センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
31話 感謝するわ。
31話 感謝するわ。
「幼稚で愚鈍なだけではなく、モノの価値すらわからぬ真正の阿呆(あほう)。貴様など試す価値もない。コープスワールドすら不要」
「ひっ――」
「――閃拳――」
「がぁあああああああああああああああああああああ!!」
ミシャの拳をモロに受けたシアエガは、豪快に吐血して白目をむく。
地に落ちて、ビクンビクンと痙攣しているシアエガ。
そんなガラクタに、
ミシャは言う。
「私の閃拳は、ただの猿マネ。覚悟も鍛錬もまるで足りていない粗悪なレプリカ」
たんたんと、
とうとうと、
「しかし……『この拳』が『私の中』に『在る』というだけで、私の気力は充実する。とても、とても、暖かな拳……私の全てを照らしてくれた……命の華」
天を仰ぎ、ゆっくりと息を吐き、
真に『はるかなる高み』を見つめながら、
「私は、この上なく尊き神の弟子ミシャンド/ラ。だから、貴様のような真性のマヌケに『畏(おそ)れ』を抱きなどはしない。そんな無様は許されていない。師の弟子である私は、常に美しくあらねばならない」
「がはっ……ごほっ……」
満身創痍のシアエガ(バロール)は、
「――そ、そんな強さが……あっていいわけがない……ごほっ、がはっ……うぅう……ぎぃいい……」
濃い血を吐きながら、
「わた……私は……コスモゾーン・レリック……この世界における……管理システムの一つ……最高品質の傑作……最も尊い……神格で……だから……」
「だから?」
「だから……わ、私より上位のCレリックの存在は認めても、私より上位の生命など、認めないぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
叫びながら、
シアエガは、残っているオーラと魔力を練り上げて、
ミシャを滅ぼそうと、最後のあがきを魅せてきた。
それは、ただの猪突突進だった。
つまりは、最悪の悪手。
覚醒したワケでも、覚悟を乗せたわけでもない。
歪んだプライドを原動力に、
ただ暴れているだけ。
ゆえに、
当然、
ミシャは、
「……感謝するわ」
そう言いながら、シアエガ(バロール)の腹部にカウンターの膝をぶちこんで、
「ぶふぅうううううううううううううううっううっっっ!」
シアエガの苦悶、
そんな滑稽を横目に、
ミシャは、安堵のため息をつきながら、
(正直……この世界が『師を害せてしまう』ような『とんでもなく危険な世界だったらどうしよう』と不安でたまらなかった……その不安感は、私の心をひどく苛(さいな)んだ。もし、師を失ったら……そう思うだけで、心が裂けそうだった。……けれど、こいつを見る限り……どうやら『そこまで心配しなくてもよさそうだ』とホっとできた――もちろん、『1体』以上は確実に『とんでもない敵がいるみたい』だけれど、脅威の量がそれだけにとどまるのならば、正直、どうとでもなる。――そういう『この世界の現実』を私に教えてくれた貴様には、心から感謝するわ。無能でいてくれてありがとう。願わくば、このカスが本当に、最高品質の傑作でありますように)
心の中で、そう呟いていると、
そこで、シアエガが、
「……わ、私は……」
「幼稚で愚鈍なだけではなく、モノの価値すらわからぬ真正の阿呆(あほう)。貴様など試す価値もない。コープスワールドすら不要」
「ひっ――」
「――閃拳――」
「がぁあああああああああああああああああああああ!!」
ミシャの拳をモロに受けたシアエガは、豪快に吐血して白目をむく。
地に落ちて、ビクンビクンと痙攣しているシアエガ。
そんなガラクタに、
ミシャは言う。
「私の閃拳は、ただの猿マネ。覚悟も鍛錬もまるで足りていない粗悪なレプリカ」
たんたんと、
とうとうと、
「しかし……『この拳』が『私の中』に『在る』というだけで、私の気力は充実する。とても、とても、暖かな拳……私の全てを照らしてくれた……命の華」
天を仰ぎ、ゆっくりと息を吐き、
真に『はるかなる高み』を見つめながら、
「私は、この上なく尊き神の弟子ミシャンド/ラ。だから、貴様のような真性のマヌケに『畏(おそ)れ』を抱きなどはしない。そんな無様は許されていない。師の弟子である私は、常に美しくあらねばならない」
「がはっ……ごほっ……」
満身創痍のシアエガ(バロール)は、
「――そ、そんな強さが……あっていいわけがない……ごほっ、がはっ……うぅう……ぎぃいい……」
濃い血を吐きながら、
「わた……私は……コスモゾーン・レリック……この世界における……管理システムの一つ……最高品質の傑作……最も尊い……神格で……だから……」
「だから?」
「だから……わ、私より上位のCレリックの存在は認めても、私より上位の生命など、認めないぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
叫びながら、
シアエガは、残っているオーラと魔力を練り上げて、
ミシャを滅ぼそうと、最後のあがきを魅せてきた。
それは、ただの猪突突進だった。
つまりは、最悪の悪手。
覚醒したワケでも、覚悟を乗せたわけでもない。
歪んだプライドを原動力に、
ただ暴れているだけ。
ゆえに、
当然、
ミシャは、
「……感謝するわ」
そう言いながら、シアエガ(バロール)の腹部にカウンターの膝をぶちこんで、
「ぶふぅうううううううううううううううっううっっっ!」
シアエガの苦悶、
そんな滑稽を横目に、
ミシャは、安堵のため息をつきながら、
(正直……この世界が『師を害せてしまう』ような『とんでもなく危険な世界だったらどうしよう』と不安でたまらなかった……その不安感は、私の心をひどく苛(さいな)んだ。もし、師を失ったら……そう思うだけで、心が裂けそうだった。……けれど、こいつを見る限り……どうやら『そこまで心配しなくてもよさそうだ』とホっとできた――もちろん、『1体』以上は確実に『とんでもない敵がいるみたい』だけれど、脅威の量がそれだけにとどまるのならば、正直、どうとでもなる。――そういう『この世界の現実』を私に教えてくれた貴様には、心から感謝するわ。無能でいてくれてありがとう。願わくば、このカスが本当に、最高品質の傑作でありますように)
心の中で、そう呟いていると、
そこで、シアエガが、
「……わ、私は……」
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