センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
72話 嬌声。
72話 嬌声。
戦闘開始を『理解する』と同時、
ゴミスは、両手に魔力を込めて、
「鬼炎撃ランク10!!」
カウンターを叩き込む。
「――きゃぁああっ!!」
獰猛な炎に包まれて、悲鳴を上げるドナ。
ドナの悲鳴はゴミスの脳をくすぐった。
嗜虐心が一気に膨れ上がり、
「終わりじゃねぇぞぉおお!!」
さらに、高めた魔力をブチ込もうと、
ゴミスは、魔力とオーラを過剰に高める。
加速する。
膨れ上がる。
ゴミスは、
炎に包まれているドナを両手でつかむと、
地面に向かって、
「きゃあああ! あぁあ! ああああああ!! やめて――もうやめっ――おねがい――やめてぇ!」
何度も、何度もたたきつける。
「どうだ、どうだ、どうだぁあああ!」
血管が浮かび上がっている。
心が暴走している。
ドナの悲鳴が耳をつくたび、
ゴミスの中で理性が飛んでいく。
「まだだ! まだまだぁあああ!」
暴走する興奮。
ゴミスの脳内は、ドナに対する攻撃性で埋め尽くされる。
すでにボロボロのドナ。
ズタズタで、大火傷をおっている。
しかし、その姿も、
(美しい……この美しさを……もっと壊したいっっ)
止まらない欲望。
ゴミスの情動が沸騰する。
とめどない情欲から、
「ははははははははははははははは!!」
ゴミスは、ドナの顔面を何度も何度も殴りつけた。
狂ったジャンキーのように、
盛りのついた獣のように、
一心不乱に、
アホウのように、
ゴミスの視界がとことん狭くなった、
その時、
「――不合格」
ゴミスの耳に、ザクッッと、鈍く肉を裂く音が響いた。
気づいた時、
「ぎぃい! がぁあああああ! 腕ぇええ! ああっぁぁ?!!」
両腕の肘から先がなくなっていた。
ゴミスの前腕は、どちらも、血を吹き出しながら、宙を舞っていた。
「空蝉(うつせみ)や嬌声(きょうせい)によるメンタルジャックは定石の初手」
「う、うう……ぐぅう! ぎぃい!」
ようやく感じる激痛。
その激痛が、
狂っていた頭の熱を冷ましてくれた。
(……こ、心が……かき乱されていた……)
痛みの中にある今ならば理解できる。
先ほどまで『自分の精神』がグチャグチャにされていたこと。
「愚かすぎる。武の基本がまるでなっちゃいない」
痛烈な、ドナの酷評。
ゴミスは、つい、グっと強く、奥歯をかみしめてしまう。
痛みで冷静になれた今この時ならば、
先ほどまでの自分が『きわめて愚かだった』と理解できるのだが、
しかし、メンタルジャックを受けている最中は、
ただ己の全てが乱されているばかりで、
自分がおかしくなっていることにはわずかも気づけなかった。
――これが、ドナの闘い方。
常に、相手の全てを乱して舞う闇の薔薇。
(と、とにかく、血を……)
なんとか、オーラで止血をして、
(損傷が大きい……自己治癒能力を高めるだけでは回復しきれない……っ)
歪んだ熱に乱されていた脳が冷めて、
闘いに集中しはじめる。
痛みはむしろ気付け。
――まだ、闘いは始まったばかり。
回復の手段はいくらでもある。
基本的に、ゴミスは慎重な男。
だから、回復アイテムは、常に過剰なほど準備してある。
即座に、ゴミスは、アイテムボックスに顔をつっこむ。
腕がないと、アイテムの出し入れは口で行う他ない。
……急いでボックスに保管してある『回復のアイテム』を咥えようとするが、
しかし、
「ふぁっっ?! なっ! なんでっ! か、からっぽぉお?!」
ゴミスのアイテムボックスは、からっぽで、アイテムは何一つ収納されていなかった。
