センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
67話 しょせんは、まだまだお子様って話。
67話 しょせんは、まだまだお子様って話。
「敵前逃亡とは何事か」
「確かに、先ほどの僕は、逃走を考えておりました。だが! しかぁぁし!! この状況下では、それが最善だと認識したからであって! 決して恐怖に負けたがゆえの敵前逃亡ではございません! あくまでも、先を見据えた戦略的撤退であります!!」
グっと顎をあげて、
まっすぐにドナの目を見て言い切るアモン。
「この場面においては、ドナ猊下も敵! 現状は、そういう設定! この手の試練には慣れているので、もちろん、理解・把握は出来ております!」
ゼノリカは、常に『最果て』を目指す組織。
だから、『ストイックなボディビルダーの筋トレ』のように、
ミッション内容が『足りていない』と感じたら『プラスの負荷』を求めるのが基本姿勢。
「今回のミッションの『敵(ドナ)』は強大です。勝てない可能性が非常に高い超難敵でした! いやはや、流石はゼノリカの天上! 素晴らしいスペックをお持ちだ!」
ドナに対する『軽めのよいしょ』をはさむアモン。
組織に属している者の性(さが)。
『資質で言えばドナよりも自分(アモン)の方が上だ』とは思っているが、
しかし、それとこれとは別。
「敗北の可能性が非常に高いのが現状。――ならば、ここで無理をして犬死にするよりも、即座に撤退し、確実に情報を持ち帰ったほうが得策だと判断しました! 僕は、この判断が間違っているとは思っておりません!」
アモンの目力と口調がどんどん強くなる。
『自分は間違っていない』という訴え。
上司に対して、ここまで踏み込んでしまった以上、
もはや引くことはできない。
このまま突っ走るしかない。
その先にうっすらと地獄が見えていたとしても、
もはや、止まることなど出来ない。
それが人間。
悲しい人間。
「――絶対に勝てない相手だったならば、その判断は間違っていない」
興奮が加速しているアモンとは対照的に、
ドナは、きわまって冷静に、至極淡々と、
「最初にハッキリと言っておく。貴様の、その『賢(さか)しさ』は、ただの言い訳だ」
「い、言い訳などでは――」
さらに言い訳を積み重ねてようとするアモンに、
ドナは、間髪入れずに、
「では聞くが、先ほどの貴様は、『本当』に『逃走を試みなければいけない状況』にあったのか?」
眼力が、どんどん加速していく。
そこらの常人であれば、とっくに号泣しながら土下座をしているだろう。
しかし、腹を決めたアモンは、怯みそうになる自分を叱咤して、
「は、敗北の可能性の方が高いと――」
なお、立ち向かおうとするが、
しかし、
「その可能性とはなんだ? 『一撃すらいれられない』という可能性か? 『敵の戦力的情報をわずかも奪取できない』という可能性か?」
「……だ、ダメージを負いすぎると、逃げ切ることすら難しい――そういう可能性です!」
ひるまないアモン。
ドナの威圧感を前にしても臆することなく立ち向かえるその気概は、
プライドの高さや精神力の有無ではなく、
やはり、結局のところは、まだまだ怖いもの知らずの幼いガキだから。
「敵前逃亡とは何事か」
「確かに、先ほどの僕は、逃走を考えておりました。だが! しかぁぁし!! この状況下では、それが最善だと認識したからであって! 決して恐怖に負けたがゆえの敵前逃亡ではございません! あくまでも、先を見据えた戦略的撤退であります!!」
グっと顎をあげて、
まっすぐにドナの目を見て言い切るアモン。
「この場面においては、ドナ猊下も敵! 現状は、そういう設定! この手の試練には慣れているので、もちろん、理解・把握は出来ております!」
ゼノリカは、常に『最果て』を目指す組織。
だから、『ストイックなボディビルダーの筋トレ』のように、
ミッション内容が『足りていない』と感じたら『プラスの負荷』を求めるのが基本姿勢。
「今回のミッションの『敵(ドナ)』は強大です。勝てない可能性が非常に高い超難敵でした! いやはや、流石はゼノリカの天上! 素晴らしいスペックをお持ちだ!」
ドナに対する『軽めのよいしょ』をはさむアモン。
組織に属している者の性(さが)。
『資質で言えばドナよりも自分(アモン)の方が上だ』とは思っているが、
しかし、それとこれとは別。
「敗北の可能性が非常に高いのが現状。――ならば、ここで無理をして犬死にするよりも、即座に撤退し、確実に情報を持ち帰ったほうが得策だと判断しました! 僕は、この判断が間違っているとは思っておりません!」
アモンの目力と口調がどんどん強くなる。
『自分は間違っていない』という訴え。
上司に対して、ここまで踏み込んでしまった以上、
もはや引くことはできない。
このまま突っ走るしかない。
その先にうっすらと地獄が見えていたとしても、
もはや、止まることなど出来ない。
それが人間。
悲しい人間。
「――絶対に勝てない相手だったならば、その判断は間違っていない」
興奮が加速しているアモンとは対照的に、
ドナは、きわまって冷静に、至極淡々と、
「最初にハッキリと言っておく。貴様の、その『賢(さか)しさ』は、ただの言い訳だ」
「い、言い訳などでは――」
さらに言い訳を積み重ねてようとするアモンに、
ドナは、間髪入れずに、
「では聞くが、先ほどの貴様は、『本当』に『逃走を試みなければいけない状況』にあったのか?」
眼力が、どんどん加速していく。
そこらの常人であれば、とっくに号泣しながら土下座をしているだろう。
しかし、腹を決めたアモンは、怯みそうになる自分を叱咤して、
「は、敗北の可能性の方が高いと――」
なお、立ち向かおうとするが、
しかし、
「その可能性とはなんだ? 『一撃すらいれられない』という可能性か? 『敵の戦力的情報をわずかも奪取できない』という可能性か?」
「……だ、ダメージを負いすぎると、逃げ切ることすら難しい――そういう可能性です!」
ひるまないアモン。
ドナの威圧感を前にしても臆することなく立ち向かえるその気概は、
プライドの高さや精神力の有無ではなく、
やはり、結局のところは、まだまだ怖いもの知らずの幼いガキだから。
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