センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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22話 バロール×シアエガ。

 22話 バロール×シアエガ。

「貴様の、その膨大な力を称え、私の使用許可を与える。どうだ、誇らしかろう」

「……使用許可? 意味がわからないので、誇りようがありませんな……申し訳ありませんが、少しご教授願えませんか?」

「知る必要などない。貴様はただ、私の器となればいい」

(……『何も教える気はない』……ってことなら、このカスに価値はねぇ。さっさと鹵獲(ろかく)して、徹底的に痛めつけて情報を根こそぎ吐かせる。もし、反抗心をあらわに沈黙を貴(たっと)ぶようなら、危険物として適切に処理する。それだけの話)

 勝手にしゃべってくれるのなら楽だ――と、ここまでは『好き勝手なおしゃべり』を許していたが、しかし、下手に情報を出し惜しみするようなら、もう容赦はしない。

 ぶっちゃけ、バロールも、だいぶイライラしてきている。
 そろそろ我慢の限界。

 というわけで、バロールが『ゼノリカの執行』を決意した――
 それと同じタイミングで、



「さあ、私を使え、ブナッティ・バロール」



 シアエガがそう言うと、
 バロールの心臓がドクンと鳴った。


(……なんだ? 今の衝動……)

「貴様は条件を満たした。この私に、その才を認めさせた。これより、貴様と私は一つの神。貴様は私の中に在り、私もまた、貴様の中に在る」

 そう宣言した直後、
 シアエガは、
 現時点の器であるガタラを飲み込んでいく。

 自分が飲まれているコトに気づいたガタラは、当然、

『――ちょっ、待ってください、シアエガ様、何を――』

 反抗しようとするが、

「ガタラ。貴様はもう必要ない。これまでご苦労だった。礼を言う」

 シアエガは、

『ふざけっ――放せ――ヤメ――』

 ガタラの抵抗を、あっさりと、完璧にはねのけ、


『いやだ! やめ! ァあああああー―』


 無慈悲に飲み込んでしまうと、
 シアエガは、その流れのまま、
 グニュグニュと全身を変形させて、
 ――ついには、『まがまがしい斧』となった。

 その『斧』を見た瞬間、
 バロールの脳が、先ほどの衝動よりも強く、熱くしびれた。

「?! また、この感覚……なっ、なにが――」

「ブナッティ・バロール……貴様と私が一つになれば、領域外の超越者『アウターゴッド』になれる」

 シアエガの言葉が、バロールの脳を犯していく。
 グチャグチャにかきみだされて、
 バロールの意識が遠のいていく。

「ふざけ……っ……ぐっ――」

 抵抗の声がこぼれる。
 しかし、

「くそがぁあああああああああああああ――」


 ついには、意識を封じられ、
 人形となったバロールは、

「……」

 精気のない目で虚空を見つめながら、

「さあ、その手に私を掴め」

 シアエガの命令に従い、
 『まがまがしい斧(シアエガ)』を、その手に取ってしまう。

 斧を手にしたとたん、
 バロールは、

 ビクゥッ!

 と、体をエビ反りにして、

「ぶはぁ!」

 深く重たい息を吐くと、
 エビ反りで天を仰いだまま、

「実に素晴らしい……」

 ニィと笑って、

「ブナッティ・バロール……貴様のコアオーラは本当に素晴らしい。伝わってくるぞ。貴様が積んできた武の結晶――その全てが、肉体を通して、私の魂魄に伝わってくる」



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