戦闘開始を『理解する』と同時、
ゴミスは、両手に魔力を込めて、
「鬼炎撃ランク10!!」
カウンターを叩き込む。
「――きゃぁああっ!!」
獰猛な炎に包まれて、悲鳴を上げるドナ。
ドナの悲鳴はゴミスの脳をくすぐった。
嗜虐心が一気に膨れ上がり、
「終わりじゃねぇぞぉおお!!」
さらに、高めた魔力をブチ込もうと、
ゴミスは、魔力とオーラを過剰に高める。
加速する。
膨れ上がる。
ゴミスは、
炎に包まれているドナを両手でつかむと、
地面に向かって、
「きゃあああ! あぁあ! ああああああ!! やめて――もうやめっ――おねがい――やめてぇ!」
何度も、何度もたたきつける。
「どうだ、どうだ、どうだぁあああ!」
血管が浮かび上がっている。
心が暴走している。
ドナの悲鳴が耳をつくたび、
ゴミスの中で理性が飛んでいく。
「まだだ! まだまだぁあああ!」
暴走する興奮。
ゴミスの脳内は、ドナに対する攻撃性で埋め尽くされる。
すでにボロボロのドナ。
ズタズタで、大火傷をおっている。
しかし、その姿も、
(美しい……この美しさを……もっと壊したいっっ)
止まらない欲望。
ゴミスの情動が沸騰する。
とめどない情欲から、
「ははははははははははははははは!!」
ゴミスは、ドナの顔面を何度も何度も殴りつけた。
狂ったジャンキーのように、
盛りのついた獣のように、
一心不乱に、
アホウのように、
ゴミスの視界がとことん狭くなった、
その時、
「――不合格」
ゴミスの耳に、ザクッッと、鈍く肉を裂く音が響いた。
気づいた時、
「ぎぃい! がぁあああああ! 腕ぇええ! ああっぁぁ?!!」
両腕の肘から先がなくなっていた。
ゴミスの前腕は、どちらも、血を吹き出しながら、宙を舞っていた。
「空蝉(うつせみ)や嬌声(きょうせい)によるメンタルジャックは定石の初手」
「う、うう……ぐぅう! ぎぃい!」
ようやく感じる激痛。
その激痛が、
狂っていた頭の熱を冷ましてくれた。
(……こ、心が……かき乱されていた……)
痛みの中にある今ならば理解できる。
先ほどまで『自分の精神』がグチャグチャにされていたこと。
「愚かすぎる。武の基本がまるでなっちゃいない」
痛烈な、ドナの酷評。
ゴミスは、つい、グっと強く、奥歯をかみしめてしまう。
痛みで冷静になれた今この時ならば、
先ほどまでの自分が『きわめて愚かだった』と理解できるのだが、
しかし、メンタルジャックを受けている最中は、
ただ己の全てが乱されているばかりで、
自分がおかしくなっていることにはわずかも気づけなかった。
――これが、ドナの闘い方。
常に、相手の全てを乱して舞う闇の薔薇。
(と、とにかく、血を……)
なんとか、オーラで止血をして、
(損傷が大きい……自己治癒能力を高めるだけでは回復しきれない……っ)
歪んだ熱に乱されていた脳が冷めて、
闘いに集中しはじめる。
痛みはむしろ気付け。
――まだ、闘いは始まったばかり。
回復の手段はいくらでもある。
基本的に、ゴミスは慎重な男。
だから、回復アイテムは、常に過剰なほど準備してある。
即座に、ゴミスは、アイテムボックスに顔をつっこむ。
腕がないと、アイテムの出し入れは口で行う他ない。
……急いでボックスに保管してある『回復のアイテム』を咥えようとするが、
しかし、
「ふぁっっ?! なっ! なんでっ! か、からっぽぉお?!」
ゴミスのアイテムボックスは、からっぽで、アイテムは何一つ収納されていなかった。
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