『経験値12000倍』のチートを持つ俺が、200億年修行した結果……

祝百万部

69話 正当な反省。

 69話 正当な反省。

「ハッキリ言ってやる。『ゴミスとの闘い』は、貴様ならば超えられる絶望だった。もっと直線的な言い方をするなら『貴様がギリギリ超えられるように調節した絶望』だった」

「っ」

「――『調節された絶望』すら超えられない無能など、ゼノリカには必要ない」


「……」

 ついに、アモンはおし黙る。
 まだまだ頭に反論は浮かんでいる――が、しかし、
 『芯を喰った反論である自信』はなかった。

 所詮は、すべて、子供の駄々。
 意味のない、甘えた喚(わめ)きでしかない。

(……直線的……言われてみれば、確かにそうだった……だが、ゴミスの火力は相当高くなっていたんだ。型を見切るのに時間がかかって、大きなダメージを受ける可能性はあった……)

 叱られたら、反省ではなく、まず、自分を守るための言い訳を考える。
 アモンは、どこまでも『ガキ』だった。
 いや、『人間』だったと言った方がいい。

 大人だろうと、なんだろうと、
 たいていの『人間』は、こうなってしまうのが普通。
 それが社会の事実。
 それが世界の摂理。
 ――しかし、

(……いや……これはひどい言い訳だ……自分の弱さを盾にするなど……)

 アモンは、決して『しょうもない人間』ではない。
 歯を食いしばって、自分を見直せる強者である。

 もともとそういう人間だったわけではない。
 ゼノリカに属し、ゼノリカで磨かれた結果。

 ――叱られたのは、今日だけではない。
 ――これまでも、散々、叩き込まれてきた。
 ――だから、

(どうしようもない無能の言い訳……いずれ神族になる僕が口にすることは許されない言い訳……事実、強化ゴミス程度の絶望なら超えられた……僕なら確かに超えられた……判断ミスだ……僕の……ミス……)

 『自分の奥から沸いてくる言い訳』を必死に押さえつける。
 ギリギリと奥歯をかみしめて、自分を叱咤する。

 プライドが高いがゆえに、
 認めざるをえない失態。

 アモンは、もちろん、まだまだ未熟だが、
 しかし、ただ愚かなだけではない。

 アモンは、間違いなく、
 ゼノリカの天下に属する超越者の一人だった。

 ――正当な反省を見せるアモンに対し、
 追い打ちとばかりに、ドナが、

「このミッションには第三フェーズが残っていた。『バロールが敵として参戦する』という第三フェーズだ。貴様が、ゴミスを突破する打開案を見つけた直後に発動する予定だった」

「っ」

 ドナの言葉を聞いて、アモンは、ようやく理解した。
 簡単な話。
 ゼノリカは『無能』に『無茶』を求めない。
 『超えられるであろう』と『評価された者』にのみ試練が与えられる。

 アモンは、認められていた。
 『ドナ基準レベル5』の絶望くらいなら超えられるだろうと判断されていた。
 だから、次の試練が用意されていた。
 バロールとドナが試験官という贅沢な試練。

 ――しかし、アモンはその期待を裏切った。
 ――フェーズ2で無残に脱落しやがった。

「バロールと私とゴミスを同時に相手にしなければいけない――そこまでいって、はじめて、貴様は逃走を考えなければいけなかった」


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