センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
65話 ムリだな。
65話 ムリだな。
「すごい! すごいぞぉ! 強いぞぉお! かっこいいぞぉおお! はっははははははははははははは! この急激なパワーアップはなんだ?! これは、いったい、どういうことだ! ピンチになったことで、覚醒でもしたのか?! ひゃははははは!」
虚ろな目の『躁状態』で、休みなく攻撃を仕掛けてくるゴミス。
明確なトリップ。
完全に飛んでいる。
その姿を見て、アモンは辟易した顔で、
(バーサクに……あと、マリオネット・ゲイザーも使っているな……勘弁してくれよ……ドナ猊下からそれだけガッツリと支援を受けている状態ともなれば、絶好調時の僕でも勝てるかわからないってレベルなんだけど……)
思考力と判断力が低下する代わりに、思い切りがよくなって純粋なキレが増すバーサク状態。
『高い次元』の思考力と判断力が肝となる戦闘スタイルならば、致命傷になりうるステータス異常だが、ゴミスの戦闘スタイルは、まったくその次元には達していないので、純粋に『苛烈さ(DPS)』が増す。
その上、ドナのマリオネット・ゲイザーにより、高次の矯正も受けているため、
現状のゴミスは、先ほどまでのゴミスとはくらべものにならないくらい強い。
「くそ、くそ、くそぉ!」
とらえきれない速度。
今のゴミスは弾丸。
優美さや華麗さは皆無だが、キレがハンパない。
アモンは、死角に潜んできたゴミスから、
「ぐふっ!」
雑にえぐられる。
血を吐き出すアモン。
ゴミスの苛烈さが増していく。
ゴミスの動きは荒い。
ゆえに、的確にウィークポイントを攻められることはない。
アモンがゴミスから致命傷をもらうことはないだろう。
が、カウンターを決められるほど、今のアモンにゴミスは見えていない。
この両者の闘いに、早期決着はありえない。
「ははははははははは! アモン! 見えたな、貴様の底! だが、俺の底はまだここじゃない! 俺はまだ舞える!!」
――時間が経つにつれて、徐々にアモンの方が強く削られていく。
アモンは思う。
(……ムリだな……)
途中で、アモンは、
(いくらなんでも差がありすぎる……これは勝てない……)
『勝てない』と判断すると、
『負け方』を考え始める。
(ドナ猊下は言った。――『死んだら殺す』。……つまり、僕の勝利条件は勝利ではなく、死なないこと)
あまりにもバランスが悪すぎるバフデバフの散布。
この状況を受けて、アモンは、思考をシフトする。
(勝てない相手と無理に戦って無意味に死ぬのは、ゼノリカにとって不利益となる……)
アモンは、心の中でそうつぶやくと、
逃走ルートを確保しようと周囲に意識を向ける。
(もはや、このミッションにおいては、ドナ猊下も敵だと認識すべき。――『前提』にだいぶ無理があるけど、あえてこのミッションにタイトルをつけるなら『任務中に九華が寝返った場合の処理方法』ってところか……ほんと、絶対にありえない展開だけど……まあ、そういう訓練ってことで……)
九華……特にドナがゼノリカを裏切ることはありえない。
アモンは、そこまで『ドナ』という人間を理解しているわけではないが、
少し話をしただけでも、彼女のゼノリカに対する狂気は理解できる。
「すごい! すごいぞぉ! 強いぞぉお! かっこいいぞぉおお! はっははははははははははははは! この急激なパワーアップはなんだ?! これは、いったい、どういうことだ! ピンチになったことで、覚醒でもしたのか?! ひゃははははは!」
虚ろな目の『躁状態』で、休みなく攻撃を仕掛けてくるゴミス。
明確なトリップ。
完全に飛んでいる。
その姿を見て、アモンは辟易した顔で、
(バーサクに……あと、マリオネット・ゲイザーも使っているな……勘弁してくれよ……ドナ猊下からそれだけガッツリと支援を受けている状態ともなれば、絶好調時の僕でも勝てるかわからないってレベルなんだけど……)
思考力と判断力が低下する代わりに、思い切りがよくなって純粋なキレが増すバーサク状態。
『高い次元』の思考力と判断力が肝となる戦闘スタイルならば、致命傷になりうるステータス異常だが、ゴミスの戦闘スタイルは、まったくその次元には達していないので、純粋に『苛烈さ(DPS)』が増す。
その上、ドナのマリオネット・ゲイザーにより、高次の矯正も受けているため、
現状のゴミスは、先ほどまでのゴミスとはくらべものにならないくらい強い。
「くそ、くそ、くそぉ!」
とらえきれない速度。
今のゴミスは弾丸。
優美さや華麗さは皆無だが、キレがハンパない。
アモンは、死角に潜んできたゴミスから、
「ぐふっ!」
雑にえぐられる。
血を吐き出すアモン。
ゴミスの苛烈さが増していく。
ゴミスの動きは荒い。
ゆえに、的確にウィークポイントを攻められることはない。
アモンがゴミスから致命傷をもらうことはないだろう。
が、カウンターを決められるほど、今のアモンにゴミスは見えていない。
この両者の闘いに、早期決着はありえない。
「ははははははははは! アモン! 見えたな、貴様の底! だが、俺の底はまだここじゃない! 俺はまだ舞える!!」
――時間が経つにつれて、徐々にアモンの方が強く削られていく。
アモンは思う。
(……ムリだな……)
途中で、アモンは、
(いくらなんでも差がありすぎる……これは勝てない……)
『勝てない』と判断すると、
『負け方』を考え始める。
(ドナ猊下は言った。――『死んだら殺す』。……つまり、僕の勝利条件は勝利ではなく、死なないこと)
あまりにもバランスが悪すぎるバフデバフの散布。
この状況を受けて、アモンは、思考をシフトする。
(勝てない相手と無理に戦って無意味に死ぬのは、ゼノリカにとって不利益となる……)
アモンは、心の中でそうつぶやくと、
逃走ルートを確保しようと周囲に意識を向ける。
(もはや、このミッションにおいては、ドナ猊下も敵だと認識すべき。――『前提』にだいぶ無理があるけど、あえてこのミッションにタイトルをつけるなら『任務中に九華が寝返った場合の処理方法』ってところか……ほんと、絶対にありえない展開だけど……まあ、そういう訓練ってことで……)
九華……特にドナがゼノリカを裏切ることはありえない。
アモンは、そこまで『ドナ』という人間を理解しているわけではないが、
少し話をしただけでも、彼女のゼノリカに対する狂気は理解できる。
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