センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
39話 かつて罪帝の特殊部隊隊長だった者の最後。
39話 かつて罪帝の特殊部隊隊長だった者の最後。
「――自分に才能がないとは思わないが……才能の質で言えば、ヒジカとオキの方が私よりもはるかに上だ」
「そうなのかい?! あんたの方が上に思えるがなぁ!」
「今の私は、私の人生史上最もカッコつけているからな。本当なら、腕が飛んで死ぬほど痛かった。ここにいるのがお前と私だけなら、おそらく、泣いていただろう」
「げはははは! わかるぜ、その気持ち! なんせ、ほら! 俺も腕が飛んでるから! いたくてしゃーねー! 感覚を切れば、この痛みも消えるんだろうけど、名残惜しくて消してねぇんだ、げははは!」
「……」
ソウルさんは、『お前みたいな変態と私を一緒にするな』といった感じの顔をしてから、
「……だが、今の私は、涙どころか、脂汗の一つも浮かべることなく、お前と対峙している。理由がわかるか?」
「さぁ。マジでわからんね」
「息子が見ているからさ」
そう言って、
ソウルさんは、ギュンっと、
と、豪快に一歩先へと踏み込んだ。
ルスの意識の内側へともぐりこみ、
そのまま、
「豪魔斬ランク11っっ!!」
最大の斬撃を叩き込む。
ザグンッッ!!
と、骨ごと持っていく豪快な音。
「がっはっ……」
美しい横一文字。
ルスの胴体と下半身が離れ、
腸が弾けて飛んだ。
グロさは感じなかった。
どこまでも美しい剣の一幕。
「は、はは……この死に方……かっこいい……」
最後の最後まで、
「いい死に方だ……『何もできなかった者』らしい……シンプルで……無様な……」
変態は、変態のままであり続けた。
「反乱でも……革命でも……『復讐』でもない……私にふさわしい……バカな死に方……」
死に包まれる中で、ルスの頭の中に走馬灯が走る。
生まれてから今日までの、くそったれな日々。
そして、かつての主人の顔。
まだ幼い少女だった罪帝家歴代最高の天才少女。
6歳やそこらで、完全院リライトに『畏れ』すら抱かせた狂人。
彼女の『キ〇ガイみたいな笑顔』を思い出しながら、
(ヒミコ……様……あなた様は……アホのイデアなんかより……はるかに……)
心の中で『本気の想い』をこぼしつつ、
「……美しく、狂い咲いていた……」
最後にそう言葉を残して、
ピクリとも動かなくなった。
命の終わりが漂って、
周囲がとても静かになる。
ソウルさんは、ルスの死体から視線を外しつつ、
「おぉ……痛ぇ、痛ぇ」
切られた腕を抑えながら、かるく悲鳴を漏らす。
アドレナリンが切れて、痛みの信号が強くなる。
即座に、ヒジカが腕を回収し、
オキが、魔法で、ソウルさんの腕に治療を施す。
ヒジカが、呆れ顔で、
「……なんで、あの程度のヤツに腕を斬られてんだ。確かに、なかなかの強者だったが……あんたなら、完封できる相手だろうが」
「いやぁ、息子が殺されると思ったら、頭に血が上ってなぁ。ははは」
「笑っている場合かよ」
呆れているヒジカの横で、
オキが、
「どうやら、あの変態のナイフには高ランクの毒が盛られていたみたいですね。僕の回復魔法ではくっつけることはできません」
「え、本当に? ……どうしよう」
「上に頼むしかありませんね。中枢の誰かなら、どうにかなるでしょう」
「……マジでか……ただでさえ、シロアリを一匹も助けられなくて『怒られる』のが確定しているってのに……」
「――自分に才能がないとは思わないが……才能の質で言えば、ヒジカとオキの方が私よりもはるかに上だ」
「そうなのかい?! あんたの方が上に思えるがなぁ!」
「今の私は、私の人生史上最もカッコつけているからな。本当なら、腕が飛んで死ぬほど痛かった。ここにいるのがお前と私だけなら、おそらく、泣いていただろう」
「げはははは! わかるぜ、その気持ち! なんせ、ほら! 俺も腕が飛んでるから! いたくてしゃーねー! 感覚を切れば、この痛みも消えるんだろうけど、名残惜しくて消してねぇんだ、げははは!」
「……」
ソウルさんは、『お前みたいな変態と私を一緒にするな』といった感じの顔をしてから、
「……だが、今の私は、涙どころか、脂汗の一つも浮かべることなく、お前と対峙している。理由がわかるか?」
「さぁ。マジでわからんね」
「息子が見ているからさ」
そう言って、
ソウルさんは、ギュンっと、
と、豪快に一歩先へと踏み込んだ。
ルスの意識の内側へともぐりこみ、
そのまま、
「豪魔斬ランク11っっ!!」
最大の斬撃を叩き込む。
ザグンッッ!!
と、骨ごと持っていく豪快な音。
「がっはっ……」
美しい横一文字。
ルスの胴体と下半身が離れ、
腸が弾けて飛んだ。
グロさは感じなかった。
どこまでも美しい剣の一幕。
「は、はは……この死に方……かっこいい……」
最後の最後まで、
「いい死に方だ……『何もできなかった者』らしい……シンプルで……無様な……」
変態は、変態のままであり続けた。
「反乱でも……革命でも……『復讐』でもない……私にふさわしい……バカな死に方……」
死に包まれる中で、ルスの頭の中に走馬灯が走る。
生まれてから今日までの、くそったれな日々。
そして、かつての主人の顔。
まだ幼い少女だった罪帝家歴代最高の天才少女。
6歳やそこらで、完全院リライトに『畏れ』すら抱かせた狂人。
彼女の『キ〇ガイみたいな笑顔』を思い出しながら、
(ヒミコ……様……あなた様は……アホのイデアなんかより……はるかに……)
心の中で『本気の想い』をこぼしつつ、
「……美しく、狂い咲いていた……」
最後にそう言葉を残して、
ピクリとも動かなくなった。
命の終わりが漂って、
周囲がとても静かになる。
ソウルさんは、ルスの死体から視線を外しつつ、
「おぉ……痛ぇ、痛ぇ」
切られた腕を抑えながら、かるく悲鳴を漏らす。
アドレナリンが切れて、痛みの信号が強くなる。
即座に、ヒジカが腕を回収し、
オキが、魔法で、ソウルさんの腕に治療を施す。
ヒジカが、呆れ顔で、
「……なんで、あの程度のヤツに腕を斬られてんだ。確かに、なかなかの強者だったが……あんたなら、完封できる相手だろうが」
「いやぁ、息子が殺されると思ったら、頭に血が上ってなぁ。ははは」
「笑っている場合かよ」
呆れているヒジカの横で、
オキが、
「どうやら、あの変態のナイフには高ランクの毒が盛られていたみたいですね。僕の回復魔法ではくっつけることはできません」
「え、本当に? ……どうしよう」
「上に頼むしかありませんね。中枢の誰かなら、どうにかなるでしょう」
「……マジでか……ただでさえ、シロアリを一匹も助けられなくて『怒られる』のが確定しているってのに……」
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