センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
58話 対話をしよう。敵対はしたくない。
58話 対話をしよう。敵対はしたくない。
『どうすればもっと上にいける?』
ひたすらに延々と『それのみ』を考え続ける狂気の集団。
そんな中で、アモンは自分を磨いた。
『あんたらはスゴイ。ハンパじゃない。けど、僕よりはスゴくない。だから、負けるわけにはいかない』
折れそうな心にムチを打って、どうにかこうにか踏ん張り、
必死になって上位陣に食らいついていき、
そして、ついには、最上位ランクである『督脈』――その15番に名を連ねた。
才能と資質と精神力――そして、とびぬけて優れた環境。
アモンは全てをもっていた。
全てを持ち、
全てを正しく積み重ねてきた。
そんな男の強さを目の当たりにしたゴミスは、
当然のように、
「尊敬するよ、アモン。お前は強い……」
敬意を口にした。
闘いの中で、
ゴミスは、心からの感嘆を並べた。
武をかわしあったことで、
『互いの深部』を理解した。
高次の対話。
拳を重ね合わせないと届かない理解。
アモンほどの男を『知る』ことが出来た。
その事実に、ゴミスの感情が高ぶっている。
高まって、昂って、燃え上がって、
だからこそ落ち着く『熱』というのもある。
「……少し、話をしよう。お前と殺し合いはしたくない」
ゴミスは、アモンの目の前で、ファイティングポーズを解いてそう言った。
白旗ではないが、あえて明確に戦意をゼロにしてみせる。
「それだけの強さに至った軌跡……そこには確かな重みがある。となれば、今回の件も、短絡的・衝動的な暴走ではないと推察できる。なぜ、ウチに手をだした? なにか、やむをえない理由があるなら聞かせてくれ」
ゴミスはバカではない。
だから『暴れまわるだけ』で物事の全てを解決しようとは考えない。
暴力はあくまでも手段。
布石の一つにすぎない。
ゴミスは、まず、利を求める。
それが基本的な、ゴミスのスタイル。
しかし、立場というものがあるので、
利害だけを計算し続けるわけにはいかない。
利がないようであれば、メンツが最優先。
当然、メンツだけに着目して利を捨てるのは愚か。
つまりはバランス。
メンツを軽んじる者は侮られる――が、
利を軽んじるバカも、結局、ナメられる。
難しい匙加減。
奇妙なバランスの上で、ゴミスは生きている。
「アモン。お前とは、敵対したくない。ウチに手を出した理由……言いたくないなら、別に言わなくてもいい。だが、お前の目的に関しては教えてもらいたいと思っている。目標、指針、望み。それを知れば、俺たちは、次の関係に進めると思う」
利害の一致を求めれば握手しやすくなる。
敵対関係になりうるか否かが明確になる。
ようするには、着地点の確認。
闇雲に殺し合うのは愚の骨頂。
「というわけで、どうか、お前の望みを聞かせてくれないか? 俺はお前の力になれる」
――そんな、ゴミスの問いかけに対し、
アモンは、小指で耳の穴をほじりながら、
「僕の望みは、今のところ、一つだね。神になりたい。最果ての高み。真なる高次存在。『そこ』に至らないと『始まらない世界』ってのがあるから」
「神、か……神ねぇ……あー、それは……つまり、その……宗教観点における抽象的な意味か? ……それとも、完全院や全宮の中枢に食い込むということか?」
『どうすればもっと上にいける?』
ひたすらに延々と『それのみ』を考え続ける狂気の集団。
そんな中で、アモンは自分を磨いた。
『あんたらはスゴイ。ハンパじゃない。けど、僕よりはスゴくない。だから、負けるわけにはいかない』
折れそうな心にムチを打って、どうにかこうにか踏ん張り、
必死になって上位陣に食らいついていき、
そして、ついには、最上位ランクである『督脈』――その15番に名を連ねた。
才能と資質と精神力――そして、とびぬけて優れた環境。
アモンは全てをもっていた。
全てを持ち、
全てを正しく積み重ねてきた。
そんな男の強さを目の当たりにしたゴミスは、
当然のように、
「尊敬するよ、アモン。お前は強い……」
敬意を口にした。
闘いの中で、
ゴミスは、心からの感嘆を並べた。
武をかわしあったことで、
『互いの深部』を理解した。
高次の対話。
拳を重ね合わせないと届かない理解。
アモンほどの男を『知る』ことが出来た。
その事実に、ゴミスの感情が高ぶっている。
高まって、昂って、燃え上がって、
だからこそ落ち着く『熱』というのもある。
「……少し、話をしよう。お前と殺し合いはしたくない」
ゴミスは、アモンの目の前で、ファイティングポーズを解いてそう言った。
白旗ではないが、あえて明確に戦意をゼロにしてみせる。
「それだけの強さに至った軌跡……そこには確かな重みがある。となれば、今回の件も、短絡的・衝動的な暴走ではないと推察できる。なぜ、ウチに手をだした? なにか、やむをえない理由があるなら聞かせてくれ」
ゴミスはバカではない。
だから『暴れまわるだけ』で物事の全てを解決しようとは考えない。
暴力はあくまでも手段。
布石の一つにすぎない。
ゴミスは、まず、利を求める。
それが基本的な、ゴミスのスタイル。
しかし、立場というものがあるので、
利害だけを計算し続けるわけにはいかない。
利がないようであれば、メンツが最優先。
当然、メンツだけに着目して利を捨てるのは愚か。
つまりはバランス。
メンツを軽んじる者は侮られる――が、
利を軽んじるバカも、結局、ナメられる。
難しい匙加減。
奇妙なバランスの上で、ゴミスは生きている。
「アモン。お前とは、敵対したくない。ウチに手を出した理由……言いたくないなら、別に言わなくてもいい。だが、お前の目的に関しては教えてもらいたいと思っている。目標、指針、望み。それを知れば、俺たちは、次の関係に進めると思う」
利害の一致を求めれば握手しやすくなる。
敵対関係になりうるか否かが明確になる。
ようするには、着地点の確認。
闇雲に殺し合うのは愚の骨頂。
「というわけで、どうか、お前の望みを聞かせてくれないか? 俺はお前の力になれる」
――そんな、ゴミスの問いかけに対し、
アモンは、小指で耳の穴をほじりながら、
「僕の望みは、今のところ、一つだね。神になりたい。最果ての高み。真なる高次存在。『そこ』に至らないと『始まらない世界』ってのがあるから」
「神、か……神ねぇ……あー、それは……つまり、その……宗教観点における抽象的な意味か? ……それとも、完全院や全宮の中枢に食い込むということか?」
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