センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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24話 事実は小説より奇なり。

24話 事実は小説より奇なり。

「な、なんだ、その鋭い一撃は……バロールと同等……いや、火力の高さでは……バロールを超えている? ……信じられん……」

 混乱している表情で、

「……せ、整理がおいつかない……どういうことだ……なぜ、下位世界の存在でありながら……こ、これほどの強者が……ふ、ふたりも………」

 そこで、周囲を見渡してみた。

 カティだけではなく、
 残りの三人も、それぞれ武器を構え、
 シアエガのスキをうかがっている、

 見た感じ、
 全員から、同等の圧力を感じて、
 だから、当然、
 シアエガは、冷や汗を流しながら、


「ま、まさかとは思うが……ここにいる全員が……いや、さすがに……それはないとは思うが……」


 と、つぶやいた直後、

「事実は小説より奇なり……とはよく言ったものだと思わないか?」

 シアエガの上空に瞬間移動したジャミが、
 そう言いながら、

「蒼天裂空斬ランク23」

 飛ぶ斬撃で牽制をいれた。

「ぐぅ!」

 ギィンっと鈍い音が響く。
 『刃を合わせる反応』は出来たが、

「ぉ、重い……」

 ジャミが放った斬撃は、スピードこそ大したことなかったが、
 ズシンと、厚みのある重量を感じた。

 重たい斬撃に自由を奪われているシアエガに対し、
 カティが、正面から、

「ジャミの『蒼天』は、正面から受け止めるべきじゃなかった。スキをつかれて、完全回避が不可能だったのはわかるけど、そこは、不利姿勢になるのも覚悟で、全力回避するべきだった。大きな判断ミス。戦闘思考力が低い。あんたみたいなカスに支配されているバロールは本当にマヌケ。クソ低能。『愚連(天下の楽連の下部組織)』からやり直すべき」

 たんたんとそう言いながら、
 刀を構えて、

「――黒零切炎(こくれいせつえん)ランク18――」

 腹部に対し、一文字に切り込む斬撃。

「ぐぅう!」

 斬撃だけでも、相当のダメージが入っているが、
 斬傷から黒い炎が燃え上がり、シアエガの肉体を包み込む。

「がぁあああ!」

「バロールって『ゼロコゲ(『零』と『黒』の属性を持つ『炎』系統)』に対する耐性が少し低いんだけど……別に、あんたを装備したからって、そこが補完されるわけじゃないみたいね。存在値は多少上がっているみたいだけど、戦闘思考力が大幅に低下するんじゃお話にならない。……結論、コスモゾーン・レリックは、クソの役にもたたないガラクタ。武器として、バロールが普通に使えば、まだ可能性はあるけど、飲ませても弱体化するだけ。よくわかったわ」

 批評している間も、
 カティはシアエガにダメージを積んでいく。

「ぎへぇ!!」

 追撃の手はカティとジャミで完結していない。

 カティの背後を陣取っているサトロワスが、
 狙撃銃で的確にシアエガへと弾丸を叩き込む。

「がっはぁああ!! ごはぁ! やめっ――ぐぬぅうううううう!!」

 ドナは全体の支援に徹している。
 火力は低いが、支援役としては非常に優秀。
 空間系のスキルやバフデバフ回復を駆使して、
 多角的に、全方位へ、『有利』をバラまいていく。

 ゼノリカの天上、九華十傑。
 生まれもった『圧倒的な才覚』に溺れることなく、
 真摯に愚直に、狂気的な鍛錬を積み重ねてきた異常集団。
 輝くような命の結晶、
 ソレをまざまざと見せつけられるシアエガ。


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