センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
20話 アホを相手に感情をむき出すのは愚の骨頂。
20話 アホを相手に感情をむき出すのは愚の骨頂。
「先ほどの一手が貴様の『実力』という事はありえない。それは『世界の道理・秩序』に合わない。だから、おそらくは……そう……『切り札』だったのだろう? 先の異次元砲は、貴様が誇る最強の一手。長期にわたる『タメ』を必要とする究極の一手。そうだろう? 確かに素晴らしい一撃だった……が、しかし、あれだけの力を使ってしまっては、もう魔力は残っていまい……」
シアエガの発言を受けて、
バロールは、
「……はぁぁ……」
一度『呆れ顔』を見せ、
『アホか、お前は。私の実力はこんなものじゃ――』
と否定しようかとも考えたが、
しかし、
(アホを相手に歯をむき出しにするのもバカらしいな……)
と思い至り、
この状況を俯瞰で見つつ、
ぽりぽりと頬をかきながら、
「あー、そうだねー」
という平坦な返事にとどめた。
バロールの感情を察することなく、
シアエガは、渾身のドヤ顔で、
「初手から最大火力の一撃を叩き込む――戦術視点では、一抹の愚かしさを内包しているものの、しかし、実践視点では、非常に有効な一手だったと言わざるをえない。必着だったとすら言えよう。……しかし、残念ながら、私を削り切ることは出来なかった。コスモゾーン・レリックの生命力はケタが違う。残念だが、貴様の負けだ。降伏しろ」
などと、ノリノリで、そんなズレきったコトを言ってくるシアエガに対し、
バロールは、
(この滑稽さは……もしや、演技か? 油断させようとしている? んー、だが、それにしては、あまりにも……うーむ……どっちだ……)
バロールが、困惑していると、
「何を悩んでいる。言っておくが、貴様では、たとえ、『絶死のアリア・ギアス』を積んだとしても、私を削り切ることはできないぞ。先ほども言ったが、コスモゾーン・レリックは例外なく『膨大なHP(生命力)』を誇っている。貴様は素質にあふれた天才だが、しかし、それでも届かない世界は実在する」
そこで、バロールは思案する。
(コスモゾーン・レリックは生命力が膨大……か。本当だったとしたら、有益な情報)
『どのタイプ』に属する存在なのか――それは非常に有益な情報。
魔法型なのか、気功型なのか、それとも複合タイプか、
それらの情報を事前に理解しているだけでも大幅に有利。
もちろん、ある程度の実力に達すれば、
数秒、武を交えるだけで、相手の型は理解できるのだが、
『初手』で有利が取れるというのは非常に大きく、
初見殺し等の事故を防ぎやすくなる。
(最初から思っていたが、こいつは知性がじゃっかん低い気がする……情報の漏洩に対して無防備というか、なんというか……)
『頭が悪い』のか、それとも『油断しているだけ』なのか、
実際のところ、どっちなのか、現時点では分からないが、
とにかく、バロール視点ではかなり無防備と言わざるを得ない。
まだ、ガタラの方が、冷静かつ丁寧な対応をしていたと言えよう。
(シアエガの無様な姿が、もし、演技ではなく、ガチで『愚か』なだけだったとしたら……まだ泳がせておいて、情報を吐かせるのも悪くないかもしれない……)
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