センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
66話 不合格。
66話 不合格。
(もはや、このミッションにおいては、ドナ猊下も敵だと認識すべき……前提にだいぶ無理があるけど、あえてこのミッションにタイトルをつけるなら『任務中に九華が寝返った場合の処理方法』ってところか……ほんと、絶対にありえない展開だけど……まあ、そういう訓練ってことで……)
九華……特にドナがゼノリカを裏切ることはありえない。
アモンは、そこまで『ドナ』という人間を理解しているわけではないが、
少し話をしただけでも、彼女のゼノリカに対する狂気は理解できる。
彼女のゼノリカに対する愛は異常。
正直『気持ち悪い』とすら思うレベル。
(……『敵前衛(ゴミス)は楽に処理できるレベルだが、敵後衛(ドナ)のスペックは絶望級の脅威』。俺が持ち帰るべき情報はその一点。ならば、最大の難関は、この空間から、キッチリと逃げおおせること……となれば、一極集中で風穴を開けるしかない……)
アモンは、今回のミッションが『ゴミスを倒すこと』から、
『いかにして、この状況下から生還するか』にシフトしたと判断し、
どうすれば、このミッションをクリアすることが出来るかと必死になって頭をまわす。
(ゴミスの攻撃に注意しつつ、ドナ猊下の空間から抜け出す……難しいが、僕なら出来る)
そう判断し、
即座に逃走ミッションを開始しようとした、
その時、
「――不合格だ」
アモンの脳天に、
ガツゥゥゥンッッ!!
と、重たい激痛が走った。
「がぁああああああああ!!」
『オーラのこもった拳を叩き込まれた』と一瞬で理解できる強烈な一撃。
「がっ……ぐぅう……ぅう」
涙目で振り返ると、
背後には、鬼の形相のドナが立っていて、
「敵前逃亡とは何事か」
底冷えする声で、そう叱りつけてきた。
アモンの身がすくむ。
ゆえに、
「……た、戦っているじゃないですか! 逃げようとなどしておりません!」
恐怖から、つい、反射的にそう嘘をついてしまった。
誰にでも起こりうる、とっさに『自分を守るための嘘』が飛び出てしまうこと。
当然、おおよそにおいて、その手の抵抗は火に油。
アモンは、言った直後に『しまった、アホな口答えをしてしまった』と思ったが、
しかし、吐いたツバは飲みこめない。
「――貴様、私をバカにしているのか?」
より苛烈な瞳で睨まれ、そう言われてしまえば、
もはや反論の言葉すら出てこない。
※ ちなみに、この間、ゴミスはトリップしたような顔で停止している。
「っ……も、申し訳ございません……とっさに嘘をついてしまいました。そのことについては謝罪します。確かに、先ほどの僕は、逃走を考えておりました」
そう宣言して、
「だが! しかぁぁし!! この状況下では、それが最善だと認識したからであって! 決して恐怖に負けたがゆえの敵前逃亡ではございません! あくまでも、先を見据えた戦略的撤退であります!!」
グっと顎をあげて、
まっすぐにドナの目を見て言い切るアモン。
アモンは、その目に『これは嘘ではない』という訴えを込める。
栄えあるゼノリカの天下、楽連の武士、督脈の15番――亜門として、
『成すべきことをしようとした』という意思を示す。
(もはや、このミッションにおいては、ドナ猊下も敵だと認識すべき……前提にだいぶ無理があるけど、あえてこのミッションにタイトルをつけるなら『任務中に九華が寝返った場合の処理方法』ってところか……ほんと、絶対にありえない展開だけど……まあ、そういう訓練ってことで……)
九華……特にドナがゼノリカを裏切ることはありえない。
アモンは、そこまで『ドナ』という人間を理解しているわけではないが、
少し話をしただけでも、彼女のゼノリカに対する狂気は理解できる。
彼女のゼノリカに対する愛は異常。
正直『気持ち悪い』とすら思うレベル。
(……『敵前衛(ゴミス)は楽に処理できるレベルだが、敵後衛(ドナ)のスペックは絶望級の脅威』。俺が持ち帰るべき情報はその一点。ならば、最大の難関は、この空間から、キッチリと逃げおおせること……となれば、一極集中で風穴を開けるしかない……)
アモンは、今回のミッションが『ゴミスを倒すこと』から、
『いかにして、この状況下から生還するか』にシフトしたと判断し、
どうすれば、このミッションをクリアすることが出来るかと必死になって頭をまわす。
(ゴミスの攻撃に注意しつつ、ドナ猊下の空間から抜け出す……難しいが、僕なら出来る)
そう判断し、
即座に逃走ミッションを開始しようとした、
その時、
「――不合格だ」
アモンの脳天に、
ガツゥゥゥンッッ!!
と、重たい激痛が走った。
「がぁああああああああ!!」
『オーラのこもった拳を叩き込まれた』と一瞬で理解できる強烈な一撃。
「がっ……ぐぅう……ぅう」
涙目で振り返ると、
背後には、鬼の形相のドナが立っていて、
「敵前逃亡とは何事か」
底冷えする声で、そう叱りつけてきた。
アモンの身がすくむ。
ゆえに、
「……た、戦っているじゃないですか! 逃げようとなどしておりません!」
恐怖から、つい、反射的にそう嘘をついてしまった。
誰にでも起こりうる、とっさに『自分を守るための嘘』が飛び出てしまうこと。
当然、おおよそにおいて、その手の抵抗は火に油。
アモンは、言った直後に『しまった、アホな口答えをしてしまった』と思ったが、
しかし、吐いたツバは飲みこめない。
「――貴様、私をバカにしているのか?」
より苛烈な瞳で睨まれ、そう言われてしまえば、
もはや反論の言葉すら出てこない。
※ ちなみに、この間、ゴミスはトリップしたような顔で停止している。
「っ……も、申し訳ございません……とっさに嘘をついてしまいました。そのことについては謝罪します。確かに、先ほどの僕は、逃走を考えておりました」
そう宣言して、
「だが! しかぁぁし!! この状況下では、それが最善だと認識したからであって! 決して恐怖に負けたがゆえの敵前逃亡ではございません! あくまでも、先を見据えた戦略的撤退であります!!」
グっと顎をあげて、
まっすぐにドナの目を見て言い切るアモン。
アモンは、その目に『これは嘘ではない』という訴えを込める。
栄えあるゼノリカの天下、楽連の武士、督脈の15番――亜門として、
『成すべきことをしようとした』という意思を示す。
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