センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
29話 エゲつない親バカ。
29話 エゲつない親バカ。
「ウチの子はすごいぞぉ。なんせ、将来の夢が、五大家の中枢に食い込むだからな」
「なるほど、とてつもないバカ息子ってことか。理解した」
「ウチの息子をバカにすると許さんぞ。いいか、ヒジカ。この子は、口だけではなく、その野心を実現させうる可能性を秘めている」
最も信頼している部下であり、毒組の副長でもある『ヒジカ』に、
ソウルさんは、目をキラキラさせて、
「具体的になにがどうとは言えんが、とにかく、この子からは、すさまじい可能性を感じる。あるいは、将来的に、完全院リライトを超え、世界の頂点に立つことも、なくはないと、私は考えている」
「……エゲつない親バカっぷりだな」
「まあ、それなりに親バカだとは思う。私はこの子のためだったら余裕で死ねる」
「そんなに大事なお子様なら、こんなところに連れてくるんじゃねぇよ。ここが、クソガキの面倒をみる託児所ではなく、血で血を洗う地獄の最前線だってことは、局長であるあんたが一番よくわかっているはずだ」
「おいおい。クソガキなんてナメた口をきいていると、後で後悔することになるぞ。なんせ、この子は、将来、私の跡を継いで、毒組の局長になる男だからな」
「あんたのガキは、五大家の中枢に食い込むんじゃなかったのか?」
「そう。つまり、毒組局長という地位は通過点・足がかりに過ぎない。この子の未来は深く大きい。こんなむさくるしい現場の指揮官などという安いポジションにおさまる器じゃない」
「……ウチの組も、ずいぶんと、ナメられたもんだな。毒組を軽んじるそのセリフ……どっかのカスが口にしていたら、迷わず、一刀のもとにたたっ切るところなんだが……ほかでもない上司の口から飛び出しやがったものだから、部下である俺としては、ただただ声を殺して泣くしかねぇ」
やれやれと溜息をついて、
「……あんたが家族を大事に思っているってのは、これまでの、会話の節々から、なんとなく感じてはいたが……まさか、そこまでの親バカだったとは思っていなかったよ。これまでは、あんたのことを『冷静に周囲を観察できる大局観に優れた男』だと思っていたが……評価を改めないといけないな」
「その評価は正しい。私は常に冷静だ。冷静な視点で見て、ウチの子は天才だという結論にいたった」
と、そこで、ゲンが、
「いや、俺は天才ではありませんよ」
さすがに我慢できなくなった――といった表情でそう言った。
ゲンの発言を受けて、ヒジカが、
「ついには、これだけ幼い息子にまで『勘弁してくれよ感』を出されてんじゃねぇか……そろそろ、マジで、たいがいにしておけ」
本日、何度目かわからないため息をつく。
と、そこで、ソウルさんは、周囲を見渡して、
「ところで、オキはどこにいる? あいつとも顔合わせをさせておきたいんだが」
「道場で剣を振っているよ。いつも通り『何かがつかめそうな気がする』……とか、なんとか言いながらな」
その言葉を最後に、
ヒジカは、ソウルさんに背を向けて、自分のデスクへと戻っていった。
「ウチの子はすごいぞぉ。なんせ、将来の夢が、五大家の中枢に食い込むだからな」
「なるほど、とてつもないバカ息子ってことか。理解した」
「ウチの息子をバカにすると許さんぞ。いいか、ヒジカ。この子は、口だけではなく、その野心を実現させうる可能性を秘めている」
最も信頼している部下であり、毒組の副長でもある『ヒジカ』に、
ソウルさんは、目をキラキラさせて、
「具体的になにがどうとは言えんが、とにかく、この子からは、すさまじい可能性を感じる。あるいは、将来的に、完全院リライトを超え、世界の頂点に立つことも、なくはないと、私は考えている」
「……エゲつない親バカっぷりだな」
「まあ、それなりに親バカだとは思う。私はこの子のためだったら余裕で死ねる」
「そんなに大事なお子様なら、こんなところに連れてくるんじゃねぇよ。ここが、クソガキの面倒をみる託児所ではなく、血で血を洗う地獄の最前線だってことは、局長であるあんたが一番よくわかっているはずだ」
「おいおい。クソガキなんてナメた口をきいていると、後で後悔することになるぞ。なんせ、この子は、将来、私の跡を継いで、毒組の局長になる男だからな」
「あんたのガキは、五大家の中枢に食い込むんじゃなかったのか?」
「そう。つまり、毒組局長という地位は通過点・足がかりに過ぎない。この子の未来は深く大きい。こんなむさくるしい現場の指揮官などという安いポジションにおさまる器じゃない」
「……ウチの組も、ずいぶんと、ナメられたもんだな。毒組を軽んじるそのセリフ……どっかのカスが口にしていたら、迷わず、一刀のもとにたたっ切るところなんだが……ほかでもない上司の口から飛び出しやがったものだから、部下である俺としては、ただただ声を殺して泣くしかねぇ」
やれやれと溜息をついて、
「……あんたが家族を大事に思っているってのは、これまでの、会話の節々から、なんとなく感じてはいたが……まさか、そこまでの親バカだったとは思っていなかったよ。これまでは、あんたのことを『冷静に周囲を観察できる大局観に優れた男』だと思っていたが……評価を改めないといけないな」
「その評価は正しい。私は常に冷静だ。冷静な視点で見て、ウチの子は天才だという結論にいたった」
と、そこで、ゲンが、
「いや、俺は天才ではありませんよ」
さすがに我慢できなくなった――といった表情でそう言った。
ゲンの発言を受けて、ヒジカが、
「ついには、これだけ幼い息子にまで『勘弁してくれよ感』を出されてんじゃねぇか……そろそろ、マジで、たいがいにしておけ」
本日、何度目かわからないため息をつく。
と、そこで、ソウルさんは、周囲を見渡して、
「ところで、オキはどこにいる? あいつとも顔合わせをさせておきたいんだが」
「道場で剣を振っているよ。いつも通り『何かがつかめそうな気がする』……とか、なんとか言いながらな」
その言葉を最後に、
ヒジカは、ソウルさんに背を向けて、自分のデスクへと戻っていった。
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