センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

19話 ヤバい息子。

 19話 ヤバい息子。

「――ゲン・ワンダフォ――」

 ほかの何にも興味を示さず、
 ただひたすらに、
 キ〇ガイのように、
 拳の鍛錬を積み続ける息子。

 母親であるアリアは、
 自分の息子が、年相応に友達を作ったり、おもちゃで遊んだりすることなく、
 延々と、飽きることなく、『奇妙な掛け声』とともに、
 『拳を虚空に突き出し続けるだけの生活』を送っていることに、
 親としては抱かずにはいられない『まあまあの危機感』でいっぱいになっているが、

『まあ、そう心配するな、アリア。私にもそういう時期はあったよ。男の子とはそういうものだ』

 という、ソウルさんの言葉があったので、
 どうにか、いまのところは、精神を正常に保っていられている。

 ※ ちなみに、両親とも、『必殺技の名前を口にしながら型の練習をする』というのが『拳の質を高めるためのアリア・ギアスである』ことは理解している。
 あくまでも、狂気的な鍛錬を積んでいるという事実に対して畏怖を覚えているのだ。

「ただひたすら『型の練習をする』だけというのも、さすがに飽きただろう。……どれ、相手をしてやる。かかってきなさい」

 そう言って、軽くファイティングポーズをとるソウルさん。
 その様子を見て、ゲンは、

(……今の俺とソウルさんじゃあ、差がありすぎて、ワンオンワンをしても、さほど努力ポイントを稼げないんだよなぁ……)

 ひたすらに繰り返した結果、それなりに努力ポイントは稼いだものの、
 まだ『どう振り分けるべきか』の最善手が見つかっておらず、
 努力ポイントをまったく使っていないため、
 現状のゲンは、平均的な3歳児『以下』のステータスのまま。

 スライムを狩るために、攻撃力を少しあげはしたが、
 ゲンの『生まれつきの基礎ステータス』は、総じて、きわめて低いため、
 他の子と比べればトントンといったところ。
 ――というか、
 『ポイントを使って上昇させた攻撃力』ですら、
 実をいうと、他の子よりは少し劣っている。

 ※ 真・第一アルファにおける三歳児男子の攻撃力平均は15~20程度。
   攻撃力だけではなく、防御力や魔力も、
   三歳児なら『10~』に達しているのが普通。
   正直いって、ゲンは、生まれた時は未熟児扱いで、
   現状も、相当貧弱な男の子として認識されている。

   ちなみに、ソウルさんの存在値は190で、
   攻撃力に関しては『350』と、かなり強い。
   この存在値を見てもわかる通り、
   ソウルさんは、ただの一般人ではない。
   実は、全宮直属の特殊部隊の隊長をしている。

「さあ、遠慮をするな。ほらほら、思い切って、攻撃してみるといい。――もし、私の顔面に一撃でも食らわせられたら遊園地に連れていってやろう」

(……行きたくないから、顔面にだけは入れないようにしよう……)

 と、心の中でつぶやくゲン。
 ちなみに、ゲンは、
 前世の小学校行事で『遊園地に行く』というイベントが嫌すぎて、
 仮病を使ったという華麗なるボッチ的実績を持つ。
 というか、ぶっちゃけた話、単位に関係ない系の行事の日は、
 基本的に謎の病気にかかるのがゲンのスタンダードだった。

(つぅか……たまたまだろうけど……この人、普通に、王子のセリフを吐いたな……まさか、俺と同じで転生しているとかいうオチじゃないないだろうな……)


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品