センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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53話 超天才少年戦士アモン。

 53話 超天才少年戦士アモン。

「僕はゼノリカの天下、楽連の武士。督脈(とくみゃく)の15番――『亜門(あもん)』。生まれた時から、神族へと昇格することが確定している、ゼノリカ史上最高の資質を持つ超々々天才戦士さ。よろしく」

 アモンは、自信満々の顔で、
 とことん、ゴミスを見下しながら、

「超天才の僕がまだ天下にいるのは、単純に『歳(経験)』の問題。潜在能力的には、十分、天上の最上位クラス。だから、さっさと、天上に上げてくれればいいのに、って思うんだけど……パメラノ先生が、下で経験を積めってうるさくてさ。まいっちゃうよ、ほんと。頭が固い上司を持つと苦労させられる」

 ペラペラと、自由なおしゃべりに興じつつ、

「ただ、今回のミッションで成果を出せば、さすがに、もう認めてもらえると思うんだよねぇ。よく言われていることだけど、こういう緊急事態でこそ、その人間の真価が問われる。つまり、ようやく僕の真価を発揮できるってわけ。というわけで――」

 そこで、アモンは、ググっとオーラを増幅させて、

「これから、あんたを、ボッコボコにするから……いい感じに抵抗してくれる? ほら、サンドバッグを殴っている姿を見せるより、小器用に動く的を華麗に叩き潰す姿を見せるほうが、当然、評価的には高くなるじゃん」

 そこで、ゴミスは、心底不快そうな顔で、ため息をつき、

「……まさか、子守をやらされるとは思っていなかったな……」

 と、つぶやいてから、

「テキトーなガキをあてて、俺の実力の一端を見ようって魂胆か? まったく、ナメられたものだ……いくら癪に障る挑発をくらったからといって、ガキ相手に本気を出すわけがないだろう。まったく、まったく……どれだけ安く見られているのか……やれやれ」

 ゴミスは、右腕にオーラを集中させて、

「ガキの子守は趣味じゃねぇ」

 そう言うと、
 超高速でアモンとの距離をつめると、
 アモンの腹部めがけて拳をつきだした。

 ワンパンで沈める――その気概が乗った一撃。
 決して全力ではないが、しかし、ガキに耐えられる一撃ではない。

 確定で沈んだ。
 殺してしまったかもしれない。
 まあ、別にいい。

 そんなことを思っていたゴミス、
 だったが、
 しかし!



「――ぐぼはぁあああっっっ!!」



 アモンから、強烈なカウンターをもらい、
 体がくの字に曲がる。
 恐ろしく俊敏な切り返し。
 アモンの拳に込められた圧力は嵐。

「ぐふぅ……かはっ」

 全身が痙攣。
 吐血もしている。
 ――そんなみっともないゴミスの姿を見下ろしながら、
 アモンは、ニヤニヤしながら、

「――聞いてなかったの? 僕はアモン。『楽連の武士』における最上層『督脈』の十五番だよ?」

 楽連の武士のランク分けは十四段階あり、『督脈』はその最上位。
 27人で構成されている楽連の頂上――督脈。

 360人で構成されている超人集団『楽連』の上から15番目――それがアモン。

 つまり、亜門(あもん)は、神族に限りなく近い超人。
 まだ10歳でありながら、その存在値は、すでに『350』を超えている。

 『武』における潜在能力は『ジャミに匹敵する』とまで言われている、
 正真正銘の突然変異――つまりは超天才。

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