あの方々は存在値の格が違う」
ハッキリ言って、全宮の血族に護衛など必要ない。
ギルティブラッドが束になっても、
かすり傷一つつけることも叶わない。
「我々のような『厳選された特殊部隊の面々』が一丸となっても、片手で蹴散らされる。それが、五大家の人間だ。圧倒的強者。絶対の支配者。――ゆえに、この厳重警戒は、安全面への配慮ではなく、権威の可視化……軍事力の誇示といったところ」
「誰も見ていないのに、武力を誇示しても、いささか通りが悪そうですが」
「取材班も腕利きがそろっている。事実と喧伝が重なれば、自然と浸透・波及していく。人間の社会とはそういうものだ」
「……なるほど」
全宮タワーの中へと入り、
エレベーターで上がること50秒。
最上階エリアにたどり着くと、
ピリピリ感の密度がえげつない事になっていた。
そこは『位の高い人間』しかいない異常空間となっていた。
全宮の血族15人が一堂に会するのは、年一の家族会議以外ではありえない。
(あれが、全宮家の一族……)
フロアの中央を陣取り、周囲に高貴さを振りまいている集団を見つけたゲンは、当然のようにそう理解した。
当然、その集団は、臨戦態勢ではない歓談中のため、
見ただけでは、その実力など、さっぱりわからない。
しかし、空気感で、ハンパなさは伝わってくる。
特に、
(あの一番体格がいいオッサン……おそらく、あのオッサンが全宮テラ……)
視線を向けるだけで、
ビリビリと威圧感を感じる男。
(すごいな……今の俺では、指一本触れることすら出来そうにない空気感……)
こめかみから、ツーっと、汗を流すゲン。
と、そこで、
その『体格がいいオッサン』が、チラっとこちら側に視線を向けてきた。
その視線は、ゲンの横にいるソウルさんに向けられている。
体格がいいオッサンは、ニっと微笑みながら、
集団から離れ、ソウルさんに近づくと、
「よう、ひさしぶりだな、ソウル」
「久しぶりというほどでもないだろう。去年もここで会っている」
「一年会わなければ、十分、ひさしぶりだろう」
軽やかに言葉を交わす二人を、
ゲンはいぶかしげな眼で見ていた。
スルスルとよどみなく会話を続ける二人。
両者の話の流れから、
ゲンは、その『体格がいいオッサン』が、全宮の者ではなく、
全宮テラ直属の特殊部隊『鬼組』のリーダー『ドウレン』であることを理解する。
(こ、これだけのオーラを発している人でも……頂点じゃないどころか……特殊部隊の一人にすぎない……のか……)
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
125
-
-
103
-
-
124
-
-
310
-
-
353
-
-
36
-
-
140
-
-
29
-
-
93
コメント