センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

41話 全宮ロコ。

 41話 全宮ロコ。

(俺が得た情報が全て本当なら……五大家はやべぇ……今のままでは、永遠に届く気がしない――そういう『果て』にあるような気がしてならない……今のままやっていたら、この人たちに勝つことすら不可能……)

 そこで、ゲンは、
 ふと、ルスが言っていた言葉を思い出す。

『もし君が30歳だったら、今の一発で、殺されていたと思うね!』

(30歳の俺は……はたして、あの変態を倒せるだろうか……)

 想像してみた。
 ソウルさんに倒されはしたが、
 しかし、ルスは、おそろしく強かった。
 全力で殴ってもビクともしなかった強者。

(かつて『罪帝の特殊部隊で隊長をしていた』という話はおそらく嘘じゃない……というか、嘘だったら困る。あれほどの強者なのだから、せめて、そのぐらいの地位にあってくれないと) 

 あんなのが、そこら中を歩いている景色を想像し、
 『そんなものがあってたまるか』とため息をつく。

(あのランクの『バケモノ』を、倒せる日が来るのだろうか……俺みたいな、ちょっと裏技がつかえるだけの無能に……)

 と真剣に不安に思うゲン。

(世界は広い……強者は遠い……俺は、まだまだ弱い……弱すぎる……)

 ギリっと奥歯をかみしめる。

 ゲンが、自分の未来に不安を感じている横で、
 ソウルさんが、ルスに切られた自分の腕を見つめながら、

「いかんな。損傷が激しい……腐敗属性の毒だったか……まいったな……」

「もっと焦れよ、局長。これ、マジでヤバいやつだぞ」

「そうですね。急いで戻らないと、本当に再生できなくなります」

「まあ、そうなったら、片腕の剣士としてやっていくさ。私の実力なら、腕の一本や二本なくとも、一流の戦士として戦える」

「いや、二本なくしたらさすがにきついと思うが」

 と、ヒジカが、呆れていると、
 そこで、



「――キズモノの配下なんて必要ないわね」



 背後から声が響いた。
 高貴さを感じさせる少女の声。

 反射的に、全員の視線が、声の方に向いた。

 そこにいたのは、一人の美少女。
 歳は、ゲンと同じか、少し上といったところ。
 金髪のツインテールで、大きな猫目。
 一目で金持ちだと分かる富裕層オーラをまとっている。

 彼女の姿を目の当たりにした瞬間、


「「「ロコ様?!」」」


 ソウルさんとオキとヒジカは、
 即座に片膝をついて、平伏の姿勢をとった。

 ソウルさんは、
 額に汗を浮かばせつつ、

「あの程度の輩に不覚をとってしまったこと、心から謝罪申し上げます。今後、このようなミスは二度と犯さないと誓います」

「聞こえなかった? キズモノの配下など必要ないと言ったのだけれど?」

「片腕であっても闘えます! まだまだ、あなた様に尽くせます!」

「尽くすだけなら、誰だって出来る。そこらの無能でも、這いつくばって足をなめるくらいはできるでしょうよ。けれど、あたしは、足をなめることしかできないゴミに興味はない。あたしが欲しいのは、使えるコマだけ」

「もちろん、理解しております! 心からの忠誠を誓うのはもちろんのこと、必ず、お役にたってみせます。ですので、どうか!」

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