センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9話 世界全体の強度。
9話 世界全体の強度。
「……何について、どれだけしゃべったら、俺を解放してくれる?」
「おいおい、お前は、まだ私の顔面を一発ぐらいしか殴っていないぞ。それで諦めるのは流石にはやすぎるだろう。せめて、もう少しぐらいはトライしてみろよ。ほら、胸も腹もガラ空きだぞ」
全身を晒してくるバロールに、
ガタラは渋い視線を送ってから、
「……もういい。気合を入れて殴ってもビクともしないヤツと戦うほど、俺はバカじゃない」
けだるげに、そうつぶやいた。
ダウナーで、視線は虚空。
その姿を受けて、バロールが、
「その言い草……まさかとは思うが、さっきの一撃、本当に本気だったのか?」
と尋ねると、
ガタラは、
「ああ。悪いか?」
投げやりなその発言を受けて、
バロールは、
「いぃや、悪くはないさ」
ニタっと粘質性をもった笑顔で、
「むしろ喜んでいる」
ニタニタしながらそう言ったバロールの表情を受けて、
ガタラは、より渋い顔をして、
「性格の悪い野郎だ」
吐き捨てるように、そうつぶやいてから、
ガタラは、
「……俺にはやるべきことがある。『裏で上に立つ者』の仕事は存外多いが、適正者はそこまで多くはない。『あんたら』からしたらチンケな仕事だろうが、俺にとっては大事な仕事だ。今のポジションを失いたくはない」
社会に適応できない『イカれた連中』の統率。
上も下も問題児だらけ。
頭おかしい不良どもの受け皿、不に属する感情の掃きだめ――そんな歪な歯車。
決して誰にでも出来る仕事じゃない。
強者で、賢くて、『まとも』なバッドガイはそうそう多くない。
もちろん大変だが『存在証明』や『生き甲斐』って概念でくくれるくらいには『やりがい』がある雑用。
だから、今の自分をなくしたくない、と、ガタラは強く思う。
「そして、現状、特に漏らして困る情報なんざ持ってねぇ。だから素直に答えてやる。鉄火場ではメンツではなく実をとるのが俺のモットー。……えっと、それで、なんだっけ? コスモゾーン・レリックについて聞きたいんだったか? 『なに』をどのぐらい聞きたい?」
そこで、ガタラは、慎重に言葉を選ぶ。
『自分(ガタラ)』の『状況』を、
『相手(バロール)』がどれだけ把握しているか。
そこを見極めるように、
探るように、
「言っておくが、俺に答えられることは少な――」
「……その前に一つ答えろ。さっきの一撃はどのぐらいの『本気』だ?」
「あん? 九割だよ。かなり本気だった。それがどうした?」
「本当か?」
「……さっきから、なんで、『そこ』を、そんなにも疑う?」
ガタラの質問などガン無視で、
バロールは、
(……さっきの一撃は存在値200程度だった……調査結果によると、この男は、腕力がモノを言う裏組織内でもトップテンに入る武闘派……その男が存在値200程度……)
状況を精査して、だから、
ニっと微笑み、
(この事実から推察するに……おそらく、世界全体の平均存在値が80前後で、『強者の部類に入る者』でも200前後……シロアリトップのゴミスとかいうやつは別格に強いという噂だが……まあ、この感じだと、おそらくは、300前後……仮に、天井の1000だったとしても『そいつ一人だけが別格に強い』という組織なら、大した脅威でもない)
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